
【まとめ】『ドイツ年間ゲーム大賞』歴代の名作ボードゲーム一覧表

この記事では、ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)で大賞を受賞したボードゲームを紹介します。
目次
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)とは


ドイツ年間ゲーム大賞とは
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres,SDJ)は、ドイツで選定されるアナログボードゲームの賞であり、1979年から始まりました。ゲームオブザイヤー(The Game of the Year)と呼ばれることもあります。
2001年から「子供ゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)」、2011年からは「エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)」が創設されました。
受賞した作品は、ライセンス料を支払うことでドイツ年間ゲーム大賞のロゴをパッケージに印刷することができます。運営協会の運営費は、ロゴのライセンス料のみから賄われており、外部の影響を受けないようになっています。
選考日程について
各ゲーム大賞のノミネート作品は毎年5月に発表されて、その中から年間ゲーム大賞・エキスパートゲーム大賞・キッズゲーム大賞が7月に発表されます。
対象となる作品は、5月のノミネート作品決定までに審査員が十分遊べるように、基本的にその年の3月末までに審査員が受け取れる状態にあるボードゲームです。
審査員について
ドイツ年間ゲーム大賞の審査員は、ドイツ語圏のゲーム評論家・専門家で構成されています。審査員になるためには、自分で応募することができず、現審査員の推薦が必要です。
また、ボードゲームの開発・マーケティングに関わっている人は、審査員になることはできません。
ドイツ年間ゲーム大賞一覧
まずは、ドイツ年間ゲーム大賞で大賞を受賞した作品を一覧にしてまとめました。
ドイツ年間ゲーム大賞を受賞したボードゲーム
ここからは、ドイツ年間ゲーム大賞を受賞したボードゲームの詳細を紹介していきます。
2022年:カスカディア


人数 | 1~4人 |
時間 | 30~45分 |
デザイナー | Randy Flynn |
カスカディアは、「生息地」と「動物」の両方をうまく配置していく2層構造のパズル系ボードゲームです。
手番では、場にある「生息地タイル&動物ディスク」のペア4つから1つを選んで、手元に配置していきます。


生息地タイルはできるだけ地形が長く続くように配置して、動物ディスクは各動物の得点方法に則って高得点になるように配置します。
生息地と動物の2つのパズルを並行して行うので、生息地と動物のどちらを優先するかというジレンマが常にあります。一方で、タイルは四方八方に自由に伸ばせるので、窮屈感がなくて穏やかなプレイ感です。ルールがシンプルで遊びやすく、ゲーム後の満足度がとても高いので、ボードゲーム初心者やファミリーにもおすすめです。
2021年:ミクロマクロ:クライムシティ
ジャンル | 推理 |
人数 | 1~4人 |
時間 | 15~45分 |
デザイナー | Johannes Sich |
ミクロマクロ:クライムシティは、町の光景が細かく描かれた町マップを広げて、様々な事件を解決する推理系ボードゲームです。
みんなで協力しながら事件カードを1枚ずつ解いていくことで犯行の真相を明らかにしていきます。事件カードには「殺人事件の現場を探せ」「凶器はどこで手に入れた?」「犯人はどこに逃げた?」などの課題が書かれているので、町マップからその答えを見つけ出します。


細かく描きこまれた町マップから答えを探すプレイ感は、ボードゲームというよりも「ウォーリーを探せ」に近いです。
ただ、探せ系ゲームと大きく違う点は、マップにいろんな時間軸の同一人物が描かれているところ。例えば「5分前のAさん・10分前のAさん・15分前のAさん」が同じマップにいるということです。これにより、犯人が事件の前後に何をしたのかを辿ることができるというのが面白くて、童心に帰ったように夢中で探し続けてしまいました。特に小学生の子供がいるファミリーにおすすめの協力ゲームです!
2020年:ピクチャーズ(Pictures)


ジャンル | 表現 |
人数 | 3~5人 |
時間 | 20~30分 |
デザイナー | Christian Stöhr Daniela Stöhr |
ピクチャーズは、5つの材料(ブロック、棒や石、アイコンカード、カラーキューブ、紐)の1つで写真を表現するボードゲームです。


出題者がお題の写真をブロックなどで表現して、その他のプレイヤーが複数の写真から正解を当てることを目指します。
※ピクチャーズの日本語版は、ホビージャパンから「2020年秋頃」発売予定となっています。
▽ピクチャーズのルール&レビューはこちら。
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2019年:ジャストワン(Just One)
ジャンル | 表現・協力 |
人数 | 3-7人 |
時間 | 20分 |
デザイナー | Ludovic Roudy Bruno Sautter |
2019年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞したボードゲームは『ジャストワン』。ジャストワンは、1人だけお題を知らない回答者が、みんなが書いたヒントから連想してお題を当てるという協力系ボードゲームです。
面白いポイントは、他の人とヒントが被ってしまったら、そのヒントを回答者に見せることができなくなるというルールです。下の画像は答えが「チーズ」の時ですが、ヒント被りした「ネズミ」は回答者に見せられなくなります。


他の人と同じヒントを書いたらアウトなので、みんなが書かないような「ちょっと外したヒント」を書くのがこのゲームのコツです。一方で回答者は、微妙なヒントばかりから答えを連想しなければならないという難しさがあります。
ゲーム後も「あそこで被らなければなぁ…」「このヒントはひどくない!?」などとみんなでワイワイ言い合いながら盛り上がれます。お題が「畳(たたみ)」の時にみんなで「和室」と書いてしまって、ヒントが全て消えた時は大爆笑でした。安直なヒントは禁物です!
2018年:アズール(Azul)
ジャンル | タイル配置 |
人数 | 2-4人 |
時間 | 30-45分 |
デザイナー | Michael Kiesling |
2018年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞したボードゲームは『アズール』。
アズールでは、プレイヤーがタイル職人になって、宮殿の壁に美しくタイルを配置することを目指します。


手番でやることは「好きなタイルを取って並べるだけ」と簡単です。ただ、「自分の欲しいタイルを取るか、相手の妨害をするか」というジレンマに悩まされ続けるので、シンプルだけどずっしりとした遊び応えがあります!
アズールは、第2弾、第3弾と続編が出て、シリーズ化しています。個人的には、3作目の『アズール:サマーパビリオン』が遊びやすくておすすめです。
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2017年:キングドミノ(Kingdomino)
ジャンル | タイル配置 |
人数 | 2-4人 |
時間 | 15分 |
デザイナー | Bruno Cathala |
ドイツ年間ゲーム大賞2017を受賞した『キングドミノ』は、好きな土地タイルを配置して、自分だけの美しい王国を作り上げるというタイル配置系のボードゲームです。


このゲームはタイル選択が本当に悩ましくて、「自分の理想の王国を作り上げるか」「相手の邪魔をするか」「次の手番のために我慢するか」といったジレンマが常にあり、軽めのゲームでありながら戦略的な要素もしっかり詰まってます。
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2016年:コードネーム(Codenames)
ジャンル | 表現力 |
人数 | 2-8人 |
時間 | 15分 |
デザイナー | Vlaada Chvátil |
ドイツ年間ゲーム大賞2016を受賞した『コードネーム』は、マスターのヒントを元に答えを見つけ出す、チーム対抗戦のワードゲームです。
各チームには、全ての正解ワードを知っているスパイマスターが1人ずついます。スパイマスターは「単語1つ」のヒントを伝えて、チームメンバーはその単語をもとに25枚のカードから正解を見つけ出します。


例えば、自分のチームの正解ワードに「ジャム・レモン・農園」が入っていたら、それらに共通する単語として「果物」と伝えて、チームメンバーに当ててもらうという感じです。自分が悩みに悩んで絞り出した1つの単語から、味方が2枚、3枚、4枚と当ててくれた時はすごく気持ちいいです!
また、ゲーム終了後には「あのヒントってどういう意味?」「そのヒントはないわ…」というようにゲームを振り返りながら盛り上がれます。
2015年:コルト・エクスプレス(Colt Express)
ジャンル | 戦略系 |
人数 | 2-6人 |
時間 | 40分 |
デザイナー | Christophe Raimbault |
2015年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『コルト・エクスプレス』は、列車強盗がテーマのボードゲームです。
プレイヤーはギャングとなって、列車内で乗客や金庫、他のギャングから金品を奪うことで、大金持ちになることを目指します。


強盗・車両の移動・屋根に上る・銃撃する・保安官を移動させるなどを行い、他のプレイヤーを出し抜いて、最も多くのお金を稼いだ人の勝利です。
2014年:キャメルアップ(Camel UP)
ジャンル | ダイス系 |
人数 | 2-8人 |
時間 | 30分 |
デザイナー | Steffen Bogen |
ドイツ年間ゲーム大賞2014を受賞した『キャメルアップ』は、ラクダのレースを予想するボードゲームです。
ラクダはダイスの出目で移動していきますが、ラクダ同士が同じマスに到着すると、ラクダの上に乗ることができ、下のラクダが動けば一緒に移動できます!


順位予想は早く賭けた方が配当が大きくなりますが、早すぎると予想が難しいものです。早く賭けるか・もう少し様子を見るかという判断が悩ましくも楽しいゲームです。
※キャメルアップはリニューアルして、2019年版となりました。
2013年:花火(Hanabi)
ジャンル | 協力系 |
人数 | 2-5人 |
時間 | 30分 |
デザイナー | Antoine Bauza |
ドイツ年間ゲーム大賞2013を受賞した『花火(HANABI)』は、協力系ボードゲームです。みんなで協力して、カードを色別に1から順に出していくことで花火を打ち上げることを目指します。(カードは1~5がそれぞれ5色分)


ただ、このゲームの独特なところは、自分の手札が見えないこと!なぜなら、数字の書いてある面を他のプレイヤーに向けて持たなければならないからです。
そのため、他のプレイヤーから「コレとコレとコレが黄色だよ」「コレだけ1ね」というように、色か数字のどちらかの要素を教えてもらいます。ただし、教えるためには限られたチップを使わなければなりません。
この厳しい状況の中、周りのヒントから自分の手札を察して、小さい順に数字カードを出していき、全色の花火を打ち上げることを目指します!
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2012年:キングダムビルダー(Kingdom Builder)
ジャンル | 陣取り |
人数 | 2-4人 |
時間 | 45分 |
デザイナー | Donald X. Vaccarino |
ドイツ年間ゲーム大賞2012を受賞した『キングダムビルダー』は、ボード上に自分の開拓地コマを3個ずつ建てていく陣取りボードゲームです。


ゲーム前に得点カードを3枚引いて、その3枚で今回の得点方法が決まります。このカードの内容に沿って、より多くの得点が得られるように配置していきます。
2011年:クゥワークル(Qwirkle)
ジャンル | タイル配置 |
人数 | 2-4人 |
時間 | 30-60分 |
デザイナー | Susan McKinley Ross |
2011年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞したのは『クゥワークル』。
マークと色の種類が様々なタイルを場に配置していき、「同じマーク」か「同じ色」で繋がるようにおくことで点数を獲得できます。


また、タイルが同じ要素で6枚並んだら「クワークル!」と宣言することで、ボーナス点がもらえます。
2010年:ディクシット(Dixit)
ジャンル | 表現力 |
人数 | 3-6人 |
時間 | 30分 |
デザイナー | Jean-Louis Roubira |
ドイツ年間ゲーム大賞2010を受賞した『ディクシット』は、抽象的なイラストを「言葉・歌・踊り・ジェスチャー」などで自由に表現して、自分のカードを当ててもらうというボードゲームです。


当ててもらうと言いましたが、実は「全員に当てられたらダメ」という絶妙なルールがあります。そのため、「ズバリこれ!!」というバレバレの表現ができません。何人かにだけ伝わるように具体的すぎず抽象的すぎない”あいまい”な表現をするのがこのゲームの肝です!
そのあいまいさの加減が悩ましくて、毎回みんなの微妙な表現に笑わせてもらっています。正解を発表した後に「なんであのタイトルをつけたの?」「さすがに分からん!」などと口々に感想を言い合う時間が楽しいです。
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2009年:ドミニオン(Dominion)
ジャンル | デッキ構築 |
人数 | 2-4人 |
時間 | 30分 |
デザイナー | Donald X. Vaccarino |
2009年にドイツ年間ゲーム大賞に輝いた『ドミニオン』は、デッキ構築のボードゲームで、お金で好きなカードを購入して、自分のデッキを強化していきます。


カードを購入して自分だけのデッキを作っていく
次第にカードが充実してできることが増えていくので、「デッキが成長しているような感覚」になって後半になればなるほど面白くなります!
ゲームが終わっても「あのカードを買っておくべきだったかも…もう1回!!」とついつい何度も遊んでしまい止め時が分からなくなってしまいます…。一時期、ボードゲームで遊ぶときは毎回「ドミニオン」で締める、というくらい大好きなゲームです。
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2008年:ケルト(Keltis)
ジャンル | デッキ構築 |
人数 | 2-4人 |
時間 | 30分 |
デザイナー | Reiner Knizia |
2008年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『ケルト』は、様々な名作ボードゲームを生み出しているライナー・クニツィアの作品です。


手札の数字カードを「昇順 or 降順」の順で出しながら、カードの色に応じたコマを進めて、得点を競うボードゲームです。


2007年:ズーロレット(Zooloretto)
ジャンル | タイル配置 |
人数 | 2-5人 |
時間 | 45分 |
デザイナー | Michael Schacht |
2007年にドイツ年間ゲーム大賞に輝いた『ズーロレット』は、動物園の経営者となって、園内に様々な種類の動物を集めるボードゲームです。
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ゲームは、トラックに乗った動物タイルを引き取ることで動物園を発展させていきます。自分の動物園にたくさん動物を集めたいところですが、1つの檻には1種類の動物しか入れられません。飼えないほどの動物を引き取ってしまうと、マイナス点になったり、他のプレイヤーに引き取られることがあります。
「めくったタイルをどのトラックにのせるか」「今のトラックを引き取るのか」が悩ましいゲームです。
2006年:郵便馬車(Thurn und Taxis)
ジャンル | カードドラフト |
人数 | 2-4人 |
時間 | 60分 |
デザイナー | Karen Seyfarth & Andreas Seyfarth |
2006年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『郵便馬車』は、都市カードを集めて郵便網を作り、各地に郵便局を建てていくボードゲームです。
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長い郵便網を作ったり、郵便局の配置の仕方によって、様々なボーナス点が得られます。他プレイヤーの状況を把握しながら、自分がどのように郵便網を作っていくのかが悩ましいゲームです。


2005年:ナイアガラ(Niagara)
ジャンル | 心理戦 |
人数 | 2-5人 |
時間 | 30-45分 |
デザイナー | Thomas Liesching |
2005年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『ナイアガラ』は、ナイアガラの滝でカヌーに乗って宝石を集めるボードゲームです。
手札のカードを使って、カヌーを移動させて、下流の宝石を集めて上流に持ち帰ることを目指します。また、他人のカヌーから宝石を略奪することもできます。
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相手がどこまで移動するのかを予想して、自分のカヌーを動かすという読み合いが面白いゲームです。
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