ロビンソン漂流記を徹底紹介!1人用デッキ構築ボードゲーム
ロビンソン漂流記は、島に漂流してきたロビンソン・クルーソーを鍛え上げて、島から脱出させようという1人用のデッキ構築ボードゲームです。
オリジナル版は2011年にドイツで発売され、日本語版は2012年にアークライトゲームズから発売されました。また、2012年ドイツ年間ゲーム大賞の推薦リストにも入っており、現代でも1人用ボードゲームの代表作のひとつに挙げられることが多い名作です。
今回は、ソロで遊べるボードゲーム『ロビンソン漂流記(Friday)』のルール&レビューを紹介します。
▼ロビンソン漂流記
商品名 | ロビンソン漂流記 |
---|---|
プレイ人数 | 1人用 |
プレイ時間 | 25分 |
対象年齢 | 13歳~ |
ジャンル | デッキ構築 |
発売時期 | 2011年 |
デザイナー | Friedemann Friese |
販売元 | アークライト |
関連ページ | アークライトゲームズの公式ページ BoardGameGeek |
▽1人用のおすすめボードゲーム
ロビンソン漂流記はどんなボードゲーム?
ロビンソン漂流記は、島に漂流したロビンソン・クルーソーを鍛え上げて島から脱出させることを目指す1人用ボードゲームです。プレイヤーがロビンソンではなく島の住人フライデーとなって、ロビンソンの脱出をサポートします。
初期状態のロビンソンはとても貧弱ですが、毎ターンデッキの改善・強化をしていくことで、ロビンソンの戦闘力をアップさせていきます。最終的に、ボスとなる海賊船2隻を倒したら、プレイヤーの勝利となります。
ゲームデザイナーは、「5本のキュウリ」「電力会社」「ファミリア」など緑のパッケージでおなじみのフリードマン・フリーゼ(Friedemann Friese)氏です。
小説『ロビンソン・クルーソー』から着想
ロビンソン漂流記は、イギリスの小説家ダニエル・デフォーの小説『ロビンソン・クルーソー』から着想を得ている作品です。無人島に漂着したロビンソンがどのようにして生き延びたのか、ということが書かれた冒険小説です。主に第1作目のことを『ロビンソン漂流記』とも言います。
ロビンソン漂流記の『内容物』
ロビンソン漂流記の内容物がこちら。
<内容物>
カード72枚 / カード置き場3枚 / 体力コマ22個 / ルール1冊 / 概要表1冊
ロビンソン漂流記の『ゲーム準備』
まずは、ロビンソン漂流記のゲーム準備から紹介します。
「ロビンソンデッキ」「災厄の山札」の準備
18枚のロビンソンカードをシャッフルしてロビンソンデッキを作り、「茶色のボード」に置きます。
また、災厄カード30枚をシャッフルして、「緑のボード」に置きます。
「衰弱の山札」の準備
もうひとつ、衰弱カードの山札を作ります。
衰弱カードには「標準」「深刻」の2種類あります。
黒い衰弱シンボルが「標準」、白い衰弱シンボルが「深刻」
「標準タイプ」と「深刻タイプ」をそれぞれ別でシャッフルして、山札の上部に「標準タイプ」、山札の下部に「深刻タイプ」となるように重ねておきます。山札ができたら、青色の配置ボードの上に置きます。
難易度レベル1では、あらかじめ全11枚の衰弱カードから「バカ丸出し」カード1枚を除外しておきます。
その他の準備(警戒カード・海賊船カード・体力コマ)
3色の警戒カードを、上から「緑・黄色・赤」の順になるように重ねます。
ゲーム開始時は、一番上の「警戒レベル:緑」から始まります。
海賊カードをランダムに2枚引きます。
この2枚の海賊船が今回のボスになります。その他の海賊カードは使わないので箱にしまいます。
最後に、体力コマ20個を手元に置きます。
体力コマが2個余るのでストックとして脇に置いておきます。(体力上限は22)
ゲーム準備完了!
以上のゲーム準備が終わったら、下の写真のような状態になります。
ロビンソン漂流記の『ルール』
ここからは、ロビンソン漂流記のルール・遊び方を紹介します。
①災厄カードを2枚引く
まずは、災厄の山札からカードを2枚引きます。
2枚のうち、どちらの災厄に立ち向かうかを決めます。選んだカード1枚を手元に置き、残りの1枚を捨て札にします。
災厄カードの内容は「災厄側」と「技能側」に分かれており、下半分の「技能側」はカード獲得後に参照します。
②災厄に立ち向かう
ロビンソンデッキから引く
選んだ災厄カードに立ち向かうために、ロビンソンデッキからカードを引きます。引くことができる枚数は「災厄カードの左側の数字」と同じ数です。
例えば、災厄カードの左側に「2」と書いてあれば、ロビンソンデッキから2枚引くことができます。
「災厄値」と「戦闘力」を比べる
災厄に打ち勝つためには、「ロビンソンカードの戦闘力」が「災厄カードの災厄値」以上にならなければなりません。
まずは、ロビンソンカードの左上の「戦闘値」と、災厄カードの右側の「災厄値」を比べます。(災厄値は警戒レベルに応じて3種類ありますが、最初は初期の警戒レベル「緑」の数字を参照します)
上の場合、戦闘力の合計が「-1」、災厄値が「1」です。
体力を消費してロビンソンカードをめくる
戦闘力が足りなければ、体力コマ1個を消費して、追加のロビンソンカードをめくることができます。
これは、戦闘力が災厄値以上になるまで、何度でも実行できます。
カードの特殊能力を使う
ロビンソンデッキには「特殊能力」付きのカードもあります。
このカードの能力は、体力コマを2獲得する
特殊能力には「体力の回復」「山札のカードの並べ替え」「戦闘力を2倍にする」など様々な効果があり、このタイミングで使用することができます。
③-A. 災厄に敗北する場合
体力コマを失う
ロビンソンカードの合計戦闘力が災厄値未満で戦闘を終了したら、「災厄値」と「合計戦闘力」の差だけ体力コマを奪われます。
例えば、「合計戦闘力:-1」「災厄値:1」なら、その差が「2」なので、体力コマを2個失います。
ロビンソンカードを除外できる
災厄に屈して体力コマを失った場合は、プレイしたロビンソンカードをゲームから除外できます。
除外できる枚数は「失った体力コマ1個につきカード1枚」です。そのため、体力コマを2個失ったら、プレイ済みカード2枚を除外します。このように、災厄に負けることで、デッキから弱いカードを取り除いて、デッキを強化することができます。
また、失った体力コマ2個につき「衰弱カード」1枚を除外できます。(衰弱カードは後述)
③-B. 災厄に勝利した場合
合計戦闘力が災厄値以上になったら、戦闘に勝利します。
勝利したらその災厄カードを獲得し、カードを180度回転させて「技能カード」となります。
獲得した技能カードは、プレイしたロビンソンカードとともにロビンソンの捨て山に置きます。
④最初に戻って、①~③を繰り返す
災厄カードに敗北 or 勝利したら、先ほどと同じように「①災厄カードを2枚引く」に戻り、①~③を繰り返します。
「ロビンソンデッキ」が尽きたら
ロビンソンデッキが尽きたら「衰弱カード」を1枚引き、捨て札に混ぜてシャッフルすることで、新しいロビンソンデッキを作ります。
このように、デッキが尽きる度に、デメリットのあるカード1枚が追加されていきます。
「災厄の山札」が尽きたら
災厄の山札が尽きたら、警戒レベルを1段階アップさせます。一番上にある警戒カードを取り除き、1つ下の警戒カードを一番上にします。
その後、災厄の捨て札をシャッフルして、新しい災厄の山札を作ります。
⑤海賊との最終決戦
最後の警戒レベル「赤」の時に災厄の山札が尽きたら、最後は海賊船との最終決戦に突入します!
まず、2隻の海賊船カードのうち1枚を選びます。これを災厄カードとみなし、これまでと同じように災厄に挑みます。
上のカードなら「カードを9枚引くことができる」「戦闘力35以上で勝利」という海賊船です。
1隻目を倒したら、2隻目に挑戦します。見事2隻の海賊船に打ち勝つことができれば、プレイヤーの勝利となります。
⑥ゲームの終了
最後に、ゲームの終了条件をまとめます。
- 海賊船2隻に勝利する
- 体力がマイナスになった場合
- ロビンソンの山札を作りなおす時、衰弱カードの山札が尽きた場合
ロビンソン漂流記の『スコア計算』
ロビンソン漂流記では、ゲーム終了時にスコアを計算することができます。(クリアの有無にかかわらず)
- ロビンソンデッキの全カードの合計戦闘力(衰弱カードは全て-5点とみなす)
- 倒した海賊船1隻に付き+15点
- 残った体力コマ1個につき+5点
- 災厄の山札&捨て札にある災厄カード1枚に付き-3点
上記の点数を合計して、付属の成績表に記入できるので、スコアアタックとしても楽しめます。
ロビンソン漂流記の『難易度4段階』
ロビンソン漂流記には難易度レベルが「4段階」用意されているので、クリア後のやり込み要素として、より高難易度のゲームに挑戦できます。
今回紹介したルールは、下記の「レベル1」にあたります。
- レベル1:衰弱カード「バカ丸出し」を除外。
- レベル2:レベル1と同様に準備した後、衰弱カード1枚を裏のままロビンソンデッキに加える
- レベル3:衰弱カード「バカ丸出し」を加えた状態で、レベル2と同様に準備する
- レベル4:レベル3と同様に準備した後、初期体力18(上限20)でプレイする
上記のように、「バカ丸出しカードの有無」「体力コマの数の増減」などで難易度調整されています。
ロビンソン漂流記の『レビュー』
最後は、ロビンソン漂流記のボードゲームレビューです。
歯ごたえのある高難易度が魅力!
ロビンソン漂流記を初プレイした時に感じたのは、「本当にクリアできるのか…」という絶望感でした。
その時は海賊船に到達する前に体力がなくなって死亡…強力なカードを集めようとすると体力がなくなり、体力を維持しようとすると強力なカードが集まらない…このもどかしさ!悔しさから2回・3回と意地になって何度もプレイし続けたのを覚えています。
ただ、最初はクリア不可能にも思えましたが、何回もプレイしてカード内容を覚えたり、コツがわかってカードの引き運が噛み合うと、途端にうまくいくようになります。残り体力1で初クリアした時の達成感といったら!余裕でクリアできることはほとんどなく、毎回ギリギリの体力で手に汗握る展開になりやすいのも良いところです!
1人用ゲームで難易度がぬるいとすぐに遊ばなくなってしまうので、このハイレベルな難易度はソロゲームとして大きな魅力だと思います!
どんどんデッキ圧縮できる気持ちよさ!
ロビンソン漂流記では、最初のターンから弱いカードを排除して、ガンガンデッキ圧縮していける気持ちよさも魅力です!
初期状態のロビンソンデッキはめちゃくちゃ弱いので、序盤は負けまくります。ただ負けることで弱いカードをどんどん排除することができるので、少しずつ強いカードの比率が高まっていきます。このデッキを濃縮していくような作業感が好きな人には溜まらないゲームです。他のデッキ構築ボードゲームと比べても、特に高速に圧縮できる部類なので、圧縮の気持ちよさは頭一つ抜けています。
ただ、デッキ圧縮ばかりやっていると、山札がすぐに尽きて衰弱カードが入ってきやすくなるので、どこまでデッキ圧縮するかという判断も重要です。
やり込み要素はあるけど…
不満点を挙げるとすると、クリア後のリプレイ性があまり高くないこと。
やりこみ要素として「スコアアタック」や「4段階の難易度レベル」が用意されていますが、場にあるカード類はほぼ変わりません。ゲームにあまり変化がないので、人によってはクリアしたら満足して終わってしまう人もいると思います。僕も1度クリアした後は、次に遊ぶまでにかなり時間があきました。
個人的には、もう少しリプレイ性を高めるために、難易度ごとにカードの種類が増えたり、1人用ボードゲーム『シェフィ』のように追加ルールがあると良かったです。(シェフィでは、クリアしても7種類の追加ルールで遊べる)
まとめ:1人で夢中になれるボードゲーム!
以上が、カードゲーム『ロビンソン漂流記』のルール&レビューでした。
ロビンソン漂流記の魅力は「歯ごたえのある高難易度」と「序盤からどんどんデッキ圧縮できる気持ちよさ」です。だいたい1プレイ30分くらいなので、夜の1人時間にじっくり遊ぶのにちょうどいいプレイ時間です。
見た目の古臭さで敬遠していた方もぜひ遊んでみてください。特に人気のデッキ構築ボードゲーム『ドミニオン』が好きな方ならハマるゲームだと思います!
▼ロビンソン漂流記
また、ロビンソン漂流記のほかにも面白い1人用ボードゲームはたくさんあります。詳しくは『1人で遊べるおすすめボードゲーム』で紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。