『キングドミノ』のルール&レビュー:自分の王国を作るタイル配置ボードゲーム
キングドミノは、「好きな土地タイルを配置して、自分だけの美しい王国を作り上げる」ボードゲームです。
このキングドミノ、実は今年の〈ドイツ年間ゲーム大賞2017〉を受賞した話題作です。もともと2016年に原版が発売されており、その後、2017年に日本語版が発売されました。
「プレイ時間が15分というお手軽さ」、だけど「どのタイルを選ぶかという戦略的な要素」も深く、一言でいえば「お手軽な王道ボードゲーム」です。また、程よく運要素も絡むため、子供のいるファミリーで遊ぶのにも最適なゲームバランスだと思います。
同じタイル配置ボードゲームの傑作『カルカソンヌ』をお手軽にしたプレイ感で、ボードゲーム入門にもってこいなので、ボードゲーム初心者の方に是非おすすめしたい作品です!
今後、カルカソンヌと並んで語られていくタイル配置ゲームになるのではないでしょうか。
ということで今回は、『キングドミノ』のルール・レビューをご紹介します。
▼ボードゲーム『キングドミノ』
ジャンル | タイル配置 |
---|---|
人数 | 2-4人 |
時間 | 15分 |
キングドミノのコンポーネント
まずは、キングドミノに入っている内容物をご紹介します。
ミープル
自分の駒となるミープルですが、キングドミノでは王様の形をしています。
王様っぽいローブと王冠を身に着けた形になっていて、駒のクオリティが高いですね。
カルカソンヌのミープルと比べると、キングドミノのミープルは一回りくらい大きいです。
城とスタートタイル
王国づくりの拠点となる〈城〉と〈スタートタイル〉です。
下の画像では、スタートタイルの上に城をのせています。
初めはお城だけの小さな王国ですが、土地タイルを集めて大きな王国へと発展させていきます。
土地タイル
王国を発展させるための〈土地タイル〉です。
1×2マスの長方形になっており、僕らが知っているドミノの形になっています。キングドミノというタイトルの所以ですね。
土地タイルには、〈森林〉〈草原〉〈麦畑〉など6種類の土地が描かれています。これを、先ほどのお城に繋げていくことで、王国を大きくしていきます。
また、裏面には、1~48の数字が書かれています。
この数字が大きいほど、得点しやすいタイルであることを表しています。
土地タイルを詳しく見てみると、〈王冠マーク〉がついています。
この王冠マークが得点に関係し、数字が大きいタイルほど王冠マークの数が増えます。
たとえば、数字が『1』のタイルでは王冠マークがありませんが、数字が『48』のタイルには王冠マークが3つも付いています。
ゲームの目的
土地タイルを並べて、価値の高い王国を作る
場にある「土地タイル」を選んで配置し、自分だけの王国を作り、その得点を競います。
自分の城に〈1×2マスの土地タイル〉を繋げていき、最終的に『5×5の王国』を作りあげます。
初めは、1マスの小さな城からスタート。
最終的には、自分だけの大きな王国を築きあげます。
得点は、〈地形タイルに描かれた王冠の数〉と〈同じ地形が繋がっている数〉で決まります。
※得点の計算方法は、記事の後半で紹介します。
キングドミノの準備
欲しい〈土地タイル〉を選ぶ
まず、山札から〈土地タイル〉を場にだして、数字の小さいものから順に並べます。
並べたら、タイルを裏返して、地形の描かれた面を表にします。
最初のプレイヤーは、欲しい地形タイルの上に〈自分の駒〉を置きます。
次の人も同じように、残っている土地タイルに駒を置いていきます。最後の人は余った土地タイルに自分の駒を置きます。
全員が駒を置き終わった状態が下の図です。
新たな〈土地タイル〉を並べる
山札から新たに土地タイルをめくって、先ほどの土地タイルの隣に置いていきます。
先ほどと同様に、置くときは、先に数字を確認して小さい順に並べてから、土地の描かれている面を表にします。
ここまでが準備編です。
キングドミノのルール
プレイの順番
ここからの手番は、直前に選んだタイルの数字が小さい人から順にプレイします。
つまり、直前で、価値の高い〈数字の大きなタイル〉を選んだら、次のラウンドの選択順が遅くなってしまいます。逆に、直前に価値の低い〈数字の小さなタイル〉しか取れなかった人は、次のラウンドでは先に選べるので、価値の高いタイルを取りにいくことができるようになっています。
手番に行う2つのこと
自分の手番では「①タイルの配置」「②新たなタイルを選ぶ」を行います。
①タイルを配置する
自分のお城に隣接するように、先ほど選んだ土地タイルを配置します。
先ほど小さい数字の土地タイルを選んだ人から、タイルを獲得します。
お城に隣接するように土地タイルをつなげます。
お城には、どの種類の土地でもくっつけることができます。
②新たなタイルを選ぶ
場に並べられた新たな土地タイルの中から、欲しいタイルの上に自分の駒を移動させます。
終わったら、次の人に移ります。
基本的には、この「タイル配置→タイル選択」を繰り返して、山札が全てなくなったら終了です。
タイル配置のルール
土地タイルをつなげるときには、いくつかルールがあります。
①接続ルール
土地タイルを配置するとき、〈繋げようとしている土地タイルの1マス〉と〈王国側の土地タイル〉の種類が一致していなければなりません。
例えば、〈繋げようとしている土地タイル〉が『森』であれば、王国側の『森』とつなげることができます。
ちなみに、土地タイルは2マスから構成されていますが、1マスさえ一致すれば配置できます。
②王国のサイズは5✖︎5マス
「タイルを選んで王国に配置」を繰り返して土地を拡大していきますが、その大きさは『5×5マス以内』に収めなければなりません。
5×5に収まりきらない場合、獲得したタイルは全て捨て札になってしまい、得点のチャンスを失うことになってしまいます。
キングドミノには、このようなパズル的な要素もあります。
また、5×5であれば、城が中央でなくてもOKです。
得点計算
キングドミノの得点には、「土地タイルの繋がり」と「王冠マーク」が重要になります。
得点の計算方法は、下の通りです。
〈同じ土地タイルが繋がっている数〉✖︎〈その土地の王冠マークの数〉
例えば、下の王国の場合、〈森〉での得点を見てみましょう。
森の部分では、「繋がっている土地が6マス」と、「その土地にある王冠の数が2個」なので、森での得点は『6マス×2個=8点』となります。
ちなみに、この場合、王国全体での得点を計算すると、下のようになります。
※左下「6マス×2個=8点」となっていますが、正しくは12点でした。
平原で6点と1点、沼地で2点、森で12点、海で2点で、合計するとこの王国の得点は23点となります。
以上が、キングドミノの得点計算になります。
キングドミノのレビュー
詳しく書いたので少し長くなってしまいましたが、プレイしてみるととても簡単なルールですぐに覚えられます。
「ルールが簡単ならゲーム内容も浅い…」というわけでは決してなくて、『キングドミノ』はタイル選択が本当に悩ましく、「自分の理想の王国を作り上げるか」「相手の邪魔をするか」「次の手番のために我慢するか」…など戦略的な要素もしっかり詰まってます。
またリプレイ性も高く、「15分で終わる」「ギリギリの得点差になりやすい」ということから、ついつい「もう一回!」と言ってしまい、何度も繰り返し遊んでしまいます。
慣れてきたら、オプションルールで、7×︎7マスのより大きな王国に挑戦することもできます。
キングドミノは、「短いプレイ時間でさくっと遊べる手軽さ」を備えつつ、「ボドゲ特有のジレンマ」があるので、ボードゲーム入門には最適な作品だと思います。
初心者向けのボードゲームというと『カルカソンヌ』という声がよく挙がりますが、「ルールの簡単さ」「短いプレイ時間」など初心者向けという点では『キングドミノ』に軍配が上がると思います。今後のボドゲ初心者キラーに名を連ねるボードゲームな気がします。
また、子供もハマりやすそうだなと思うのが、「自分だけの王国を作りあげる感覚」や「パズルを組み立てるような面白さ」があるところです。子供もすんなりとゲームに入り込めそうなので、とくにファミリーにおすすめしたいボードゲームです。
▼ボードゲーム『キングドミノ』
また、キングドミノの続編『クイーンドミノ』が発売されました。
クイーンドミノは単体でも遊べますし、キングドミノとセットで遊ぶこともできます。キングドミノからさらに新たな要素が加わったゲームなので、より戦略的なゲームを楽しみたい人はこちらもチェックしてみてください!
▼ボードゲーム『クイーンドミノ』