ドーフロマンティックボードゲームのルール&レビュー
2023年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞して話題となった、ドーフロマンティックボードゲーム。
タイルを配置しながら美しい村や風景を作り上げていくという協力型ボードゲームです。
今回は、ドーフロマンティックボードゲームのルール&レビューを徹底紹介します。
ゲーム名 | ドーフロマンティックボードゲーム 日本語版 |
プレイ人数 | 1~6人 |
プレイ時間 | 30~60分 |
対象年齢 | 8歳~ |
発売時期 | 2023年11月 |
デザイナー | Michael Palm Lukas Zach |
アート | Paul Riebe |
価格 | 6,600円(税込) |
メーカー | テンデイズゲームズ |
関連ページ | BoardGameGeek テンデイズゲームズ |
気になるところまで飛ぶ
ドーフロマンティックボードゲームはどんなゲーム?
ドーフロマンティックボードゲームは、みんなで相談しながらタイルを配置して美しい村の景観を作っていく、協力型のタイル配置ボードゲームです。
手番でやることは、タイル1枚を配置するだけ。森・麦畑・村のタイルを繋げていき「森を4つ繋げる」「村を5つ繋げる」といったタスクを達成することで、点数を獲得していきます。さらに「水路の長さ」や「線路の長さ」などでも加点されます。
このゲームの特長は、得点に応じて新要素がアンロックされる点です。新しい要素が追加されると、より高得点を目指しやすくなり、遊べば遊ぶほど点数が伸びていくのが気持ちいいです。
ゲーム終了後には「次やったらもっと点数が伸びるはず」という期待感と、「早く実績を解除したい」という欲求が生まれて、すぐに次のゲームをプレイしたくなります。ルールが簡単でリプレイ性が高く、まったりとしたプレイ感なので、家族でコツコツ遊ぶのにぴったりです。
2023年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞
ドーフロマンティックは、もともとベルリンのゲームデザインの学生4人によって開発されたデジタルゲームです。現在では、Nintendo Switch版やSteam版で遊べます。このデジタルゲームが人気となり、ボードゲーム版が発売されました。
そして、2023年7月16日に発表されたドイツ年間ゲーム大賞2023では『ドーフロマンティックボードゲーム』が大賞を受賞しました。
ドーフロマンティックボードゲームの内容物
ドーフロマンティックボードゲームの内容物は以下の通り。
スクロールできます
《内容物》
地形タイル48枚 / タスクタイル25枚 / タスクマーカー / キャンペーンシート / スコアシート / ゲーム中にアンロックする小箱5個 /
ドーフロマンティックボードゲームのゲーム準備
まずは、ドーフロマンティックボードゲームのゲーム準備からです。
タスクタイル(裏面が吹きだしマーク)をシャッフルして、裏向きの山にします。
地形タイル(裏面が風車)をシャッフルしてからランダムに3枚選んで、表面を見ずにゲームの箱に戻します。(この3枚は今回のゲームから除外)
残った地形タイルを裏向きの山にします。
タスクマーカーをシャッフルして、色ごとに分けて重ねます。
これでゲーム準備完了です。
ドーフロマンティックボードゲームのルール
ドーフロマンティックボードゲームのルール・遊び方を紹介します。
ゲームの目的
ドーフロマンティックボードゲームは、みんなで協力して高得点を目指すゲームです。
手番ではタイルを1枚めくって、森・麦畑・村を指定された枚数分繋げたり、線路や水路を長く繋げることで点数を獲得していきます。
ゲーム後の得点に応じて、5つの小箱に入っているコンポーネントをアンロックできます。
これにより、今後のゲームで新ルールが追加されて、さらに点数が伸ばせるようになります。
①最初はタスクタイルを3枚配置する
スタートプレイヤーから時計周りの順でターンが回ってきます。
自分のターンでやることは、タイル1枚をめくって場に配置するだけです。
最初の3ターンでは、必ずタスクタイルを1枚ずつめくって配置します。(後述の配置ルールに従う)
タスクタイルをめくる度に、対応するタスクマーカー1個を表にしてタスクタイルにのせます。
例えば、村タスクのタスクタイルをめくった場合は、村タスクマーカーを1個めくり、タスクタイルの上に置きます。
タスクマーカーは常に3枚公開されている状態にします
②地形タイルを配置する
場にタスクマーカーが3枚ある場合は、地形タイルを1枚めくり、配置ルールに従って配置します。
配置ルールとは、配置済みのタイルに接するように置くこと。
上のように、少なくとも1辺以上が接するようにします。
タイルには森・村・麦畑が描かれていますが、同じ土地同士をくっつけなくてもOKです。
ただし、線路と水路の場合は、線路は線路とくっつくように、水路は水路とくっつくように配置しなければなりません。
線路の場合
水路の場合
協力ゲームなので、タイルを配置する時は相談してOKです
③タスクの達成
タスクマーカーには数字が書いてあります。
この数字は、同じ土地を繋げるタイル枚数を示しています。
例えば、麦畑のタスクマーカー(黄色の5)がある場合、そのタスクタイルを含めて麦畑のタイルが5枚繋がっていればタスク達成になります。
タスクを達成したら、タイルの上からタスクマーカーを取って、手元に移動させます。(ゲーム終了後に得点になる)
タスクを1個達成したら、場のタスクマーカーが2個になります。
場にはタスクマーカーが3個ある状態にしなければならないので、次のターンでは地形タイルではなく、タスクタイルを配置して、対応したタスクマーカーをのせます。
④フラッグで追加点を獲得
地形タイルには、フラッグの付いたタイルがあります。
緑のフラッグは森、黄色のフラッグは麦畑、赤のフラッグは村に対応しています。
フラッグの付いた地形タイルは、閉じた状態(同じ土地がそれ以上くっつけられない状態)になっていれば点数になります。
森が閉じた状態
フラッグの土地が閉じていれば、その土地が繋がっている枚数分の点数を獲得できます。
例えば下の場合なら、黄色フラッグのある麦畑は閉じた状態で5枚繋がっているので、5点獲得になります。
⑤ゲームの終了
地形タイルがなくなったらゲーム終了です。
最後は、得点計算です。
達成済みのタスクマーカーは、書いてある数字がそのまま点数になります。
フラッグは先ほど説明した通り、閉じた状態で繋がっているタイルの枚数分の点数を獲得できます。
さらに、線路と水路は繋がっている長さで点数を獲得できます。
最長の線路のタイル枚数の数だけ点数になります。最長の線路が8枚繋がっていれば8点です。
最長の水路も同様に計算します。
スコアシートに点数を書き込んで、今回の合計点を計算します。
合計点が出たら、キャンペーンシートをチェックします。
まずは今回の点数で、何マス塗りつぶせるか確認します。例えば、130点なら、4マス塗りつぶせます。
キャンペーンシートのマス目を塗りつぶします。
マスを塗りつぶした結果、「小箱①を開ける」というマスに到達しました。
小箱①をアンロックできます。
内容はアンロックした時のお楽しみです。
キャンペーンシートをさらに進めば、他の小箱や実績カードをアンロックできます。
これにより、新ルール等が追加されて、さらなる高得点が狙えるようになります。
以上が、ドーフロマンティックボードゲームのルール紹介でした。
ドーフロマンティックボードゲームのレビュー
実際にドーフロマンティックボードゲームを遊んだ感想をレビューします。
終わった瞬間にもう1回遊びたくなるゲーム
ドーフロマンティックボードゲームを遊んで最初に感じたのは、(いい意味で)配置制限がかなり緩いということ。思っていた以上にサクサク進むのでストレスがなく、点数もどんどん稼げるのが気持ちよかったです。水路と線路を除き、好きなところにタイルを置けるので、子供たちと一緒に家族で遊ぶのにぴったりです。さすがはSDJ大賞作品です。
最初のゲームは妻とプレイ。協力ゲームなので「ここに置けばいいよね」「そこは線路じゃないと置けないよ」「あっ…」「こっちだとタスク達成しやすくない?」という感じに会話しながら進めていきます。
だいたい30分くらいでゲーム終了、スコアは96点でした。場に村のタイルを繋げて待っていましたが、村のタスクタイルが全然出てこなかったのと、フラッグの閉じ忘れが痛手でした。
正直、タイルの引き運要素は大きいです。ただ、残っているタスクマーカーの数字(4・5・6)が分かるので、どのタスクタイルが来てもすぐにタスク達成できるように地形を整えておくのが重要です。例えば、「麦畑の4」のタスクが来ることに備えて麦畑を3枚繋げて置いたり、「村の5」が来てもいいように村を4枚繋げて置くといった感じです。事前に準備しておいたところですぐにタスク達成できるととても満足感があります。
そして、ゲーム終了後には「次やったらもっと点数が伸びるはず」という期待感と、「早く実績を解除したい」という欲求が生まれて、すぐに次のゲームをプレイしたくなります。プレイ中は盛り上がりに欠ける印象がありましたが、ゲーム後に癖になる感じがよく分かりました。
実績を解除すると新要素が追加され、より高い得点を狙いやすくなります。プレイする度に自然とスコアが向上するのも良い点です。実際に僕は実績解除したさに4回連続でプレイしましたが(妻は3回目で離脱)、スコアが「96→111→134→151」と着実に伸びていきました。
ソロゲームをみんなでやる感じ
ドーフロマンティックボードゲームはみんなで遊べる協力ゲームです。ただ、プレイヤーごとに特有の能力や秘密の情報がなく、行動の選択肢や情報量は全員同じです。実際のプレイ感は、ソロゲームをみんなで一緒にプレイしている感じ。
このような協力ゲームだと奉行問題(グループの1人が意見を押し付ける行為)が起こる可能性がありますが、奉行問題への対策が全くない点がちょっと気になります。この点も含めて、やっぱり友達と遊ぶよりも家族で遊びたいゲームだと思いました。
ちなみに、ドーフロマンティックボードゲームはソロプレイでも十分楽しいです、というか複数人でも2人でもソロでも面白さは変わりません。特に自分1人だとよりテンポよく進むので、ゲームをやめるタイミングが分からなくなります。ただ、ソロで遊ぶなら、デジタルゲーム版を選ぶ方が良いかもしれません。(Nintendo Switch版とSteam版があります)
まとめ:ドーフロマンティックボードゲームの評価
最後に、ドーフロマンティックボードゲームの感想&評価をまとめます。
- 配置制限が緩いからサクサク遊べる
- スコアアタックと実績解除でリプレイ欲が湧く
- プレイする度に自然とスコアがアップしていく
- 家族でコツコツ遊ぶのにぴったり
- ゲーム終了後の盤面が美しい
- タイルの引き運要素が大きい
- 奉行問題の可能性あり
- 盛り上がる瞬間がない
以上が、ドーフロマンティックボードゲームのルール&レビューでした。
プレイ中に盛り上がる瞬間がなく、奉行問題への対策もないので、友達と遊ぶゲームの候補には入りませんが、家族とまったり遊んでいきたいゲームです。
まずは妻と2人で遊んでみましたが、これからは子供たちと一緒にキャンペーンをコツコツ進めていこうと思っています。コンポーネントに書き込んだり、破ったりするレガシーシステムではないので、アンロックしたものは箱に戻せば最初から遊べます。
また、ドーフロマンティックボードゲームのほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。