アズールは「ドイツ年間ゲーム大賞2018」で大賞を受賞した人気ボードゲームで、そのシリーズの最新作『アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)』が2019年に発売しました。
今回は、アズールシリーズの新作ボードゲーム『アズール:サマーパビリオン』のルール&レビューを紹介します。
商品名 | アズール:サマーパビリオン |
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プレイ人数 | 2-4人 |
プレイ時間 | 30-45分 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ジャンル | 戦略系 |
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発売時期 | 2019年 |
デザイナー | Michael Kiesling |
メーカー | Next Move Games |
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【まとめ】アズール:サマーパビリオンの感想
お気に入り度:
本家アズールを「ガチ寄り」とするなら、サマーパビリオンは「カジュアル寄り」。
他プレイヤーへの妨害がやりづらくなったため、かなり優しくなりました。そのため、アズールほど相手のボードを気にすることがなく、自分のボードとにらめっこして「どう得点を伸ばすか」に集中しやすいので、遊び心地は快適です!
その一方で、「どのボーナス点を取りに行くか」「ボーナスタイルを狙うか」といったタイル配置時の悩ましさがしっかりあって、何回も手が止まってしまいました。個人的には、本家よりもサマーパビリオンの方が好きです。
アズール:サマーパビリオンはどんなゲーム?
サマーパビリオンはアズールシリーズ3作目!
『アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)』はシリーズの最新作で、3作目にあたります。
1作目はタイル職人になった『アズール』、2作目はステンドグラス職人になった『アズール:シントラのステンドグラス』でした。
そして、この3作目では「夏のパビリオン」を作る職人になります!
▼1作目のアズール(Azul)のルールはこちら。
アズール:サマーパビリオンの「ストーリー」
実はアズールシリーズは、3作目のサマーパビリオンまでストーリーがちゃんと繋がっています。
ポルトガル王のマヌエル1世は「エヴォラ宮殿(1作目)」を完成させ、さらに「シントラ宮殿(2作目)」を完成させた後、王室の最も有名なメンバーを称えるために「夏のパビリオン」の建設を職人に依頼しました。
というのが、今回のストーリーです。
ただ、残念なことに、マヌエル1世はパビリオンの建設が始まる前に亡くなっているそうです…。
アズール:サマーパビリオンはこんなゲーム!
アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)は、シリーズお馴染みの「タイルの獲得」「タイルの配置」を繰り返すボードゲームです。
基本の部分はアズールそのものですが、「好きな色として使えるワイルドカラータイル」や「特定の配置によるボーナスタイルの獲得」など、これまでになかった新しい要素も加わっています。
アズール:サマーパビリオン日本語版発売!
ホビージャパンから『アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)』の日本語版発売のアナウンスがありました!
【新製品案内】本日人気の『アズール』姉妹作となる『アズール:サマーパビリオン』日本語版の案内を各取引先様に送付いたしました。壁、ステンドグラスと来て、今度は床のタイルを貼る職人となります。
近日中に各店舗様で受注がはじまると思いますので、よろしくお願いいたします。#BoardgameJP pic.twitter.com/CYmTKeOPHI— ホビージャパン・ゲームツィート (@HobbyJAPAN_GAME) January 23, 2020
今のところ、「2020年2月下旬」に発売予定です。
アズール:サマーパビリオンの『内容物』
アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)に入っているものを紹介します。
こちらがサマーパビリオンの内容物です。
アズールではタイルが「四角」でしたが、サマーパビリオンのタイルは「ひし形」になっています!
全部で6色あります。
そして、これが今回の「個人ボード」。
7つの星形エリアがあり、各エリアは6つのマスで構成されています。
また、謎のタワーも付いています。
このタワーには、ゲーム中に捨てたタイルを入れます。捨てたタイルが見えないようにしておくための目隠しです。
アズール:サマーパビリオンを遊ぶ『準備』
全てのタイルが入ったアズールバッグから、丸皿にタイルを4個ずつ置きます。
さらに、プレイヤー共通の「スコアボード」に10個のタイルを配置します。
また、スコアボードの外周は得点トラックになっているので、ここに各プレイヤーのコマを置いておきます。
最初は「5点」からスタートし、点数を獲得したらコマを動かします。
アズール:サマーパビリオンの『ルール』
アズール:サマーパビリオンでは、「①タイルの獲得」「②タイルの配置」とフェイズが分かれており、①が全て終わってから②に進みます。
「①タイルの獲得」「②タイルの配置」を1ラウンドとして、6ラウンド繰り返します。
①タイルの獲得
まずは「タイルの獲得」からです。
「1つの丸皿」か「場の中央」のどちらかから1色全てのタイルを獲得できます。アズールを遊んだことがある人ならお馴染みですね。
A. 「1つの皿」から獲得する
1つの丸皿を選び、そのお皿にある1色全てのタイルを獲得できます。
その他のタイルは「場の中央」に移します。
B. 「場の中央」から獲得する
場の中央にあるタイルから、1色全てのタイルを獲得できます。
【重要】「ワイルドカラータイル」がある場合
第1ラウンド~第6ラウンドには、好きな色の代わりとして使える「ワイルドカラー」が割り当てられています。
第1ラウンドなら「紫」、第2ラウンドなら「緑」がワイルドカラーになります。
タイルの獲得時に、自分が選んだタイル以外にワイルドカラータイルがあれば1個だけ追加で獲得できます。
ワイルドカラーが2個あったとしても、一緒に獲得できるのは1個だけです。
獲得したタイルは手元に置いておく
獲得したタイルは手元に置いておきます。
丸皿と場の中央から全てのタイルがなくなったら、「①タイルの獲得」フェイズの終了です。
②タイルの配置
獲得したタイルを個人ボードに配置します。
「マスの色」はそこに置けるタイルの色を示しており、「書かれている数字」はそこに置くために必要なタイル数を表しています。
例えば、緑タイルを5つ持っている場合。
緑タイル5個を消費して、「緑の5」のマスにタイルを1個配置できます。(残りの4個のタイルは捨てます)
また、最初に緑タイル2個を使って「緑の2」のマスに配置して、次に緑タイル3個を使って「緑の3」のマスに配置するというのもOKです。
ワイルドカラータイルは「どの色の代わりにもなる」便利なタイルです。
第1ラウンドのワイルドカラーは「紫」なので、紫タイル1個と緑タイル5個を消費して、「緑の6」のマスに置くこともできます。
中央のエリアには「全て違う色」にする
中央の星形エリアには、好きなマスに好きな色を置けますが、6か所全てが違う色になるように配置しなければなりません。
タイルを配置したら点数ゲット
タイルを置くと「1点」入ります。
このとき、マスの数字に関係なく1点です。(緑の6に置いても1点)
ただし、他のタイルと繋がっていれば、繋がったタイル数分の点数を獲得できます。
上のように、3枚のタイルが繋がれば「3点」が入ります。
そのため、タイルを置く時は、バラバラに置くのではなく繋がるように置いていくことで点数が伸びていきます。
特定の配置になれば「ボーナスタイル」を獲得できる!!
個人ボードに描かれている「石柱」「彫像」「窓」を囲うようにタイルを配置すれば、「追加のボーナスタイル」を獲得できます。
獲得できるボーナスタイルの数は以下の通り。
- 石柱 ⇒1個のボーナスタイルを獲得
- 彫像 ⇒2個のボーナスタイルを獲得
- 窓 ⇒3個のボーナスタイルを獲得
ボーナスタイルを獲得する時は、スコアボードにある10個のタイルから好きなタイルを獲得することができます。
ボーナスタイルを獲得したら、スコアボード上のタイルを補充します。
4個のタイルを次のラウンドに持ち越せる!
「これ以上タイルを配置できない・したくない」という場合は、タイル配置を「パス」します。
パスした時に、手元のタイルを4個までストックして、次のラウンドに持ち越すことができます。(個人ボードの四隅にストックします)
それ以外の残ったタイルは全て捨てることになりますが、「残ったタイル1個につきマイナス1点」となります。
全員がパスしたら、次のラウンドの準備をします。
③次のラウンドの準備
ラウンドコマを、次のラウンドの所に動かします。
2ラウンド目なら、ワイルドカラーが「緑」になる
新たに、丸皿にタイルを4個ずつ配置していきます。また、先ほどストックしたタイルがあれば、それを手元に移動させます。
④「6ラウンド」でゲーム終了
6ラウンドが終わったら、ゲーム終了です。
2種類の「得点ボーナス」
星形エリアを全て埋めていたら「12~20点」のボーナス点が入ります。(点数は色で異なる)
また、1種類の数字マスを全7か所埋めたら、ボーナス点が入ります。「1~4」の数字マスを1種類全て埋めることで、「4~16点」のボーナス点が入ります。
上のように、スコアボードに書いてあります。
残ったタイルは「マイナス1点」
また、最後に残ったタイル1個につきマイナス1点となります。
最も点数が高い人の勝利
ボーナス点・マイナス点を含めて合計し、最も点数の高かった人が勝者となります。
アズール:サマーパビリオンの『レビュー』
最後に、アズール:サマーパビリオン(azul:summer pavillion)のボードゲームレビューです。
アズール:サマーパビリオンを遊んだ感想
アズールが「カジュアル」になった!
アズール:サマーパビリオンは、とても優しくなったアズールです。
というのは、アズールでは「相手に失点を押し付けて妨害する」というシビアさがありましたが、サマーパビリオンでは「タイルが配置しやすい」「タイルを4つまで持ち越せる」などと色々な部分がソフトになっていて、妨害しづらくなりました。
そのため、相手のボードに目を光らせていたアズールよりも、自分のボードとにらめっこして「どう得点を伸ばすか」に集中しやすいので、遊び心地は快適です!
また、タイルの配置も「ワイルドカラー」や「ボーナスタイル」を使うことで狙い通りに配置しやすいのが楽しさに繋がっている気がします。
その一方で、「星形エリアを優先するのか」「ボーナスタイルを狙いにいくか」という悩ましいジレンマがあって、配置フェイズには何回も手が止まってしまいました。方針が決まらずにふらふらしていると得点が伸びなかったので、最初に何を優先するかをハッキリさせておくと良さそうです。
まとめ:アズールよりも遊びやすくて好き!
「マイルドになった」「優しい」などと聞いていましたが、まさにその通りで「邪魔されずに快適に遊べるようになったアズール」です。
アズールも好きですが、個人的には苦しさやストレスがなくなって遊びやすくなったサマーパビリオンの方が好きです。「アズールをまだプレイしたことがない人」や「ボードゲームを始めたての人」はサマーパビリオンから遊ぶのが良いと思います!
▼アズールの詳しいルールはこちら。
ボードゲームの総合評価
5段階評価
お気に入り度 | |
簡単さ | |
戦略性 | |
運要素 | |
盛り上り度 |
- 見た目が綺麗
- カジュアル化していて、遊びやすい
- 本家アズールにあったシビアさは薄まっている
※アズール:サマーパビリオン(日本語版)は「2月下旬」発売です。
▼アズール(azul)
▼アズール:シントラのステンドグラス
ボドゲブロガーが選ぶ!ボードゲームランキング
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