ラブレター(第2版)を徹底紹介!1枚の手札を読み合うボードゲーム
ラブレター(Love Letter)は、日本のボードゲームデザイナーであるカナイセイジ氏が作った日本産のボードゲームです。ゲームの内容は「姫に恋する若者となって、お城に仕える者にラブレターを託して届けてもらう」というもの。
ラブレターの第1版は2012年に発売されましたが、10周年を迎えた2022年8月にリニューアル版の『ラブレター第2版』が発売されました。
今回は、『ラブレター第2版』のルール&レビュー・第2版の違い・カード効果などを徹底紹介します。
第2版が発売したので、記事全体の内容を更新しました。
▼ラブレター 第2版
▼ラブレターに合うスリーブ
ゲーム名 | ラブレター(第2版) |
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 5分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | 読み合い |
発売時期 | 2022年8月 |
デザイナー | カナイセイジ |
販売元 | アークライトゲームズ |
価格 | 2,035円(税込) |
関連ページ | BoardGameGeek アークライトの公式ページ |
ラブレターはどんなボードゲーム?
手札1枚を読み合うカードゲーム
ラブレターは、お互いの手札1枚を読み合うカードゲームです。
手番でやることは、山札からカードを引いて〈手札〉か〈引いたカード〉のどちらかを出して、カード効果に従うだけ。
カード効果は、相手の手札を見たり、交換したり、脱落させるなど様々。他のプレイヤーを脱落させて自分だけ残るか、ゲーム終了時に一番強いカードを持っていたプレイヤーの勝利となります。
序盤は情報がないので運頼りになりがちですが、中盤になって「誰がどの順番でカードを使ったのか」といった情報が出てくると、読み合いが回りだして、そこから一気に面白くなります。1ゲーム5~10分で終わるので、短時間で深い読み合いに到達できるのがラブレターの魅力です。
国内外で高評価で多くの賞を受賞
ラブレターはもともと、カナイセイジ氏が2012年のゲームマーケットで発表した同人ゲームです。購入者が手に取りやすいワンコイン(500円)で販売できるゲームを作ろうという企画“500円ゲームズ”で生まれました。
その後、アメリカのアナログゲーム出版社AEGから海外版が発売され、日本では2014年にアークライトゲームズから製品版が発売されました。
発売後は国内外での評価が高く、2012年~2014年にかけて様々な賞を受賞しています。
ラブレターの受賞歴
- 2012年日本ボードゲーム大賞
- 2012年ダイスタワー賞:2部門受賞
- 2013年ゴールデン・ギーク賞:4部門受賞
- 2014年ドイツ年間ゲーム大賞 推奨リスト入り
- 2014年ドイツゲーム賞4位 など。
その後も、毎年のように『ラブクラフト・レター』『ラブレター-恋文-』『ラブレター ケン・ニイムラ版』など様々な派生作品やコラボ作品が登場しています。
2022年には、全世界でのシリーズ累計販売数が300万部を突破しました。
2022年に『ラブレター第2版』が登場
2022年8月に、リニューアルした『ラブレター第2版』が発売しました。
新規カードの追加・プレイ人数の増加・カード等のデザイン変更など、より遊びやすくリニューアルされています。
※ラブレター第2版の違いについては、記事の後半にまとめています。
10周年を記念した『ラブレター10周年記念版』が登場
また、10周年を記念した作品『ラブレター10周年記念版』のクラウドファンディングも開始されました。
【#LL10周年】『ラブレター 10周年記念版』ただいまよりKickstarter開始! 期間は8/18までとなりますので、お見逃しなく💌https://t.co/bN07zkHXHB
— アークライトゲームズ (@ArclightGames) August 4, 2022
これまで発売したラブレターの派生作品やコラボ作品から、16種類のバリエーションルールが詰め込まれた特別版です。
ラブレターでお馴染みのキャラクターに加えて、巫女・妖精・魔神・忍者といった、新キャラクターたちが100枚近く加わります!
10周年記念版は限定販売となっており、クラウドファンディングでの支援期間は8月4日~8月14日です。
ラブレターの『内容物』
ラブレター(第2版)の内容物がこちら。
《内容物》
ゲームカード38枚(基本16枚・拡張22枚) / 一覧カード10枚 / ルールカード4枚 / トークン12枚 / 羽ペンタイル1個 / オマケのハートトークン1個
カードには「強さ(0~8)」と「効果」が記載されています。
ラブレターの『ゲーム準備』
まずは、ラブレターのゲーム準備です。今回の記事では、基本カード16枚を使うことにします。
1枚だけ裏向きで置いておく
まずは16枚のカードをシャッフルして、山札を作ります。
山札から1枚引いて、裏向きのまま山札の隣に置いておきます。このカードは今回のゲームから除外するので使用不可です。
プレイ中に見ないようにするために、脇によけておきます。
全員カードを1枚引く
各プレイヤーは山札からカードを1枚引いて、手札とします。
スタートプレイヤーを決める
羽ペンタイルを上から落として、ペン先の方向にいる人が最初のプレイヤーとなります。
ラブレターの『ルール』
ここからは、ボードゲーム『ラブレター』のルール・遊び方を紹介します。
①カードを1枚引く
手番がきたら、山札からカードを1枚引いて手札に加えます。
手札が2枚になります。
②カードを1枚出す
2枚になった手札から1枚を選んで、表向きで場に出します。
③出したカードの効果を発動する
カードの効果を確認します。
場に出したカードの能力欄に「使用:~」と書いてあれば、その能力を必ず実行します。(書いてなければ、個々の処理に従う)
例えば、兵士なら「他のプレイヤーを1人選び、「兵士」以外のカード名を1つ言う。それが手札と一致する場合、そのプレイヤーは脱落する」という効果。
カードの種類によっては、相手の手札を見たり、手札を交換したり、カード効果を無効化したりすることができます。(各カード効果については、記事後半にまとめています)
④出したカードは捨て札にする
使ったカードは自分の前に捨て札としておきます。出した順番が分かるように重ねて並べます。
捨て札は他のプレイヤーが手札を推理するヒントになります。
⑤脱落した場合
カード効果などで脱落してしまった人は、手札を表にして捨て札に加えます。
⑥ゲーム終了
以下のどちらかの条件が満たされると、ゲーム終了です。
- 1人を残して、他全員が脱落した
- 山札がなくなった
ほかのプレイヤーが脱落して、1人だけ残った場合は、残ったプレイヤーの勝利です。
山札がなくなった場合は、カードの強さで勝負します。
脱落していないプレイヤー全員が手札を公開して、カードの強さが最も大きい人の勝ちです。
上の状況なら、場で一番大きい数字の8(姫)を出した人の勝利です。
⑦3点先取した人の勝ち
ゲームに勝ったプレイヤーは、トークン1個を獲得します。(引き分けなら、引き分けたプレイヤーが1個ずつ獲得)
また、ゲームに勝ったプレイヤーの手札の強さが8だった場合、そのプレイヤーは2点獲得します。
トークンは1個=1点です。先に3点獲得した人の勝利となります。
3点先取は選択ルールですが、ラブレターではあっさり負けてしまうことがあるので、3点先取にするのがおすすめです。
ラブレターの『カード効果一覧』
ラブレター第2版に入っている基本カードと拡張カードの効果をまとめました。
基本カードの効果
ラブレター第2版の基本カード8種類がこちら。
【】内は強さ、()内は同じカードの枚数
画像 | カード内容・効果 |
【1】兵士(5枚) 手札を当てたら脱落させる | |
【2】道化(2枚) 手札を見る | |
【3】騎士(2枚) 強さを比べて小さいほうが脱落 | |
【4】僧侶(2枚) 次の手番まで効果無効 | |
【5】魔術師(2枚) 手札を捨て(させ)て新しく引く | |
【6】将軍(1枚) 手札を交換する | |
【7】大臣(1枚) 手札の合計が12以上なら脱落 | |
【8】姫(1枚) 捨て札にしたら脱落 |
拡張カードの効果
ラブレター第2版の拡張カード14種類がこちら。
【】内は強さ、()内は同じカードの枚数
画像 | カード内容・効果 |
【0】町娘(1枚) 終了時に7になる | |
【1】使用人(5枚) 選んだ2人が手札を交換する | |
【2】占い師(2枚) 山札の一番上を見て交換 | |
【3】商人(2枚) 手札が3以下なら脱落させる | |
【4】執事(2枚) 手札の強さに+2 | |
【5】学者(2枚) 強さを比べて大きい方が脱落 | |
【6】犬(1枚) 出せない | |
【7】王太后(1枚) 捨て札の合計が5以上なら脱落 | |
【7】女侯爵(1枚) 手札の合計が12以上ならこのカードを出す | |
【8】伯爵夫人(1枚) 出せない / 山札がなくなったら脱落 | |
【8】姫(次女)(1枚) 脱落時に復帰 | |
【8】姫(三女)(1枚) 捨て札にしたら脱落 / 即ゲーム終了 | |
【8】王子(1枚) 捨て札にしたら脱落 | |
【×】王(1枚) 引いたら脱落 |
ラブレター第2版の『違い』
ラブレター第2版の主な違いをまとめました。
- 8種類の新規カードが追加
- プレイ人数が2~5人に変更
- カードやトークンなどのデザイン変更
- テキストレスカードの廃止
- オマケのハートトークン付き
カードのデザインについては、旧版と新版で比較してみました。
イラストは顔のアップから上半身全体に変わっています。
デザインがすっきりしていて見やすいので、個人的には第2版の方が好みです。
ラブレターの『レビュー』
最後は、ラブレター(第2版)のボードゲームレビューです。
5分で深い読み合いを楽しめる!
ラブレターは「使うカードが16枚のみ」「手札から1枚出すだけ」と超シンプルで、無駄なものが削ぎ落されたようなカードゲームです。とにかく簡単なので、自分がボードゲームを始めたての頃は何度も遊んでいました。
初めて遊んだ時は「速攻で死ぬ運ゲーじゃん…」と思いましたが、ラブレターの面白さは1回遊んだだけでは分かりません。
何回か遊んで慣れてくると、他のプレイヤーのカードの出し方を見て「ここであのカードを出したということは…」と相手の手札を推理できるようになります。遊べば遊ぶほど読み合いが回ってどんどん面白くなってくるので、遊ぶときは最低4~5回は遊んでみてほしいゲームです。
また、1ゲームが5~10分ほどで終わるのも魅力です。情報のない序盤は運頼りになりがちですが、捨て札が出そろった中盤からは一気に熱い心理戦に変わります。たった5分の短い時間で深い読み合いに到達できるのがラブレターの良いところです!
ちなみに、「相手を指定してカード効果を発動する」「途中脱落あり」という攻撃的な要素もありますが、数分でゲームが終わるのでそこまで気になりません。
まとめ:ラブレターの個人的評価
最後に、ラブレターの個人的評価と良かった点/微妙だった点をまとめました。
ボードゲーム評価
おすすめ度 | (3.0) |
簡単さ | (4.5) |
盛り上がり度 | (3.0) |
考える要素 | (3.5) |
運要素 | (4.5) |
良かった点 | 微妙だった点 |
---|---|
手番でカードを1枚出すだけなので超簡単 短時間で深い読み合いを楽しめる 第2版からプレイ人数の増加・新規カードの追加でより遊びやすくなった | 1回遊ぶだけだと面白さを感じづらい 途中脱落あり 引き運の影響が強い |
以上が、心理戦ボードゲーム『ラブレター』のルール&レビューでした。
1回遊んだだけだと、いきなり脱落させられて「ラブレター…つまらない…」と感じてしまうことがあるのがネックですが、複数回遊ぶとどんどん読み合いが面白くなります!
第2版からは5人まで遊べるようになり、新規カードも増えたので、遊びやすさとリプレイ性が上がっています。手に入れるなら、絶対にラブレター第2版を選びましょう。
また、ラブレターのほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
▼ラブレター 第2版
ラブレターに合う『スリーブ』
ラブレターのカードサイズは63㎜×88㎜なので、『ホビーベースのTCGサイズ・ハードタイプ(91.5×66㎜)』がちょうどいい大きさです。
厚み0.1㎜のハードタイプなので、傷などのダメージに強いのが良いところ。
ラブレター第2版には52枚(一覧カード&ルールカード含む)のカードが入っているので、このスリーブ(50枚入り)が2個あればOKです。
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