タペストリーのルール&レビュー|4分野を進歩させる文明発展ボードゲーム
タペストリー(Tapestry)は、4つの分野を進歩させる文明発展ゲームです。手番にやることはシンプルだけど選択がとても悩ましい重量級ボードゲームになっています。
2019年にストーンマイヤー社から発売され、2020年3月26日にアークライトから日本語版『タペストリー ~文明の錦の御旗~』が発売しました。
今回は、ボードゲーム『タペストリー(Tapestry)文明の錦の御旗~』のルール&レビューを紹介します。
▼タペストリー ~文明の錦の御旗~
商品名 | タペストリー |
---|---|
プレイ人数 | 1~5人 |
プレイ時間 | 90~120分 |
対象年齢 | 12歳~ |
ジャンル | 拡大再生産 |
発売時期 | 2019年 |
デザイナー | Jamey Stegmaier |
版元 | Stonemaier Games |
日本語版販売 | アークライトゲームズ |
価格 | 13,200円(税込) |
タペストリーはどんなボードゲーム?
4つの分野を進歩させる文明発展ゲーム
タペストリー(Tapestry)は、「科学・技術・探求・軍事」という4分野を進歩させて、より多くの勝利点を獲得していく文明発展系のボードゲームです。
ボード中央では、自分の国の陣地を拡大していきます。
手元のシートでは、施設を配置してマスを埋めるパズル要素があり、ウマく配置することで資源や勝利点を獲得できます。
4つの時代を終えた時に、最も多くの勝利点を獲得していたプレイヤーの勝利です。
ストーンマイヤーの新作!
タペストリーは、重量級ボードゲームで人気の『サイズ(Scythe)-大鎌戦役-』や、ドイツ年間ゲーム大賞2019のエキスパート大賞に輝いた『ウイングスパン(Wingspan)』を制作したストーンマイヤー社(Stonemaier Games)の作品です。
ストーンマイヤーのボードゲームはコンポーネントが高品質ですが、今回は特にミニチュアが豪華です!!
彩色された美しい建物の数々が入っていて、これらを個人ボードに配置していくだけでテンションが上がります!
▼ストーンマイヤーの『ウイングスパン』はこちらで紹介中!
タペストリーのゲーム準備
まずは、タペストリーのゲーム準備からです。
全体の準備
まずは、テーブルに地図ボードを置いて、下の写真のように、カード・タイル・キューブなどをセッティングします。
個人の準備
自分の手元には、文明シート(左)・収入シート(中央)・首都シート(右)という3枚のシートを置きます。
文明シートはランダムに2枚引き、どちか1枚を選びます。首都シートは、ランダムに1枚受け取ります。収入シートの上部の「資源獲得表」には、収入拠点ミニチュアを5個ずつ配置します。
ちなみに、収入シートの下部は「現在持っている資源」欄になっていて、4種類の資源を数字の上に置くことで所持数を表します。(最初はすべて0からスタートします)
そして、地図ボード上の自分の最初の地域4マスのうち好きな2マスに前哨コマを配置します。
前哨が置かれたマスは、自分の「支配地域」となります。
タペストリーのルール
タペストリーは「4つの時代」をプレイして、最終的に最も勝利点を稼いだ人の勝利となります。
最初の手番に資源を受け取る
最初の手番で「4種類の資源1個ずつ」と「地域タイル1枚」「錦旗カード1枚」を獲得します。
それ以降の手番では、「①進歩手番」か「②収入手番」のどちらかを選んで実行します。
①進歩手番
ゲーム中のほとんどの手番では、この「進歩手番」を実行することになります。
探究・科学・技術・軍事の4つの分野から、進歩させたい分野を1つを選びます。(地図ボードの4辺に各分野のトラックがあります)
地図ボードに4分野のトラックがある
探求トラックを拡大
そして、選んだ分野のレベルを1つ上げることができます。選んだ分野のトラックを見て、必要なコストを支払い、自分のキューブを次のレベルに移動させて、そこに描かれている報酬を獲得します。
コストとして任意の資源1個を支払い、自分のキューブをレベル1に移動させて、報酬として地域タイルを2個受け取る。
各分野の主な「報酬」
探求・科学・技術・軍事の各分野の主な報酬を紹介します。各分野のレベルを上げると、以下のようなことができます。
A. 探求
探求のレベルを上げていくと、手持ちの地域タイル1枚を地図ボードに配置できます。
配置できる場所は、自分の支配地域に隣接するマスです。配置時に、島が繋がることで勝利点を得たり、タイルに描かれている報酬を獲得することができます。
B. 軍事
軍事のレベルを上げていくと、自分の支配地域に隣接する地域に「前哨コマ」を配置できます。
前哨を置くことで、その地域マスが自分の「支配地域」になります。(他のプレイヤーの前哨があれば倒して自分の支配地域にできますが、カードによるカウンターを喰らうことがあるので注意しましょう)
その後、征服ダイス2個を振り、どちらか1つの出目を選んで、その報酬を受け取ります。
C. 技術
技術レベルを上げていくと、技術カードを獲得できます。公開されている3枚か山札の1番上から選びます。
手に入れた技術カードは、自分の首都シートの横に配置します。この時点では何の効果も得ることできませんが、「②進歩手番」で報酬を受け取ることができます。
D. 科学
科学レベルを上げていくと、研究ダイスを振って、出た目の分野のレベルを無料で1上げることができます。
施設を配置してマップを埋めよう!
各分野のレベルを上げていくと「収入拠点」を獲得することがあります。
自分の収入シートから収入拠点を取る
また、最初に建物が描かれたマスに到達した人は、マスに描かれている「世界遺産ミニチュア」を獲得できます。
世界遺産を獲得できるのは最初にマスに到達した人のみ
これらの施設(収入拠点・世界遺産)を手に入れたら、自分の首都マップの好きな位置に配置して、マスを埋めることができます。(赤丸のマスは既に埋まっているマスと考えます)
収入拠点は1マス分だけしか埋めませんが、世界遺産は大きいミニチュアなので複数のマスを埋めることができます。
このマップの埋め方で、資源を獲得したり、勝利点を獲得できます。
1つの区(3×3マス)を埋めたら、好きな資源1個を獲得できます。
また、縦一列または横一列埋めることで勝利点を獲得できます。
②収入手番
進歩手番を続けて資源がなくなった時や、次の時代に進みたいと思った時には、いつでも「収入手番」を実行できます。(全員同じタイミングで収入手番を行う必要はありません)
収入手番をざっくりいうと「資源の補充ができる」タイミングです。具体的には、自分の手元のシートを使って、下記のアクションを順に実行します。
- 文明シートの起動
- 錦旗カード1枚をプレイ
- 技術カードのアップグレード
- 収入の確保
まず「文明シート」の効果を発揮し、所持している「錦旗カード」1枚をプレイして、「技術カード」をアップグレードすることで報酬を受けることができます。
最後の「4.収入の確保」だけ少し詳しく説明します。収入の確保では、収入シート上部の「資源獲得表」で見えているアイコンの資源・報酬を獲得できます。
ゲーム開始時の資源獲得表は収入拠点で埋まっているので、貰える資源は少ないです。
この場合、貨幣1個、人員1個、食料1個、地域タイル1枚、文化1個、錦旗カード1枚を獲得する
ただ、収入拠点を首都マップに配置することで、資源獲得表の隠れていたアイコンが明らかになり、貰える資源・報酬が増えます!
この場合、貨幣3個、人員2個、食料2個、地域タイル1枚、文化2個、錦旗カード1枚を獲得する
つまり収入拠点が使われることで資源獲得マスが解放されて、収入が増えるということです。
全てのアクションが終わったら、次の時代に移って、同様に「①進歩手番」「②収入手番」のどちらかを実行していきます。
ゲームの終了
全プレイヤーが第4時代を終えたら、ゲーム終了です。
各プレイヤーは任意のタイミングで「収入手番(次の時代に進む)」をすることができるので、プレイヤーごとにゲームが終わるタイミングは異なります。
ゲーム終了時点で、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となります。
タペストリーのバランス調整
タペストリーの出版社であるStonemaierから、文明シートのバランス調整が入っています。文明シートにはかなりパワーバランスの差があったので、バランス調整があってよかったです。
日本語版を発売しているアークライトのサイトに、日本語のPDFファイルがアップされているので、下記リンクからダウンロードして使いましょう。
※文明シートに直接貼り付けるのは抵抗がある方が多いと思うので、スリーブにいれてまとめるのがおすすめです。(詳しくは後述)
タペストリーを遊んだ感想
実際に『タペストリー(Tapestry)文明の錦の御旗~』を遊んだ感想をレビューします。
初めての重量級ゲームとしておすすめ!
タペストリーは、「初めて遊ぶ重量級ボードゲーム」としておすすめしたい作品です!時間のかかるゲームはルール説明が大変で嫌になっちゃうこともありますが、その点タペストリーはかなり楽でした!
毎ターンやることは「4つの分野のうち1つを選んで発展させる」だけ。たったの4択なので、見通しが良くてかなり遊びやすいです。ゲーム後半から1アクションが強力になっていくので、それにつれて何を選択するかの悩ましさが増しますが、後半にぐんぐん伸びる気持ち良さがあります!
ゲーム中の作業は「タイル配置による領土拡大・マップをパズル要素・カードや資源の管理」など色んなことができるので、ゲーム後の満足感がしっかりあります!
また、最初に選ぶ文明シートとプレイ中に手に入れるカードの組み合わせで戦略が大きく変わってくるので、毎回違った展開を楽しめるのもGOODです。プレイが固定化しないのでリプレイ性はバッチリです!
一部のカードが強い(⇒バランス調整アリ)
不満点を挙げるとすると「文明シートの能力差が大きい」という点。
文明シートの能力はどれも個性的で、中にはハッキリと強いものもあります。ただ、文明シートについては公式からバランス調整が入りました。購入後だとしてもゲームがより良くなるのなら有難い処置だと思います。まだバランス調整後で遊んではいませんが、若干マイルドになっていそうなので楽しみです!
とはいってもまだ強い気もするので、文明シートやカードの強弱がどうしても気になる場合は、「ゲーム開始時に文明シートを3枚引いてドラフトする」「最初に得る錦旗カードを2枚引いてドラフトする」ようにしても良いと思います!
最後に
以上が、ボードゲーム『タペストリー(Tapestry)文明の錦の御旗~』のルール&レビューでした。
「重量級ゲームの中でも特にシンプル」「引き運・ダイス運の要素強め」なので、重量級ゲームを初めて遊ぶ人にこそおすすめしたいボードゲームです!ハイクオリティーなミニチュア付きで見た目にも引きがあるので、第一印象もバッチリです。
ただ、シンプルなわりに時間がかかる(4人で2~3時間)ので、個人的には3人プレイがベストだと思います。
▼タペストリー 日本語版
タペストリーのほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
タペストリーに合うスリーブ
タペストリーは、1万円越えの高価なボードゲームなので、傷や汚れがつく前に文明シート・カード類にスリーブを付けるのが良いと思います。
下の写真のように、文明シート・カード類にぴったりのスリーブがあります。
特に、文明シートについては、バランス調整データを印刷した紙をスリーブ内に入れてまとめるのがおすすめです!上部がシールになっているので、飛び出すこともありません。
詳しくは、下記の『タペストリーの文明シート&カードにぴったりのスリーブ2種類』で紹介しています。
▽タペストリーに合うスリーブ2種類はこちら。
ミニチュアの片付け方
タペストリーのミニチュアを片付ける時に「このミニチュアはどこに入れるんだっけ…」と分からなくなったので、自分用にミニチュアのしまい方を載せておきます。
僕と同じようにミニチュアのしまい方が分からなくなった方は、この画像を参考にしてみてください。
拡張第1弾『陰謀と策略』が発売
タペストリーの拡張第1弾『タペストリー ~文明の錦の御旗~ 拡張 陰謀と策略 』が2020年10月下旬に発売します。
この拡張セットでは、「新しいカードやミニチュア」「ソロゲーム用のシナリオ5本」が追加されます。
【新商品】『タペストリー』の拡張セットが登場! 新たな世界遺産ミニチュアが追加され、1人用ルールにはシナリオ・モードが導入!罠カードも登場し、ライバルを出し抜く手段が増えた。『タペストリー ~文明の錦の御旗~ 拡張 陰謀と策略 完全日本語版』は10月22日発売予定!https://t.co/UtfbYVI6dO pic.twitter.com/h3h5Bq1Bju
— アークライトゲームズ (@ArclightGames) September 17, 2020
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