マイシティ(My City)を徹底紹介!全24ゲーム遊んだ感想
マイシティ(My City)は、建物タイルをパズルのように配置して街づくりしていくタイル配置ボードゲームです。
ゲームが進むにつれて新ルールが追加されていくレガシーシステムを採用し、1章が3つのゲームで構成された全8章(24ゲーム)が遊べます。ボードゲーム界の巨匠、ライナー・クニツィア氏の作品で、ドイツ年間ゲーム大賞2020にノミネートされていました。
先日、全24ゲームを遊び終わったので、今回はボードゲーム『マイシティ(My City)』のルール&レビューを紹介します。具体的な内容をネタバレしないように画像などにモザイクを入れております。
▼マイシティ
▼マイシティに合うスリーブ
商品名 | My City |
---|---|
プレイ人数 | 2人~4人 |
プレイ時間 | 30分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | タイル配置・レガシー |
発売時期 | 2020年 |
デザイナー | ライナー・クニツィア(Reiner Knizia) |
メーカー | コスモス(KOSMOS) |
関連ページ | アークライトゲームズ BoardGameGeek |
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マイシティ(My City)はどんなボードゲーム?
建物タイルで街作りする「レガシーゲーム」
マイシティ(My Cirty)は、自分のボードに建物タイルを配置して街を作っていくタイル配置ボードゲームです。山札からカードをめくり、全員同時にカードと同じ建物タイルをボードに配置します。
最終的なボードの状況によって点数を獲得し、順位に応じた報酬を獲得できます。
マイシティ(My City)の特徴は、ゲームが進むにつれて新ルールなどが追加されていくレガシーシステムを採用しているところ。
1章が3つのゲームからなる全8章(24ゲーム)構成で、各章の開始時に「1枚の封筒」を開封し、新しいルールやコンポーネントが追加されます。
この封筒はその章を始める前にしか開封してはいけないので、中身はその時のお楽しみです。
全24ゲーム遊んでみた感想としては、「ルールが簡単で1プレイが早いファミリー向けレガシーゲーム」「後半でも重たくなりすぎない」「妨害要素のない穏やかなプレイ感」という印象です。詳しくは、最後のレビューに書いています。
シールをたくさん貼る・ペンで塗りつぶす
マイシティでは、ゲーム後の報酬や新ルール追加などで、ボードにどんどんシールを貼っていきます。
誰もが同じマップに変化するのではなく、シールを貼る場所はプレイヤーが選べることが多いので、出来上がるマップは人それぞれです。
また、現在の進捗状況(勝利点)が一目で分かるように、ボード上の丸印をペンで塗りつぶします。
このように、シールを貼ったり、塗りつぶしたりして、コンポーネントに手を加えるのがレガシーゲームの特徴でもあります。
「ゲーム開始前」と「24ゲーム終了時」のマップを比較してみると、ボードが下記のように変わっています。(ネタバレしないように24ゲーム後の内容をぼかしています)
なんとなくボードの至る所が変化しているのが分かると思います。
レガシーモードだけでなく「ノーマルモード」もある
ボードに手を加えるので24ゲーム全て終わったらレガシーゲームを遊ぶことはできませんが、何度でも遊べる「ノーマルモード」もあります。
ボードの表面が「レガシーモード」で、裏面が「ノーマルモード」になっています。
ノーマルモードはまだ遊んでいませんが、レガシーゲームの第10ゲームまでの要素で構成されているようです。
ドイツ年間ゲーム大賞2020にノミネート
マイシティ(My City)は、ドイツのゲームデザイナーである「ライナークニツィア氏」の作品です。クニツィア氏は世界で700以上ものゲームと書籍を出版しているボードゲーム界の巨匠です。最も有名なボードゲームの賞である「ドイツ年間ゲーム大賞」の常連でもあり、『モダンアート・指輪物語・ケルト・エルドラドを探して』など多くの作品がノミネート(受賞)されています。
2020年ドイツ年間ゲーム大賞では『マイシティ(My City)』がノミネートされていましたが、惜しくも受賞ならず。2020年の大賞は『ピクチャーズ(Pictures)』が受賞しました。
▼2020年ドイツ年間ゲーム大賞の詳細はこちら。
マイシティ(My City)の内容物
<マイシティの内容物>
封筒8枚 / 建物カード24枚 / キューブ4個 / 個人ボード4枚 / 建物タイル96枚(3色×32枚)
最初に見えている内容物は上記の通りですが、封筒の中に様々なコンポーネントが入っています。中身は、各章をプレイする直前にしか開けることができないので、その時のお楽しみです!
マイシティ(My City)のゲーム準備
「ボード」と「建物タイル」を用意する
各プレイヤーは、「ボード」と「建物タイル」を自分の手元に置きます。
建物は「赤・黄色・青色」の3種類があり、様々な形のタイルが各8個(全24個)あります。最初のタイルの内容は全プレイヤー同じです。ゲームが進むことで、手持ちのタイルにも変化があります。
建物カードで山札を作る
建物カードには、タイルと同じ形・色の建物が描かれています。建物タイル24枚と同じで、カードも24枚あります。
これをまとめてシャッフルして、裏向きの山札を作ります。
点数トラック
点数トラック上の「10」にキューブを置きます。各ゲームで点数の増減が合った時にこのキューブを動かします。
このキューブは、1ゲーム終了したらリセットして初期数値に戻します。
マイシティ(My City)のルール
ボード―ゲーム『マイシティ(My City)』の基本的なルール・遊び方を紹介します。
※紹介するのはベースのルールで、このルールに各章の追加ルールが加わっていきます。
山札からカードをめくる
山札からカード1枚をめくります。
このカードに描かれている建物タイルをボードに配置します。
ボードに建物タイルを配置する
全員同時に、カードと同じ建物タイルを自分のボードに配置します。
下記の「タイルの配置ルール」に従って、全員が配置し終わったら、次のカードをめくります。ゲームが終了するまで「カードをめくる」⇒「建物タイルを配置」を繰り返します。
タイルの配置ルール
最初は「川」に沿って配置する
最初のタイルは、川に接するように配置します。
2つ目からは、配置済みタイルにくっつける
2つ目以降のタイルは、配置済みタイルと接するように置きます。
「平原」は配置OK(山・森は×)
平原にはタイルを配置できますが、山や森には配置できません。
「木」や「石」は点数要素
平原には、「木」や「石」が描かれているマスがあります。
「木」はゲーム終了後に見えていると「1本につき1点獲得」となります。
上の場合、木が2本見えているので+2点
逆に、「石」はゲーム終了後に見えていると「1個につきマイナス1点」となります。
上の場合、石が2個見えているので-2点
そのため、基本的には「木の上には配置しない」「石の上には配置する」ようにします。
置きたくない時はパスできる
建物タイルを置きたくない・置けない場合は、その建物タイルを裏返して「点数トラックを-1点する」ことでパスできます。
ゲームから降りる
建物カードがめくられたタイミングで、各プレイヤーは個別にゲームから降りることを宣言できます。ゲームから降りた人は建物タイルの配置ができないので、パスで減点されるということがなくなります。
ゲームから降りることを宣言した人は、残っている建物タイルを全てひっくり返します(点数のマイナスはありません)。
ゲームの終了
「全員がゲームから降りる」か「山札が尽きる」かすると、ゲーム終了になります。
得点計算
自分のボードを確認して、”見えているもの”で点数の増減があります。
「木・石・平原」が見えていたら、下記の点数が与えられます。
- 木…1本に付き1点
- 石…1個に付き-1点
- 平原…1マスにつき-1点
この他にも、各章の追加ルールで様々な得点要素が加わります。
1ゲーム後の報酬
得点計算後に、順位に応じて「報酬」が与えられます。ゲームによって報酬の詳細が変わりますが、共通しているのは「進捗トラックの塗りつぶし(勝利点)」です。
ボード上部の進捗トラックを「1位は2マス」「2位は1マス」塗りつぶすことができます。
さらに、順位に応じて、プレイヤーは様々なシールを受け取り、自分のボードに貼ります。上位のプレイヤーほどデメリットのあるシールを貼り、下位のプレイヤーほどメリットのあるシールを貼ることになります。
次のシナリオに進む
報酬を獲得したら、ゲームボードから建物タイルを取り除き、点数トラックを10に戻して、次のゲームに進みます。章をまたぐ場合は、新しい封筒を開封して、その指示に従います。
24ゲーム遊んで最も進捗トラックを多く塗りつぶしたプレイヤーが真の勝者となります。
マイシティ(My City)のレビュー
最後は、マイシティ(My City)のボードゲームレビューです。
※極力ネタバレにならないように書いていますが、「追加要素の印象」「ゲーム後の報酬(調整)」「妨害要素の有無」などに触れているので、あまり情報を知りたくない方はこれ以上読まないようにしてください。
後半でも複雑になりすぎない、ちょうどいい遊びやすさ
マイシティ(My City)は、ゲームが進んでも複雑になりすぎないちょうどいい遊びやすさが良かったです。全員同時プレイでサクサクできて、どのゲームもだいたい15~20分で遊べます。
同じファミリー向けレガシーゲームに『街コロレガシー』がありますが、街コロレガシーはどんどん新要素が足されていくので後半はちょっと複雑になってボリューミーになります。マイシティも新要素が足されていきますが、足した分だけ引かれるので、ゲーム後半でも長ったらしくなくてシャープな印象でした。ファミリー向けレガシーゲームというのも納得です。
一方で、街コロレガシーには「次は何が追加されるんだろう」という子供が喜びそうなワクワク感、意外性があります。マイシティは「どこかでスゴイ仕掛けがくるんじゃないか」と勝手に期待していましたが、斬新な仕掛けはありませんでした。ベースの遊び方にちょっとずつアクセントが入れ替わる感じです。決して新しさがあるわけではありませんが、奇をてらわない王道感・安心感のある作品になっています。
実力差を薄める調整について
マイシティ(My City)の特徴は、毎ゲーム後に実力差を薄める調整が入るところ。
1位の人には勝利点が入るけどネガティブな要素が加えられて、最下位の人には勝利点が入らないけど有利になる要素が加えられます。ファミリーで遊ぶことを想定して、子供でも大人に勝てる、勝ったり負けたりしながら遊べるように意図されているのだと思います。
ただ、この調整がかなりマイルドです。勝った時にマイナス点になるマスを作る(シールを貼る)ということがよくありますが、そこまで痛くありませんでした。自分で貼る位置を選べるので、マイナス点のマスを一か所に固めて1ピースで処理するようにしていたら、ほとんど被害がなかった気がします。
実力差が大きそうなら、シールを貼るのは自分ではなく、他のプレイヤーに貼られるようにするのもアリだと思います(ネガティブなマスは散らした方が機能しやすいと思うので)。ファミリーなら「大人は子供に貼ってもらう」「子供は自分で貼る」にしてもいいかもしれません。
妨害要素のない穏やかなプレイ感
「ゲームに慣れるまでは妨害要素のないソロプレイ感覚で、慣れたらどんどん妨害要素が増えていくのかな」と思っていましたが、全体を通して、インタラクションは弱めです。(先に条件を達成した人だけもらえる報酬があるくらい)
妨害要素を排除してパズルを埋める気持ちよさにふったゲームだと思います。「うわーやめてー」みたいなエキサイトするやり取りはありませんが、嫌な気分にならずに穏やかに遊べます。
最後に:ファミリー向けのレガシーゲーム
以上が、ボードゲーム『マイシティ(My City)』のルール&レビューでした。
「ルールがとても簡単」「1プレイ20分前後」「妨害要素がない」ので、家族で遊びやすいタイル配置ボードゲームだと思います。各章ごとにルールがまとまった概要シートが入っているので、章の途中で中断しても、そのシートを見ればすぐに遊べるようになっています。
個人的には、24ゲーム遊ぶにはちょっと平坦に感じてしまいましたが、短期間で一気に遊んでしまったせいかもしれません。家族で毎週末の楽しみにするなど、期間をあけて遊ぶのが良いと思います。
また、マイシティのほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
マイシティ(My City)のスリーブ
マイシティ(My City)のカードサイズは「56×87mm」なので、ホビーベースの『ボードゲームサイズスリーブ』がちょうどいい大きさです。
マイシティのカード枚数は24枚だけなので、1袋あればOKです。
▼ホビーベース ボードゲームサイズスリーブ