ピットデラックスのルール&レビュー|素早く独占するスピードゲーム
ピットデラックスは「穀物取引」がテーマのボードゲームです。交換したい穀物の枚数を宣言して、交換相手が見つかれば自由なタイミングで即交換できる、というスピーディーな展開が特徴です。
モノポリーを作ったパーカーブラザーズ社から1904年に発売されて、100年以上経った今もなお遊ばれ続けています。
今回は、『ピットデラックス(Pit Deluxe)』のルール&レビューを紹介します。
▼ピットデラックス(日本語版)
▽ピットデラックスに合うスリーブ
商品名 | ピットデラックス |
---|---|
プレイ人数 | 3~8人 |
プレイ時間 | 30分 |
対象年齢 | 7歳~ |
ジャンル | セットコレクション |
発売時期 | 1904年 |
デザイナー | Edgar Cayce |
日本語版販売 | アークライトゲームズ |
ピットデラックスはどんなボードゲーム?
ピットデラックスは「1種類の産物を誰よりも速く独占する」というゲームで、9枚の手札を同じ種類にすれば勝ちです。
ただ、面白いのは「カードの交換方法」です。
交換したいカードがあれば、自由なタイミングで「3枚!3枚!」などとカード枚数を叫びます。
同じ枚数を叫んだ人がいれば、その枚数分のカードを交換できます。
また、このカード交換は順番制ではなく、好きなタイミングでできます。みんなが「2枚!」「4枚!4枚!」「3枚お願い!」などと口々に叫ぶので、ゲーム中はすごく騒がしいです。戦略性はあまりないですが、「場を盛り上げたい時」や「人数が多い時」に活躍してくれるカードゲームです!
ピットデラックスの内容物
ピットデラックスで使う産物カードがこちら。
「小麦・大麦・コーヒー豆・トウモロコシ・砂糖きび・オート麦・オレンジ・大豆」の8種類です。
また、ゲームの開始・終了を告げる「ベル」が付属しています。
これは、テーブルの中央に置いておきます。
ピットデラックスの基本ルール
ピットデラックスには「基本ルール」と「上級ルール」がありますが、まずは「基本ルール」から紹介します。
ゲームの準備
プレイヤーの数と同じ種類数の産物カードを用意します。
5人プレイなら5種類のカード(9枚×5種類=45枚)、8人プレイなら8種類のカード(9枚×8種類=72枚)です。どの種類のカードを使うかは、プレイヤー同士で話し合いましょう。
用意したカードをシャッフルして作った山札から、各プレイヤーに9枚ずつ配ります。
他のプレイヤーに見られないように持ちましょう。
ベルを鳴らしたら、取引スタート!
全員が自分の手札を確認したら、ゲームスタートの合図としてベルを鳴らします。
「交換したいカード枚数」を叫ぶ
取引がスタートしたら、「交換したいカード1種類を1~4枚」選びます。
そして、交換したいカードを頭にかざして「カード枚数」を宣言します。
この宣言時には「1度に複数種類の産物を選ばない」「産物の種類を言わない」ことだけ注意しましょう。
また、この宣言は順番制ではなく、誰でも好きな時に叫べます。そのため、あっちから「1枚!」こっちから「4枚お願い!」などと、同時多発的に叫び声が上がるので、めちゃくちゃ騒がしくなります!
同じ枚数の人同士で交換する
同じ枚数を提示したプレイヤー同士は、そのカードを交換することができます。
上のように、「2枚」と宣言した人同士で交換できます。
また、交換が終わったプレイヤーは、新たにカードを選んで、交換したいカード枚数を宣言することができます。
交換相手が見つからなかった場合は、いつでもカードを選び直して、宣言を変えられます。
1種類のカードを独占したら、ベルを鳴らす
カード交換を何度も繰り返して、「1種類の産物カード9枚」を揃えたら、ベルを鳴らして合図します。
このベルの音が勝利のゴングです!
ベルを鳴らしたプレイヤーは「産物カードに書いてある点数」を獲得します。
ここまで終わったら、再び山札を作り直してから手札9枚を引いて、繰り返しプレイします。
ゲームの終了
誰かが「500点以上」を獲得したら、そのプレイヤーの勝利です。
また、短時間で遊びたい時は「250点以上」などに変更するのがおすすめです。
ピットデラックスの上級ルール
ここからは、ピットデラックスの上級ルールを紹介します。
牛カード・熊カードを加える
上級ゲームでは、ゲームに使う産物カードを決めた後に、「牛カード」と「熊カード」を加えます。
そのため、プレイヤーのうち2人が「手札10枚」になります。
手札が10枚のプレイヤーは、「同一の産物カードが9枚」あれば、残りの1枚が何であろうとベルを鳴らしてOKです。
牛・熊カードは産物と同じように取引できる
「牛カード」と「熊カード」は、他の産物カードと同じように取引に出せます。
どちらか1枚で出したり、両方を2枚セットで出しても良いですし、産物カードに混ぜて出すのもOKです。
牛カード・熊カードの効果
牛カードは「ボーナス」か「ペナルティ」のどちらかになり、熊カードは「ペナルティ」になるカードです。
「牛カード」はどの産物の代わりにもなる!
牛カードは「どの産物カードの代わりにもなる」便利なカードです。
つまり、「同一の産物カード8枚」と「牛カード」があれば、終了のベルを鳴らすことができます。
この場合、その産物カードに書いてある点数を獲得します。
また、手札が10枚の人のみ、「同一の産物カード9枚」と「牛カード」でベルを鳴らすと、その産物カードの点数の「2倍」を獲得できます。
ベルが鳴らされた時に、牛・熊を持っていたらペナルティ
他のプレイヤーの手札が揃ってベルが鳴らされた時に、「牛カード・熊カード」を持っていたプレイヤーは「マイナス点」が与えられます。
マイナス点は、牛カード・熊カードを何枚持っているかで変わります。
- どちらか1枚を持っていた人は、マイナス20点
- 両方持っていた人は、マイナス40点
ピットには『ベルなしバージョン』がある
現在、『ピットデラックス(Pit Deluxe)』は手に入りにくいですが、『ピットのベルなしバージョン』なら比較的入手しやすいです。
このゲームでは、ベルがない代わりに「Pit Conrner!」というベルの代わりに叩く台が付属しています。ただ、ベルがあったほうが取引らしさがあって盛り上がるので、「卓上ベル」だけ別で購入する人も多いです。
▽ピット ベルなしバージョン
▽卓上ベル
ピットデラックスのレビュー
ピットデラックスには、一般的なボードゲームにはない「ドタバタとした激しさ」があります!僕は海外のプレイ動画を見て、その激しさに圧倒されて「これは買うしかない!」と思って即購入を決意しました。
ゲーム中は「2枚!誰かお願い!」「ハイ!3枚、3枚!」「頼む!4枚交換して!」と、四方八方から声が飛んできて、ゲーム中はうるさいくらいに賑やかです!終わった後には、叫びすぎてストレス発散したかのような満足感があります。
慣れてくると、交換の最中に「あいつは小麦を集めているようだから流さないようにしよう」というような冷静な判断もできるようになってきます。ゲームがあまりにスピーディーで騒がしいのでなかなか判断が難しいですが、そこまで状況を読めるようになると別の面白さも出てきます。
立て続けに何度も遊ぶゲームではありませんが、「ボードゲーム会で場を盛り上げたい時」や「重量級ゲームをやって疲れている時」にちょうどいいゲームです!
注意したいのは、白熱しすぎるあまりカードが乱雑に扱われやすいので、「ハードタイプのスリーブ」に入れるのがおすすめです。あと、近所迷惑にならないように気をつけましょう!笑
▽ピットデラックス(日本語版)
▽ピット ベルなしバージョン
ピットデラックスに合うスリーブ
ピットデラックスではかなり激しくカード交換をするので、よくカードが傷ついてしまうことがあります…。気になる方はスリーブにいれて保護するのがおすすめです。
ピットデラックスのカードサイズは「57×88mm」なので、『ホビーベース ボードゲームサイズ』のスリーブ(58.5×90mm)がピッタリです。
実際に、カードスリーブをつけたのがこちら↓
このスリーブは「1袋50枚入り」なので、ピットデラックスの全カード(74枚)を収納するには『2セット』あれば足ります。
▼ホビーベース ボードゲームサイズスリーブ
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