エルドラドを探してを徹底紹介!デッキ構築型すごろくゲーム
『エルドラドを探して(The Quest for Eldorado)』は、黄金都市エルドラドを目指すデッキ構築型すごろくゲームです。
ボードゲーム界の巨匠「ライナー・クニツィア氏」の作品で、2017年にドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされました。2020年6月中旬に、デザインが一新されたインターナショナル版(日本語版)がアークライトから発売されます。
今回は、デッキ構築型すごろくボードゲーム『エルドラドを探して(The Quest for Eldorado)』のルール&レビューを紹介します。
▼エルドラドを探して 日本語版
▼エルドラドを探してに合うスリーブ
商品名 | エルドラドを探して |
---|---|
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 45分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | デッキ構築・すごろく |
発売時期 | 2017年 |
デザイナー | ライナー・クニツィア |
販売元 | アークライトゲームズ |
関連ページ | アークライトゲームズの公式ページ BoardGameGeek |
▼拡張『エルドラドを探して 英雄と呪い』のレビュー
エルドラドを探してはどんなボードゲーム?
デッキ構築×すごろくゲーム
エルドラドを探しては、プレイヤーが探検家となって、南米の奥深くにある伝説の黄金都市「エルドラド」に到達することを目指すボードゲームです。
エルドラドを探しての特徴は、「すごろく」と「デッキ構築」が融合しているところ!通常のすごろくゲームでは「ダイス」を振ってコマを進めますが、エルドラドでは「自分で作ったデッキ」から引いたカードを使ってコマを進めます。
プレイ中は、「デッキを強化するか、コマを前進させるか」どちらを優先するかという選択に悩まされます。エルドラドでは、このバランスの判断がとても重要です。
ボードゲームのポジションとしては「デッキ構築ゲームの入門」という位置づけにぴったりだと思います。ドミニオンよりも「カード効果がシンプル&勝ち負けが分かりやすい」ので、ボードゲーム初心者もとっつきやすいゲームです。
巨匠ライナークニツィア氏の作品
『エルドラドを探して』は、ドイツのゲームデザイナーである「ライナークニツィア氏」の作品です。クニツィア氏は世界で700以上ものゲームと書籍を出版しているボードゲーム界の巨匠です。
最も有名なボードゲームの賞である「ドイツ年間ゲーム大賞」の常連でもあり、『モダンアート・指輪物語・ケルト』など多くの作品がノミネート(受賞)されています。2020年では『マイシティ(My City)』がノミネートされました。
今回紹介する『エルドラドを探して』も、2017年ドイツ年間ゲーム大賞のノミネート作品です。(2017年の大賞は『キングドミノ』が受賞しました)
旧版⇒新版の経緯
今回、アークライトから発売する『エルドラドを探して』は、イラストが新しくなったインターナショナル版です。
最初に発売した旧版は、ドイツ語・英語・フランス語・スペイン語・イタリア語の5つのバージョンがリリースされていましたが、出版社である「ラベンスバーガー社」はその他の地域に出版しない方針でした。そのため、世界にボードゲームを届けたいという想いのクニツィア氏は、旧版とは別に、日本を含むその他12か国で発売するインターナショナル版を作ることにしました。
ただし、出版社が変わることで同じアートワークを使用できないという問題があったため、クニツィア氏のゲーム(メディチ・キングスロード)でアートワークを担当したことのある「ヴィンセント・デュトレ氏」がインターナショナル版のイラストを担当しました。
このような経緯があり、エルドラドの新版が生まれました。
▼エルドラドを探して 日本語版
エルドラドを探しての内容物
【内容物】
出発地点タイル / 地形タイル6枚 / 小地形タイル2枚 / ゴールタイル1枚 / 障害タイル6枚 / 市場ボード1枚 / プレイヤーボード4枚 / 探検家コマ8個 / 親マーカー1枚 / 洞窟トークン36個 / 開始時探検カード4セット / 市場カード54枚 / プロモカード9枚
メインボードとなるマップは「地形タイル」をつないで作りますが、地形タイルには表面だけでなく裏面にも地形が描かれています。
両面に異なる地形が描かれているので、組み合わせ次第で様々なマップを作ることができます。
エルドラドを探してのゲーム準備
まずは、エルドラドを探して(The Quest for El Dorado)のゲーム準備からです。
ゲーム盤を作る
「スタートタイル」に「地形タイル」を4枚繋げて、最後に「ゴールタイル」をつなぎ合わせます。
タイルとタイルの間には「障害タイル」を配置し、スタート地点にコマを配置します。
カード市場を作る
カード市場を作ります。
特定のカード6種類を市場ボードに重なるように配置します。
プレイヤーの準備
各プレイヤーは初期カード8枚を受け取り、裏向きでシャッフルして、山札置き場(プレイヤーボード左側)に置きます。
初期手札として、山札から4枚のカードを引きます。
各プレイヤーのコマをスタート地点(1~4)に配置したら準備完了です。
エルドラドを探してのルール
ここからは、エルドラドを探してのルール・遊び方を紹介します。
手番の流れ
手番の流れは以下の通りです。
- コマを移動する
- カードを購入する
- カードを捨てて、手札を補充する
①コマを移動する
手札のカードを使うことで、自分のコマを移動できます。コマの移動はカードがある限り、何回でも実行できます。
カードの移動力分コマを動かす
移動したいマスと同じ色のカードを使うことで、そのマスに移動することができます。緑のマス(森)に進みたいなら緑のカードを、黄色のマス(集落)に進みたいなら黄色のカードをプレイするということです。
黄色のマスに進むなら、黄色のカードを使う
カード上部の数字は「移動力」を示していて、その移動力の数値分進むことができます。例えば、「緑の2」のカードなら森(緑)を2マス分前進できます。
【注意】アイコンの数分の移動力を消費する
ただし、移動する時には、マスに描かれているアイコンの数に注意しなければなりません。各マスに描かれているアイコンの数は、そのマスに入ることで消費する移動力を示しています。
例えば、「緑の3」カードで「森2⇒森1」に移動、さらに「青の3」カードで「川3」に移動することができます。
「岩場マス」と「他のコマがいるマス」には進入不可
「岩場マス」と「他のコマがいるマス」には進めないので、注意しましょう。
同じマス入れないというルールを利用して、他プレイヤーの進路を妨害するということもできます。
障害タイルを乗り越える
地形タイルと地形タイルの間には「障害タイル」があります。
ギザギザの形が障害タイル
障害タイルを最初に乗り越える人は、障害タイルが示す必要なコストを支払って、ゲーム盤から取り除かなければなりません。(取り除いた障害タイルは手元に獲得しておき、同着でゴールした時に使用します)
下の画像の場合では、「黄の2」カードをプレイして、そのうち移動力1で障害タイルを取り除き、残り移動力1で集落(黄)1マスに移動します。
②カードを購入する
移動が終わったら、残った手札をプレイすることで、市場からカードを1枚だけ購入できます。
購入できるカードは「市場ボードにある6種類だけ」です。
カード下部に書いてある数字が、購入時に支払うコイン数です。
手札のコインアイコンを持つカード(黄)は、その数値分のコインになります。コインアイコンがないカードは「0.5コイン」として扱います。
例えば、手札から「黄2」「黄1」「緑2」「青1」を支払うことで、4コイン分となります。
「2+1+0.5+0.5」で4コイン分
この場合、市場ボードからコストが4コイン以下のカードを1枚購入できます。獲得したカードは、手札に加えず、まずは捨て札置き場に置きます。
市場の1種類がなくなったら好きなカードを購入できる
カードを購入する時に、市場ボードのカード1種類が尽きている場合には、好きなカードを市場ボードに移して購入することができます。
③カードを捨てて、手札を補充する
手番でプレイしたカードは全て捨て札置き場に置きます。
手札として残った各カードは、次の手番に残してもいいし、捨ててもOKです。
手札を補充する
山札からカードを引いて、手札が4枚になるまで補充します。
山札がなくなったら、捨て札から再建する
山札がなくなったら、捨て札のカードをシャッフルして、新しい山札を作り、そこからカードを引くようにします。
「山札がなくなる⇒捨て札から再建する」ことで、購入したカードを次の山札から引けるようになります。
ゲームの終了
1人がゴールエリアに到達したら、そのラウンドでゲーム終了となります。
ゴールしたプレイヤーが1人なら、そのプレイヤーの勝利です。
ゴールしたプレイヤーが複数いる場合は、障害タイルを最も多く獲得しているプレイヤーの勝利となります。
▼エルドラドを探して 日本語版
エルドラドを探してのその他のポイント
エルドラドのルール説明で紹介しきれなかったポイントを紹介します。
デッキの圧縮
マップ上には、自分のデッキからカードを取り除く(ゲーム外へ除外)マスがあります。
このマスに入るためには、自分の手札からカード1枚を選び、ゲーム外に除外しなければなりません。この効果を利用してデッキから弱いカードを取り除き、強力なカードの割合を増やすという戦法があります。特にゲーム後半では、効果の弱い初期カードが邪魔になってくるので、このカード除外効果を活用していくといいです。
また、マスだけでなく、カードにも「手札を除外する効果」があります。
洞窟タイル
オプションルールとして、マップに「洞窟タイル」を配置することもできます。
洞窟に隣接するマスに止まったら、洞窟タイルを1枚引いて獲得できます。洞窟タイルは「移動」や「カードの補充」など様々な効果があり、いつでも使える便利なアイテムです。
1回目のプレイでルールを理解したら、次から洞窟タイルを加えてみましょう。
エルドラドを探してのレビュー
最後は、『エルドラドを探して』のボードゲームレビューです。
デッキ構築ゲームの入門
エルドラドを探しては、デッキ構築とすごろくが融合したボードゲームです。『ドミニオン』を知っている方には、すごろくのダイス部分が「ドミニオンのデッキ構築」に置き変わったゲーム、というと伝わるでしょうか。ドミニオンスタイルではありますが、根っこはレースゲームなので、プレイ感は全く違います。
エルドラドは「初めて遊ぶデッキ構築ゲーム」にぴったりです。デッキ構築の名作『ドミニオン』は、カード効果のバリエーションが豊富でボードゲーム初心者には若干敷居の高さがありますが、エルドラドはカード効果がすごくシンプルなので、初めての人でも遊びやすいです。ボードゲーム初心者に「デッキ構築の楽しさ」を感じてもらうにはうってつけのボードゲームだと思います。
また、ゲームの目的が勝利点獲得ではなく、ゴールを目指すレースゲームなので、自分の今の順位が見た目に分かりやすいのもGOODです。
「前進か、デッキ強化か」という悩ましさ
エルドラドの醍醐味は、「コマを前進させるか、カードを購入するか」という判断の悩ましさです。強力なカードを増やしたり、弱いカードを除外してデッキを強化するのは楽しいですが、本質はレースゲームなので、デッキ構築に比重を置きすぎると取り残されて負けてしまうことがあります。「デッキを作りたい、けど前にも進まないと」というジレンマが常にあり、そのバランスを取るのが難しくも面白いところです。
また、デッキ構築に目が行きがちですが、盤面の位置取りも重要で、相手のコマの進路に自分のコマを置いてブロックすることもできたりと、インタラクション(相互作用)もちゃんとあります。
リプレイ性は高いけど、新カードも欲しい!!
マップを構成するタイルが10枚(両面で20種類)もあるので、マップの組み合わせパターンが豊富です。そのため、マップのレイアウトに沿ったデッキ構築にする必要があり、毎回同じ展開にならないのでリプレイ性は高いです。
ただし、市場カードは毎回同じなので、カードのバリエーションがもっとあったら…と思います。旧版の拡張のような追加ルールが増えるタイプもいいのですが、個人的にはエルドラドのシンプルなルールが好きなので、今後の新拡張として「新カードのみの拡張セット」も密かに期待しています。
まとめ:おすすめのデッキ構築ゲーム
以上が、ボードゲーム『エルドラドを探して』のルール&レビューでした。
レースゲームになっているので見た目で分かりやすく、カード効果もシンプルなので、ボードゲーム初心者や家族と一緒に遊びやすいゲームです。
僕はデッキ構築ゲームの『ドミニオン』が好きなので、そのドミニオンスタイルのデッキ構築が良い感じに融合したエルドラドも間違いなく好きなゲームです。ドミニオンを初プレイする時の前ステップとして遊ぶのにもぴったりだと思います。おすすめ!
▼エルドラドを探して 日本語版
▼拡張版 英雄と呪い
▼拡張版 ムイスカと危難
▼拡張版『エルドラドを探して 英雄と呪い』のレビュー
エルドラドを探してに合うスリーブ
エルドラドを探してのカードサイズは「56×87mm」なので、『ホビーベース ボードゲームサイズスリーブ(58.5×90mm)』がピッタリです。
エルドラドを探しての全カード(63枚)を全てスリーブに入れるには、ボードゲームサイズスリーブが2セットあればOKです。
※旧版のエルドラドのカードサイズとは異なるので、注意してください。
拡張1弾『エルドラドを探して 英雄と呪い』
新版の拡張1弾『エルドラド:英雄と呪い 完全日本語版』が、2022年1月にアークライトから発売しました。
主な新要素は、以下の通り。
- 呪いを受ける「魔物マス」
- 一気に前進できる「トンネルマス」
- 超強力な味方「英雄カード」
- 初期デッキに加わる「動物カード」
この他にも、デッキを圧迫する「魔物カード」や、新しい洞窟タイル・新カードなども加わります。
※詳しく知りたい方は『エルドラドを探して 英雄と呪いの新要素4つを徹底紹介』の記事をチェックしてみてください。