怪物園作り『カーニバル・モンスターズ』を徹底レビュー
今回は、壮大な怪物園を作るボードゲーム『カーニバル・モンスターズ(Carnival of Monsters)』を紹介します。
マジック:ザ・ギャザリングを生み出したリチャード・ガーフィールド氏の新作で、ゲーム内容は「カードドラフト型ボードゲーム」です。日本語版は、2020年3月26日にアークライトから発売しました。
商品名 | カーニバルモンスターズ |
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プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 45分 |
対象年齢 | 12歳~ |
ジャンル | ドラフト |
発売時期 | 2019年 |
デザイナー | Richard Garfield |
版元 | AMIGO |
日本語版販売 | アークライトゲームズ |
価格 | ¥4,950(税込) |
カーニバルモンスターズはどんなゲーム?
モンスターで溢れる怪物園を作るゲーム
カーニバルモンスターズでは、プレイヤーが動物園ならぬ”怪物園”のオーナーになって、たくさんのモンスターを捕らえて怪物園を作ることを目指します。
怪物園を大きくしていくためには、「モンスターが住みやすい土地を作る」「モンスターを捕獲する」「優秀なスタッフを雇う」など、やることがたくさんあります!
魅力的な怪物園にするためには強力なモンスターを捕獲しなければなりませんが、危険すぎるモンスターを管理するのにはリスクも伴います。周囲への安全を保障できない場合には、罰則が科せられてしまいます!
そんな中で、モンスターの捕獲・管理をうまくやって、誰よりも立派な怪物園を作ることを目指します。
リチャード・ガーフィールドによる『全員同時型カードドラフトゲーム』
カーニバルモンスターズは、マジック:ザ・ギャザリング(MTG)を作ったリチャード・ガーフィールド(Richard Garfield)の作品です。
土地カードやモンスターカードがあってほんのりとMTGの雰囲気がありますが、プレイ内容は『全員同時型カードドラフト』ゲームとなっていて全く異なります!カードドラフトとは、カードを選ぶ取るという意味です。
ドイツのエッセンで開催されるボードゲームの祭典『エッセンシュピール2019』で発表されて、会場内での人気投票で4位になっています。※1位はザ・クルー(The Crew)でした。
カーニバルモンスターズの内容物
カーニバルモンスターズの内容物がこちら。
ゲームボード / 硬貨トークン108枚 / 狩猟トークン24個 / カード類240枚 / 個人ボード5枚 / 王立狩猟官ダイス3個 / 勝利点計算シート
このゲームでメインで扱うのはカードです。カードの種類は、土地カード・モンスターカード・スタッフカードなどがあります。
まず、モンスターを出すために必要な「土地カード」がこちら。
闇・深海・夢・森・雲・洞窟という6種類の土地タイプがあります。
ゲームの主役となる「モンスターカード」がこちら。
リアルでおどろおどろしいイラストの数々…イラストの雰囲気はまさにマジックザギャザリングです。
そして、モンスターを管理する「スタッフカード」がこちら。
ゲームを有利に進めるための永続効果を発揮します。
カーニバルモンスターズの準備
まずは、カーニバルモンスターズのゲーム準備です。
テーブルの中央に円状のボードを置き、カード類・硬貨トークン・ダイスを下の写真のようにセッティングします。
各プレイヤーは、「個人ボード」「硬貨トークン(4クラウン)」、ランダムに選んだ「開始時の土地カード2枚」を受け取ります。
これで、ゲーム準備完了です。
カーニバルモンスターズのルール
ここからは、カーニバルモンスターズのルール・遊び方を紹介します。
4回の季節をプレイする
カーニバルモンスターズは、4回の季節(ラウンド)をプレイします。
1つの季節には、以下の4つのフェーズがあります。
- 季節カードの公開
- カードのドラフト
- 危険判定
- 季節の終わり
①季節カードの公開
まずは、季節カードの山札から1枚公開します。
季節カードには、今回のラウンドで「プレイするべきモンスターのタイプ」が書いてあります。指定されたタイプのモンスターを出すことで、硬貨や勝利点などのボーナスを獲得できます。
②カードのドラフト
カードのドラフトは、全プレイヤー同時に行います。
カード1枚を選び、残りを隣のプレイヤーに渡す
各プレイヤーは山札からカードを8枚引きます。
そして、全員同時に手札からカード1枚を選んで、残った7枚を隣のプレイヤーに渡します。
ドラフトの方法は『世界の七不思議(7 Wonders)』と同じシステムで、「全員同時にドラフトして残りを隣に回してドラフトを続ける」という方式です。
「プレイする」or「キープする」を選択
1枚のカードを選んだ後には、2つの選択肢があります。「A.いますぐプレイする」か「B.キープする(後でプレイする)」かを選択します。
A. プレイする場合
「いますぐプレイする」場合は、土地カード・モンスターカード・スタッフカードなどを出すことができます。各カードについて以下で紹介します。
-土地カード-
土地カードは、モンスターをプレイするために必要なカードです。土地の種類は全部で6種類あり、土地カードの右上に「土地の種類」と「土地ポイント」が記されています。
プレイした土地カードは、手元に表向きで置いておきましょう。
-モンスターカード-
モンスターカードはプレイすることでゲーム後に「勝利点」になります。モンスターカードを出すためには、モンスターの生息地と一致する土地カードが必要です。モンスターをプレイするために必要な「土地の種類」と「土地ポイント」は、カードの右上に表示されています。
危険で強力なモンスターほど、多くの土地が必要になります。
土地カードのポイントは、1ラウンドに1回だけ消費できます。つまり、モンスターのプレイに使った土地ポイントはこのラウンドではもう使えませんが、次のラウンドでは再び使うことができます。
-スタッフカード-
スタッフカードは、ゲームを有利に進める永続効果を発揮します。ただし、プレイするためには硬貨を支払わなければなりません。カードの右上に支払う額が書かれています。
B. キープする場合
カードをキープする場合は、硬貨(1クラウン)を払うことで、自分のボード上に裏向きでキープします。
キープしたカードは、今後条件を満たしていればプレイできます。
カードがなくなるまでドラフトを繰り返す
全員がプレイするかキープするを実行したら、次に隣から回ってきた手札(先ほどよりも枚数が1枚少ない状態)を見て、同様に1枚を選んで「A.プレイする」or「B.キープする」を実行します。
このように、手札をぐるぐると回して、カードがなくなるまでドラフトを繰り返します。
これを繰り返して、全てのカードがドラフトされたら、次のフェーズに移ります。
③危険判定
モンスターの中には危険度の高いモンスターがいて、カードの右上に「危険アイコン」があります。
危険なモンスターは大衆を危険な目に合わせてしまう可能性があるので、罰金が科せられることがあります。
危険なモンスターを管理するためには、相応の「狩猟力」が必要です。もし、このラウンドでプレイしたモンスターカードの危険アイコンの合計数よりも「狩猟力」が低いと、罰金を支払わなければなりません。
危険判定フェイズでは、誰か1人が「狩猟力ダイス3個」を振って、出目の合計が全プレイヤーの狩猟力になります。
このダイスで決まった狩猟力に「スタッフカード」や「狩猟トークン」の狩猟力を加えた合計が、モンスターの危険度の合計以上になれば問題ありません。もし、狩猟力が危険度の合計を下回れば、不足している狩猟力1点につき、3クラウン支払わなければなりません。
④季節の終わり
最後に、季節カードのトロフィー条件に合うプレイヤーは、その季節カードをトロフィーとして受け取ります。トロフィーは、ゲーム終了後に3勝利点となります。
そして、今回プレイしたモンスターカードは、まとめて裏向きにして個人ボードの怪物園に置きます。
土地カード・スタッフカードは、その後も場に残り続けます。
これで1ラウンド終了で、再び次のラウンドの「①季節カードの公開」から始めます。
4ラウンドプレイして、勝利点の高い人の勝ち
4ラウンドが終わったら、モンスターカードや硬貨などの勝利点を合計して、最も勝利点が高い人の勝ちとなります。
カーニバルモンスターズに合うスリーブ
カーニバルモンスターズのカードサイズは「63×88mm」なので、『エポックのレギュラーサイズスリーブ・ハード(66×92mm)』がいいと思います。
エポックのスリーブは「80枚入り」です。カーニバルモンスターの全カード(240枚)をスリーブに入れるためには、ちょうど「3袋」で済みます。
カーニバルモンスターズのレビュー
最後は、カーニバルモンスターズのボードゲームレビューです。
見た目に反して、サクサクできるドラフトゲーム!
カーニバルモンスターズは、モンスターを出すために土地が必要という『マジック:ザ・ギャザリング』の要素がありつつ『7Wonders』のドラフトシステムを採用したカードドラフトゲームです。
一見、リアルでおどろおどろしいイラストの数々にとっつきにくさを感じる人もいると思いますが、プレイ感はその逆でめちゃくちゃサクサク遊べます!僕もゲーム前はカードの多さと豪華な見た目で「ちょっと大変そう…」というのが第一印象でしたが、実際はとても軽いゲームでした。
ドラフト系ボードゲームの名作『あやつり人形』も好きですが、他のプレイヤーがカードを選んでいる間の待ち時間が長くて大人数で遊びづらいのが難点でした。その点、カーニバルモンスターズは全員同時ドラフトで待ち時間なしなので快適です!目新しさはありませんが、安定した遊びやすさがあってかなり好きです。
ちょっと斬新だったのは「欲しいカードがないのに、1コイン払ってキープしなければならない」ことがあること。要らないのにお金払ってキープする…というのはなんかモヤッとして解せません。笑
ランダム性は強い
200枚越えの大量の山札からカードを引くので、ランダム性は強いです。ドラフトゲームと言うとどのカードを選ぶかの判断が重要ですが、ここに運も大きく絡んできます。要らないカードしかない…ということもざらです。僕は運ゲーも嫌いじゃないのでそこまで気になりませんが、運要素を少しでも減らしたい時は「8枚引いてドラフト」ではなく「10枚引いてドラフト」などカードを増やすことで、引き運が若干マシになると思います。
まとめ:お気に入りボードゲームの仲間入り!
カーニバルモンスターズは、教えるのも簡単で、素早くドラフトできるおすすめのカードゲームです。
モンスターやスタッフなど新要素を加えて拡張しやすそうなので、おそらく拡張版もでるのではないかと予想(トークン類が異常に多いのは拡張のため?)。個人的にはゲーム内容も軽さもかなり好みなので、拡張版期待しています!
▼カーニバルモンスターズ 完全日本語版
▼カーニバルモンスターズに合うスリーブ