リビングフォレストを徹底紹介!引き続けてバーストするデッキ構築ボードゲーム
フランス年間ゲーム大賞の中量級部門とドイツ年間ゲーム大賞のエキスパート部門で大賞になって話題となった『リビング・フォレスト(Living Forest)』。
デッキ構築×バースト系ということで、どちらも自分の好きなジャンルだったので、ケンビルさんで日本語版の先行予約が始まったら即購入しました!
今回は、カードをめくり続けてバーストするデッキ構築ボードゲーム『リビング・フォレスト』のルール&レビューを徹底紹介します。
▼リビングフォレストに合うスリーブ
ゲーム名 | リビング・フォレスト(Living Forest) |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 40分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | デッキ構築、バースト系、タイル配置 |
発売時期 | 2021年 |
デザイナー | Aske Christiansen |
日本語版販売 | ケンビル |
関連ページ | BoardGameGeek |
▽ボードゲームのおすすめランキングはこちら
リビングフォレストはどんなボードゲーム?
引き続けてバーストするデッキ構築ゲーム
リビングフォレストは、森の精霊になって、悪しき鬼火に対抗するために、鬼火を消火したり、木を植えたり、守護獣を目覚めさせたりするデッキ構築系ボードゲームです。
面白いのは、デッキからカードを引くたびに「さらに引くか・やめるか」を選択できるところ。カードをたくさん引けばアクションの強度が高まっていきますが、3枚目の黒丸カードが出たらバーストして、その後のアクション回数が減ってしまいます。
ドロー時は常に「バーストしないようにここでやめるか、より強力なアクションができるように強気に引くか」というジレンマに悩まされます。ドキドキしながらも大量のカードをめくることができた時はかなり気持ちいいです!
また、勝利条件は「火を消す・木を植える・花を集める」の3つがあるので、どれを狙うかでデッキ構築・タイル配置・トークン集めの動きが変わるのも面白いポイント。特にデッキ構築とバースト系が好きな人におすすめの中量級ボードゲームです。
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞
リビングフォレストは、2022年7月に発表された『ドイツ年間ゲーム大賞2022』でエキスパート大賞を受賞しました!
※リンクからレビュー記事に飛べます
ドイツ年間ゲーム大賞2022の前には、フランス年間ゲーム大賞2022でも中量級部門で大賞となっているので、世界的に評価の高いボードゲームです。
詳細については『2022年ドイツ年間ゲーム大賞の受賞作まとめ』をご覧ください。
リビングフォレストの内容物
リビングフォレストの内容物がこちら。
《内容物》
カード130枚 / 精霊スタンド4つ / 護りの木タイル43枚(開始時タイル含む) / 勝利要素タイル12枚 / 森ボード4枚 / 精霊の環ボード / 守護獣ボード / 延焼ボード / 聖樹マーカー / 炎トークン58枚 / 欠片トークン20枚 / 護りの木ディスペンサー2組
リビングフォレストのゲーム準備
まずは、リビングフォレストのゲーム準備からです。
全体の配置はこんな感じです。
全体
カードを購入できる守護獣ディスプレイ
木タイルを獲得できるところ
炎が放たれる精霊の環ボード
各プレイヤーは、手元に「森ボード・勝利要素タイル3枚・初期デッキ」を置きます。初期デッキは全員共通の14枚です。
また、最初の手番プレイヤーだけ「聖樹マーカー」を受け取ります。
リビングフォレストのルール
ここからは、リビングフォレストのルール・遊び方を紹介します。
ゲームの目的
リビングフォレストでは、以下の3つの勝利条件のうち1つを達成したプレイヤーの勝ちです。
- 木を12種類植える
- 炎を12個集める
- 花を12点分公開する
条件は3つありますが、どれかを12集めればいいので覚えやすいです
ラウンドの流れ
ラウンドは以下の3フェイズ構成です。
- ドローフェイズ(全員同時プレイ)
- アクションフェイズ
- ラウンド終了フェイズ
①ドローフェイズ
ドローフェイズは全員同時プレイです。
自分のデッキからカード1枚を引きますが、カードを引き終わったら「まだ引くか・やめるか」を選択できます。引いたカードは横一列に並べていきます。
カードの左側には、「太陽・植物・水・突風・花」の5種類のアイコンが描かれています。
アイコンの横に書いてある数字は、そのアイコンの強さです。
カードをたくさん引いて、各アイコンの合計値が大きくなると、この後のアクションフェイズでより強力なアクションができます。
ただし、左上に黒丸アイコン(孤立アイコン)が3枚出たら、それ以上カードを引けなくなり、この後のアクションフェイズでアクション回数が2回から1回に減ってしまいます。
カードをたくさん引きたいけど、アクション回数が減ってしまうかも…というジレンマに悩まされます!
白丸アイコン(群れアイコン)を持つカードは、黒丸アイコン1つを打ち消すことができます。
例えば黒丸が2個出ている状態で白丸が出たら、所持している黒丸は1個のみとカウントされます。
②アクションフェイズ
アクションフェイズでは、聖樹マーカーを持っているプレイヤーから順番に手番を実行します。
5種類のアクションから、異なるアクションを2回実行できます。(黒丸アイコンを3個出していると1回だけ)
5種類のアクション
- カードの獲得
- 木を植える
- 炎を消す
- 精霊の環を進む
- 欠片トークンの獲得
各アクションでは、引いたカードの各アイコンの合計値を参照します。
A-カードの獲得
「太陽アイコン」を使って、カードを獲得して自分のデッキを強化します。
守護獣ディスプレイから欲しいカードを選びます。カードの右下の数値が「コスト」で、自分の太陽アイコンの合計値以下なら獲得できます。
カードは複数枚購入してもOKです。例えば、太陽アイコンの合計値が「7」なら、コスト7のカードをとってもいいし、コスト4とコスト3の二枚をとるのもアリです。
獲得したカードは自分の山札の一番上に置くので、次のラウンドで必ず引くことができます。
B-木を植える
「植物アイコン」を使って、永続効果のある「木タイル」1枚を獲得できます。(複数獲得不可)
タイルの右上の数字がコストです。自分の植物アイコンの合計値よりも低いコストなら獲得できます。
獲得したタイルの下部には「永続効果」が描かれています。上の画像のタイルなら、常に水アイコンが+2になります。
獲得したタイルは、自分の森ボード上の配置済みタイルに隣接したスペースに置けます。
また、縦一列や横一列に並べるとボーナス効果が得られたり、四隅に置くことで追加アクションが実行できます。
C-炎を消す
「水アイコン」を使って、精霊の環ボードにある炎トークンを獲得できます。
炎の強さは三種類(2・3・4)あり、自分の水アイコンの合計値を超えない範囲ならいくつでも炎を消せます。
消火した炎トークンは裏向きにして、自分の手元に置きます。
D-精霊の環を進む
「突風アイコン」を使って、精霊の環ボードを時計回りに進みます。
進めるマスの数は、突風アイコンの数までです(1マス以上動かせばOK)。
進んだら、止まったマスのボーナスアクションを実行できます。
もし、自分の前に他のコマがあれば、飛び越します。飛び越したら、追加ボーナスとして、飛び越した相手から勝利要素タイル1枚を奪うことができます。
勝利要素タイルとは、勝利条件となる「炎・木・花」の1点タイルのことで、ゲーム開始時から各プレイヤーが1枚ずつ持っています。
相手が持っている勝利要素タイルから選べるので、自分が目指している勝利条件の要素を奪いましょう。
E-欠片トークンの獲得
アイコンに関係なく、欠片トークン1枚を獲得します。
欠片トークンはドローフェイズに使用可能で、公開したカードをすぐに捨て札にすることができます。
黒丸アイコンが出た時に無効化できるので、使い勝手の良いお助けアイテムです。(後述の炎のお邪魔カードをデッキから除外することも可能)
③ラウンド終了フェイズ
アクションフェイズが終わったら、ラウンド終了フェイズになります。
お邪魔カードの追加
まずは、精霊の環に残っている「炎トークンの合計値」を確認します。
次に各プレイヤーは自分の水アイコンの合計値を確認して、「炎の合計値>水アイコンの合計値」なら、炎のお邪魔カードを自分の捨て山に追加します(追加する枚数は炎トークンの枚数と同じ)。
お邪魔カードは、太陽や水などのアイコンが一切ない黒丸アイコンのみなので、本当に邪魔すぎる存在です。デッキから除外したい場合は、欠片トークンを使う必要があります。
炎トークンの追加
このラウンド中に取得されたカードの数だけ、精霊の環ボードに炎トークンが追加されます。
追加される炎の強さは、どの段のカードかによって変わります。
- 上段(レベル1)…2の炎
- 中段(レベル2)…3の炎
- 下段(レベル3)…4の炎
炎を追加したら、カードがないところは同じ段(同じレベル)の山札から補充します。
次のラウンドの準備
今回のラウンドで公開したカードを全て捨て札置き場に重ねます。
聖樹マーカーを持っているプレイヤーは隣のプレイヤーに渡します(聖樹マーカーを持つ人から時計回り順でアクションフェイズを実行できる)。
ここまで終わったら、次のラウンドを開始します。同様に①~③を繰り返します。
④ゲームの終了
以下の3つの条件のうち1つを達成したプレイヤーがいたら、ゲーム終了です。
A.木を12種類植える
B.炎を12個集める
C.花を12点分公開する
このラウンド中に公開したカードや森ボードの永続効果で得られる花アイコンの合計値が12以上になったらOKです。
これら3つの勝利条件は、勝利要素タイルの数を含んでOKです。
同じラウンド中に勝利条件を満たしたプレイヤーが複数人いたら、木の種類・炎の数・花の数の合計値が最も高い人の勝ちです。
リビングフォレストのレビュー
最後は、リビングフォレストのボードゲームレビューです。
デッキ構築×バースト系が面白い!
デッキからめくり続けてバーストするシステムはミスティックベールっぽいのでそれほど新鮮さはなさそうだけど、デッキ構築×バースト系は想像しただけで面白いので即購入を決意!
黒丸が出ないことを願って1枚1枚めくっていくときの緊張感や、「手堅くやめておくか、リスク承知で引きにいくのか」というジレンマが良い感じ。ドキドキしながらも大量のカードをめくることができた時はかなり気持ちいい!デッキ構築とバースト系は本当に相性抜群だと思います。
また、説明書を読んでいる段階では、勝利条件を満たすために、デッキ構築・タイル配置・トークン集めなど色んな要素があって「ちょっと複雑かな…」と思ったけど、実際に遊ぶと思ったよりもすっきりしていました。カードにテキストが一切なくて、5種類のアイコンと数値のみなのもシンプルで入り込みやすかったです。
とはいえ、個人ボード・カード売り場・木タイル売り場・精霊の環ボードなど見るべき場所が多いので、ボードゲームを全く遊んだことがない人にはおすすめしづらいですが、中量級ゲームを何度かプレイしたことがある方ならすんなり遊べると思います。プレイ時間は45分くらいですが、いろんなことができるので時間の割に満足感が高かったです!
微妙な点
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞やフランス年間ゲーム大賞の中量級部門で表彰されるくらいなので、面白さは保証されているようなもの。なので、今回は逆にリビングフォレストの微妙な点についてもしっかり触れようと思います。
3つの勝利条件について
実際に遊んでみると、3つの勝利条件のうち炎を集めるのがかなり簡単に感じました。
実際に初プレイでは、炎を集めた人の勝ちでした。木は1ラウンドに1本のみ(さらに枯渇する可能性あり)で、花も12個集めるのは長いラウンドが必要ですが、炎は1ラウンドに複数枚の獲得が可能です。炎は他のプレイヤーに全て取られたらそのラウンドで獲得できないということはあるものの、初プレイで何の知識もない状態で「僕は炎」「私は木」「被るの嫌だから、俺は花」みたいに分かれてしまうと、炎を集めている人が勝つでしょう。(次のラウンドのスタートプレイヤーが自分の時に、水アイコンのあるカードをたくさん購入して、次のラウンドで一気に消化する戦法も強力)
自分が遊んだ時は「あれ、炎強くない?」となって、みんなが炎集めを妨害する意識が高まると、次第に木で勝つシーンが増えました。
炎の入手が簡単ということが共有できると、炎収集のハードルが上がるので自然と良いバランスになりそうです。ただ、初見だと炎を集めている人が勝ちやすくなるので、最初のインストでこの点をフォローしておくといいと思います。
ちなみに、これまでの体感では、達成のしやすさが「炎>木>花」に感じています。花は集めるのに時間がかかるし、売り場運や引き運の影響が大きくて、なかなか計画通りにいきません。次こそは花で勝ちたい…。
全員同時ドローについて
バースト系ボードゲームはバーストした瞬間に盛り上がるけれど、リビングフォレストはそこまで盛り上がりません。
というのは、全員同時ドローなので、他のプレイヤーがバーストした瞬間を見逃してしまうからです。
自分自身がバーストしそうな時の悩ましさは好きだけど、それと同じくらい他の人が苦悩している姿やバーストした瞬間を見るのが好きなので、そのシーンを共有できないのは少し寂しい感じがしました…。(ドローフェイズを手番順にしても支障がないと思うので、今度遊ぶときは手番順でやってみようと思います、プレイ時間がかなり伸びるかもですが…)
収納が難しい
箱に片付けようとしたとき、立体物などの収納に困りました。ただ、twitterでリビングフォレストの収納を調べたら、多くの方が100均グッズを使ったり、中の仕切りを工夫したりして、綺麗に収納されていました。すごく参考になるので、収納に困った方はぜひチェックしてみてください。
ちなみに、リビングフォレストにはチャック袋が付属していないので、ケースか袋を準備しておくのがおすすめです!
まとめ:リビングフォレストの個人的評価
最後に、リビングフォレストの個人的評価と良かった点/微妙だった点をまとめました。
- デッキ構築×バースト系の相性の良さ
- バーストが怖いけど、もっと引きたいという悩ましさ
- カードを大量に引けると気持ちいい
- 勝ち筋が複数あって、どれを狙うかで動きが変わる
- カード情報がアイコンのみで分かりやすい
- 炎を集めるのが簡単
- バーストしてもあまり盛り上がらない
- 箱への収納が難しい
- トークン類を入れるチャック袋なし
以上が、ボードゲーム『リビング・フォレスト』のルール&レビューでした。
そこまでの目新しさはありませんが、デッキ構築・バースト・タイル配置といった要素が良い感じに組み合わさっていて、安定感のある中量級ボードゲームです。デッキ構築やバースト系が好きな方はぜひ遊んでみてください!
また、リビングフォレストのほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
リビングフォレストに合うスリーブ
ラブレターのカードサイズは63㎜×88㎜なので、『ホビーベースのTCGサイズ・ハードタイプ(91.5×66㎜)』がおすすめです。
厚み0.1㎜のハードタイプなので、傷などのダメージに強いのが良いところ。
リビングフォレストには130枚のカードが入っているので、このスリーブ(50枚入り)が3個あればOKです。
その他のスリーブについては、下記サイトの『リビングフォレストのカードサイズに合うスリーブを徹底紹介』をご覧ください。