フランス語版の逆輸入!暗黒街の二人のルールを紹介
聖杯サクセションのフランス語版が逆輸入されて『暗黒街の二人』というタイトルで発売されます。
フランス年間ゲーム大賞2023にもノミネートされて話題になった作品でもあります。現在は、ボードゲームアリーナでも遊べます。
今回は、暗黒街の二人(District Noir)のルールを詳しく紹介します。
ゲーム名 | 暗黒街の二人(District Noir) |
プレイ人数 | 2人 |
プレイ時間 | 10~20分 |
対象年齢 | 10歳~ |
デザイナー | シマムラ ナオ ドウゲン ノブタケ |
アート | Przemysław Fornal, Vincent Roché Hinami Tsukuda |
出版社 | Spiral Éditions |
関連ページ | BoardGameGeek |
暗黒街の二人について
暗黒街の支配権をめぐる2人用ゲーム
暗黒街の二人は、暗黒街の支配権をめぐる2つの派閥の争いをテーマにした2人用ボードゲームです。
手番でやることは、「手札1枚を出す」か「場のカードを5枚獲得する」のどちらかだけ。同じ数字カードを相手よりも多く集めると得点できるので、基本的にはカードを集めて高得点を狙いますが、シティカードを3枚集めて無条件で勝利することもできます。
場のカードの獲得はラウンド中に1回しかできないので、どのタイミングで取るのかがとにかく悩ましい。「場がまあまあ良いから相手よりも先に取っておこうか…いや、これは撒き餌で、実はもっといいカードを隠していて後半に総取りするつもりでは…」といった読み合いで頭がめちゃくちゃ熱いです。
「何を出す、いつ取る」を選択するだけの超シンプルなゲーム性なのに、たった10分ほどで濃厚な読み合いを楽しめるのが良いところ。2人用ボードゲームの傑作です。
聖杯サクセションの逆輸入版
このゲームはもともと、2016年に大気圏内ゲームズから「聖杯サクセション」というタイトルで発表された作品です。
その後、フランスの出版社のSpiral Éditionsからフランス語版リメイク作品「District Noir」として発売されました。このフランス語版は、フランス年間ゲーム大賞2023のアスドール部門にノミネートされました。(また、チョコレート工場というタイトルでリメイクされたこともあります)
そして、今回、聖杯サクセションのフランス語版が逆輸入されて、リゴレから「暗黒街の二人(District Noir)」として発売されます。(ゲームマーケット2024春で先行販売予定)
暗黒街の二人(聖杯サクセション)は、ボードゲームアリーナでも遊べます。
暗黒街の二人で使うもの
暗黒街の二人には、支援者カード、同盟/裏切りカード、シティカードがあります。
支援者カード
支援者カードは、暗黒街に大きな影響力を持つグループを表すカードです。各グループには決められた数のメンバーがいます。
各支援者カードで得点するためには、対戦相手よりも多くの支援者カードを集める必要があります。例えば、ゲーム終了時に対戦相手よりも「7」のカードを多く持っていたら、7点獲得できます。
同盟/裏切りカード
同盟と裏切りカードは、暗黒街を支配するための取引や裏切りを表すカードです。
同盟カードにはプラスの数字、裏切りカードにはマイナスの数字が書かれています。これらのカードを獲得していれば、その数字がそのまま得点になります。同盟カードを手に入れて、裏切りカードを避けるようにしましょう。
シティカード
シティカードは、暗黒街の重要な場所3つ(港、警察署、市役所)を表しています。
3枚のシティカードをすべて手に入れれば、暗黒街を牛耳ったこととになり、得点に関係なく即座に勝者となります。
暗黒街の二人のセットアップ
まずは、暗黒街の二人のゲーム準備からです。
45枚のカードをシャッフルして、そこからランダムに3枚抜き取って、表面を見ずにゲームから除外します。(今回のゲームでは使用しない)
各プレイヤーに手札としてカードを5枚ずつ配ります。
残ったカードは山札として、テーブルの中央に置きます。
山札から2枚のカードをめくり、山札の横に表向きで並べます。
最後に、スタートプレイヤーを決めます。各プレイヤーは両面に派閥が描かれたトークンのどちらか一方を選びます。トークンを投げて、表向きになった面を選んだプレイヤーに渡します。トークンを持っている人が第1ラウンドスタートプレイヤーになります。(スタートプレイヤーはラウンドごとに交代する)
暗黒街の二人のルール
暗黒街の二人のルールを紹介します。
ゲームの流れ
全4ラウンドをプレイします。
手番では、以下の2つのアクションのうち1つを実行します。
- 手札1枚を場に出す
- 場のカードを5枚獲得する(1ラウンドに1回のみ)
1回のラウンドで、各プレイヤーは手番を6回行います。
各プレイヤーは1ラウンドに1回だけ「場のカードを5枚獲得する」ことができます。一度このアクションを行ったら、そのラウンドが終わるまで「手札1枚を場に出す」のアクションを行わなければなりません。
早い段階でカードを獲得すると、その後はカードを出すだけになります
①手札1枚を出す
手札からカードを1枚選び、列の最後尾に置きます。
最初の手番では、場に2枚のカードが置かれているので、その最後尾にカードを置きます。これで列が3枚になりました。
次のプレイヤーも「手札1枚を出す」のアクションをすると、列が4枚になります。
このように、場のカードの列が5枚、6枚と伸びていきます。
②場のカードを5枚獲得する
もう一つのアクション「場のカードを5枚獲得する」では、列の最後尾から5枚のカードを獲得して、自分の手元に表向きで配置します。(種類別に分けて置く)
最後尾から5枚獲得
種類別にして手元に置く
列のカードが5枚以下の場合は、それらのカードを全て獲得します。
③ラウンドの終了
各プレイヤーが手番を6回行ったら、ラウンド終了です。(この時点で手札が0枚になっている)
各プレイヤーは山札から5枚ずつカードを引いて新しい手札を作り、次のラウンドを始めます。
次のラウンドではスタートプレイヤーを交代します。(トークンを裏返して相手に渡す)
これを最大4ラウンドまで行います。
④ゲームの終了
以下のどちらかになったら、ゲーム終了です。
- 4ラウンド終了する
- 一方のプレイヤーがシティカードを3枚獲得する
4ラウンドプレイしたら、ゲーム終了です。(この時点で山札がなくなっている)
また、どちらかのプレイヤーがシティカードを3枚獲得したら、その時点でシティカードを集めた人の勝ちとなります。
⑤得点計算
獲得したカードから得点を計算します。
各支援者カード(5・6・7・8)は、その数字のカードをより多く持っているプレイヤーに数字分の勝利点が入ります。(枚数が同じ場合はどちらもにも勝利点が入らない)
各数字を多く持っている方にその数字の点数が入る
また、先ほどの得点とは別に、異なる4種類の支援者カード(5・6・7・8)1セットごとに5点を獲得します。
同盟カードと裏切りカードは、記載されている数字がプラスまたはマイナスされます。
また、シティカードからは勝利点を獲得できません。
勝利点を合計して、合計点が高い方の勝ちです。
最後に:実際に遊んだ感想
暗黒街の二人は、すごくシンプルなルールだけど、出すか取るかの選択がめちゃくちゃ悩ましいです。
カードを出すときは手札と場の状況を見て、「ここは相手に取ってほしいから、あえて良いカードを出して釣ろう」とか「これを取られると痛いから、マイナスのカードを出しておこう」と考えます。
特に悩むシーンは、手札が数枚残っている状況で、場の状況が良い時。「ここで先に取っちゃおうかな…いや、相手が先に取らせたがっているような気もする」「自分が取った後に、さらに良いカードを出して根こそぎ取るつもりかも」といった感じで、取るときは取る時で色々と悩まされます。
そして、緊張感が増すのは、相手がシティカードを1枚獲得した時。2枚目のシティカードを取られるとヤバイので、早めにカードを獲得するのが怖くなります。シティカードの獲得が相手に対して強い牽制になるので、この駆け引きも面白いです。
たったの10分で悩ましい選択とジリジリとした駆け引きを楽しめる傑作ボードゲームです。誰でも遊びやすいシンプルさなので、ボードゲーム初心者の2人で遊ぶゲームにもぴったりです。
暗黒街の二人の日本語版は、2024年4月27日~28日に開催されるゲームマーケット2024春で先行販売されます。
また、ボードゲームアリーナでも遊べるので、気になる方はまずこちらで遊んでみましょう。
関連記事