アズール王妃の庭園を徹底紹介|パズル要素が強くなったシリーズ第4弾!
アズール(Azul)シリーズの最新作『アズール王妃の庭園 日本語版』がホビージャパンから2022年1月に発売されました。
『アズール王妃の庭園の正しいルール&注意点』の記事に書いたように、初回プレイ時は間違ったルールで遊んでいましたが、ようやく正しいルールで遊べました!
そこで、今回は『アズール王妃の庭園』のルール&レビューを紹介します。アズール史上最もパズル感が強くなった作品です!
商品名 | アズール 王妃の庭園 日本語版 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 45~60分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | タイル配置・パズル |
発売時期 | 2022年1月 |
デザイナー | Michael Kiesling |
日本語版販売 | ホビージャパン |
価格 | 6,600円(税込) |
関連ページ | BoardGameGeek ホビージャパンの公式ページ |
アズール 王妃の庭園はどんなゲーム?
アズール 王妃の庭園は、アズールシリーズの第4弾で、今度は庭師となって、立派な庭を作ることを目指します。
アズールシリーズでお馴染みの「丸皿から1色(1つの模様)のタイルを全て獲得する」といったドラフト方式でタイルを集めて、木や鳥、蝶、花などで庭を飾っていきます。
ただタイルのドラフト方法こそアズールシリーズを継承していますが、タイルの配置コストや置き方、在庫管理などは全く新しくて、これまでとは一味違うアズールになっています!
前作のサマーパビリオンと比べるとパズル要素が強くなっていて、「何を捨てて何を置くか」「タイルをどのように連結させていくか」などより悩ましくなった作品です。
アズール王妃の庭園のゲーム準備
アズール王妃の庭園のゲーム準備ができた状態がこちら。
各プレイヤーは手元に、タイルを配置する「庭園ボード」とタイルを保管する「保管ボード」の2種類を置きます。
これまでのアズールシリーズと大きく違うのは、展示エリアです。
他のアズールでは複数の丸皿にタイルを4個ずつ並べていましたが、王妃の庭園では増設庭園を複数枚重ねてその上にタイルを4個のせるだけです。
ちなみに、後ろに見えているのは、2~4ラウンド目に使う増設庭園の山(スタック)です。
アズール 王妃の庭園のルール
アズール王妃の庭園のルールを簡単に紹介します。
細かなルールの注意点を知りたい方は、『アズール王妃の庭園の正しいルール&注意点』にまとめています。アズール王妃の庭園を初めて遊ぶ前にチェックするのがおすすめです!
ゲームの目的
ゲームの目的は、4ラウンドの間に、同じ色・同じ模様を連結させて点数を獲得し、美しい庭園を作り上げること。
ゲーム終了時に最も点数が高いプレイヤーの勝利です。
手番にできること
手番にできるのは、以下の4つのうちの1つ。
- タイル(増設庭園)の獲得
- タイル1枚を配置
- 増設庭園1枚を配置
- パス
①タイル(増設庭園)の獲得
タイルや増設庭園を獲得するときは、以下のどちらかを選択します。
- 同じ模様のタイル全て(&増設庭園)を取る
- 同じ色のタイル全て(&増設庭園)を取る
ここからは例を挙げながら紹介します。
例えば、最初の展示エリアが以下の場合。
最初のプレイヤーは、同じ模様の「蝶」を3つ獲得することにします。
獲得したタイルは、いきなり庭園に配置するのではなく、まずは「保管ボード」に置きます。
保管できるタイルは12個まで、増設庭園は2個までです。保管ボードが埋まると新しいものを獲得できなくなるので、保管スペースの管理が重要です。
獲得したタイルを保管したら、スタック(増設庭園の山)の一番上の増設庭園を隣に動かして、展示エリアを広げます。そして、新たにタイル4枚を引いて、スタックの上に補充します。
これで、展示エリアが2枚分に広がったので、次からこの2枚の上のタイルが獲得対象になります。
次のプレイヤーは「紫」を全て獲得することにして、「紫の鳥」と「紫の木」を手に入れます。スタックの一番上の増設庭園を移動させて、展示エリアをさらに広げて、スタックの一番上にタイル4枚を補充します。最後に、空になった増設庭園を表向きにします。
増設庭園の表には、必ず1つのタイルが描かれています。上の場合は、「水色の木」のタイルが付いた増設庭園です。表になった増設庭園は、タイルと同じように獲得できます。
次のプレイヤーが「木」を選択すると、「黄緑の木タイル」と「木が描かれた増設庭園」を獲得できます。その場合、タイルと一緒に増設庭園も保管ボードに置きます。
②タイル1枚を配置
保管ボードにあるタイルを配置する時は、模様ごとの配置コストを支払います。各模様のコストは以下の通り。
- 木:コスト1
- 鳥:コスト2
- 蝶:コスト3
- 花:コスト4
- 草:コスト5
- ユリ:コスト6
配置コストとは、以下を意味します。
配置コスト=配置するタイル1個+捨てるタイルの数
例えば、コスト4の花を配置するなら、そのほかに3枚のタイルを捨てるということです。
捨てるタイルは以下のどちらかです。
- (配置するタイルと)色が同じで模様だけが違う
- (配置するタイルと)模様が同じで色だけが違う
例えば、コスト3の「緑の蝶」を配置するなら、「黄緑の蝶」「水色の蝶」を支払うことで配置できます。(模様が同じで色が違うパターン)
配置するタイルは「隣接するタイルがないマス」か「色だけが同じ or 模様だけが同じタイルの隣」に置けます。
上の画像は、「黄緑の蝶」の隣に「緑の蝶」を置いたところ。色も模様も同じタイルの隣は置けないので、「黄緑の蝶」の隣に「黄緑の蝶」を置くのはNG。
もう1つの注意点は、同じ色か模様で構成されるグループ内に同一のタイルを置くことはできないということ。
上の場合、木で連結した木グループに緑が2個入っているのでNGです。
噴水・彫像・ベンチなどのマークを囲むと、ボーナスとして「ジョーカータイル」を1~3個獲得できます。
ジョーカータイルは、配置コストを支払う時にどの模様や色の代わりとしても捨てられる便利なタイルです!(ゲーム開始時に3個ずつ持っています)
③増設庭園1枚を配置
増設庭園も、タイルと同じようにコストを支払うことで、庭園ボードに配置できます。
上のように、水色の蝶(コスト3)が描かれた増設庭園なら、タイルや増設庭園を2つ捨てることで配置できます。(他の色の蝶を2つ捨てる or 水色の他の模様を2つ捨てる)
増設庭園を配置することで、タイルを置けるエリアがどんどん拡張していきます!
④パス
手番でこれ以上何もやりたくない場合はパスします。
最初にパスした人は、次のラウンドで最初にプレイできる「開始プレイヤーマーカー」を獲得します。
得点計算
全員がパスしたら、得点計算です。
得点ボードの回転ホイールはそのラウンドで得点となる3つの模様 or 色を示しています。(ラウンドごとに回転して、得点となる要素が変わる)
上の場合は、開廷ホイールの突起4つの間にある「緑(1点)・木(1点)・水色(1点)」が得点対象です。
自分の庭園にある模様や色と一致するごとに点数を獲得できます。
4ラウンドプレイする
得点計算が終わったら、新たなスタック(増設庭園の山)を展示エリアに置き、次のラウンドをプレイします。
これを4ラウンド繰り返します。
ゲームの終了(最終得点計算)
4ラウンド終わったらゲーム終了して、最終得点計算になります。
保管ボードに残ったタイルや増設庭園は、その模様の配置コストがそのままマイナス点になります(例:木=-1点、鳥=-2点、蝶=-3点など)。また、残ったジョーカータイルは+1点になります。
次に、庭園ボードの得点計算をします。
模様や色が3個以上つながっているグループごとに点数を獲得します(点数は模様ごとに異なる)。
さらに、模様や色で6個以上つながったグループはボーナス点を獲得できます。
最終的に、最も点数の高いプレイヤーの勝利です。
アズールシリーズは全5作品
アズールはその人気からシリーズ化していて、今回紹介したアズール王妃の庭園が4作品目に当たります。
【第1弾】 アズール | |
【第1弾の限定エディション】 アズール:マスターショコラティエ (※基本ルールは同じ) | |
【第2弾】 アズール:シントラのステンドグラス | |
【第3弾】 アズール:サマーパビリオン | |
【第4弾】 アズール:王妃の庭園 |
第1弾では宮殿の壁の装飾、第2弾では王宮の窓の装飾、第3弾ではサマーパビリオンの建設、第4弾では庭園の建造という内容になっています。いずれも、第1弾のアズールがなくても遊べます。
第1弾、第3弾のレビューも書いているので、気になる方はチェックしてみてください!
アズール 王妃の庭園のレビュー
最後は、アズール王妃の庭園のボードゲームレビューです。
パズル要素が強くなったアズール
先日アップした『アズール王妃の庭園の正しいルール&注意点』にも書いた通り、最初はルール間違いでモヤモヤしていたので「微妙かも…」と思っていましたが、二回目に正しいルールを頭に叩き込んでから遊ぶと1回目よりも断然面白い!
アズール王妃の庭園を正しいルールで再挑戦。
— はとまめ@ぼくとボドゲ (@boku_bodo) February 4, 2022
2人戦でプレイ時間65分。84対95で負け😅
6点ボーナスの残り1個がこなくて、その差で負けた感じ。後半ジョーカータイルがざくざくもらえるのが気持ちいい。1回目よりも断然楽しかった! pic.twitter.com/C0oeYzs0k5
前作のサマーパビリオンよりもタイル配置の自由度が上がって、パズル要素が強くなっています。また、タイルに2つの要素があることで色と模様のどっちで使うか、何を捨てて何を置くか、欲しいタイルが手に入るように保管ボードの在庫管理をするなど考えどころも多かったです。今のところ、面白さだけならアズールシリーズナンバーワンな気がします。ルールが頭に残っているうちにもう一度プレイしたくなるゲームです。
序盤はなかなか盤面が埋まらずにもどかしく感じがしますが、終盤になるとジョーカータイルがザクザク手に入るようになるので、前半とは打って変わって一気に盤面が埋まっていく瞬間があって気持ちよかったです!
アズールシリーズとの比較
第1弾のアズールのレビューにも書いた通り、アズールは相手の盤面をガン見しながらマイナス点の押し付け合いになるけど、王妃の庭園はあまり相手を気にせず自分のボードに集中する感じでした。相手との戦いというよりも自分との戦いになるので、プレイ感はアズールサマーパビリオンに近いです。
また、アズールシリーズと比べると、運要素がアップしています。他のアズールだと最初に獲得できるタイルが全部見えていましたが、王妃の庭園では最初に見えているのは4枚だけで、ゲームが進むごとに4枚追加・4枚追加…と補充されていきます。そのため、自分の手番のタイミングで「蝶きて」「頼むから黄色のユリ!」みたいにお祈りすることが多かったです。毎回タイルを取り出すのはちょっと面倒でしたが、適度な運要素が加わった感じで良かったです。
王妃の庭園の微妙な点
王妃の庭園で微妙に感じたのは、ルールがややこしいこと。
コストの支払い方やタイルの置き方が複雑で、アズールと違ってインストが難しい…。
久しぶりに出して遊ぶか~という時のハードルが高い気がします。自分なら、ルールの把握・説明が億劫で「じゃあ、アズールかサマーパビリオンにしよう」ってなりそう。他のアズールよりも気楽に遊べなさそうなのが微妙なところです。
最後に:面白いけど、ルールがややこしい作品
まとめると、アズール王妃の庭園はシリーズ中で一番面白いと思うけど、ルールがややこしい作品。
第3弾のアズールサマーパビリオンのレビューに書いたように、サマーパビリオンはボードゲーム初心者におすすめできるけど、今回の王妃の庭園はボードゲーム初心者にはちょっとおすすめしづらいです。パズルゲーム好きやルールが多少複雑でも抵抗ない方はぜひ遊んでみてください。
また、アズール王妃の庭園をはじめて遊ぶ方は『遊ぶ前に!アズール王妃の庭園の正しいルール&注意点』もチェックしてみてください。BGGのフォーラムを読んで分かった正しいルールやホビージャパンさんから公式に出ているエラッタ情報などをまとめています。
アズール王妃の庭園のほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
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