宝石の煌きデュエルのルール&レビュー
人気ボードゲーム『宝石の煌き』の2人専用ver『宝石の煌きデュエル』が発売しました。
最初は「2人用に若干チューニングされた感じで、そこまで変わらないかな」と思っていましたが、予想以上に新要素がプラスされていました。宝石の煌めきは今でもたまに妻と遊ぶゲームですが、2人で遊ぶなら絶対にデュエルの方が面白いです!
今回は宝石の煌きデュエル(スプレンダーデュエル)のルール&レビューを徹底紹介します。
▽宝石の煌きデュエル(Splendor Duel)
ゲーム名 | 宝石の煌き:デュエル 日本語版 |
プレイ人数 | 2人 |
プレイ時間 | 30分 |
対象年齢 | 10歳~ |
発売時期 | 2022年11月 |
デザイナー | Marc André Bruno Cathala |
版元 | SPACE Cowboys |
日本語版販売 | ホビージャパン |
価格 | 3,960円(税込) |
関連ページ | ・ホビージャパン公式ページ ・Board Game Geek |
▼2人用ボードゲームのおすすめ
宝石の煌きデュエルはどんなゲーム?
宝石の煌きデュエルは、人気ボードゲーム『宝石の煌き』に新要素が加わって、2人用として絶妙なバランスに生まれ変わったボードゲームです。人気の2人用ボードゲーム『世界の七不思議デュエル』のブルーノ・カタラ氏がゲームデザインしています。
オリジナル版と同じく、手番では「宝石の獲得・カードの購入・カードの予約」を行いますが、大きく違うのは“宝石の取り方”で、宝石トークンが5×5のボード上に配置され、縦・横・斜めで一直線に繋がった宝石3個を取るようになりました。
また、勝利条件が3つになり、相手の狙いや場の状況に応じて、柔軟に対応しなければならないので、悩ましさもアップしています。さらに、新要素の「特権の巻物」や「カードの特殊効果」も加わって、オリジナル版よりもはるかにインタラクションが強くなっています。
ゲーム後半にかけて購買力がグングン上がる気持ちよさはそのままに、より戦略的でより攻撃的に進化しているので、2人でバチバチにやり合いたいという方におすすめです!
オリジナル版については『宝石の煌めきのルール&レビュー』の記事で詳しく解説しています。
宝石の煌きデュエルの『内容物』
宝石の煌きデュエルの内容物がこちら。
《内容物》
勝利タイル1枚 / 宝石カード67枚 / 袋1枚 / 特権の巻物3つ / 宝石トークン25個 / ボード1枚 / 王侯カード4枚
新しい要素として、トークンにピンク色の真珠が追加されました。
真珠は2個しかないので、ゲーム中は取り合いになります。
宝石の煌きデュエルの『ゲーム準備』
まずは、宝石の煌きデュエル(スプレンダーデュエル)のゲーム準備からです。
宝石カードの山札をレベル別に分けて、レベル3は3枚、レベル2は4枚、レベル1は5枚のカードを公開します。(カード裏面の●の数がレベル)
また、王侯カード4枚も並べておきます。(王侯カードは毎回同じ4枚)
袋からランダムに取り出した宝石トークンを、ボードの中央から渦巻き順(ボードの矢印の順)に配置します。
宝石の入った袋とボード
ボードの中央から渦巻状に並べる
先手プレイヤーを決めたら、後手プレイヤーは3つある特権の巻物の1つを獲得して、手元に置きます。
オリジナル版は先手有利でしたが、これのおかげで先手有利が緩和しています。
宝石の煌きデュエルの『ルール』
ここからは、宝石の煌きデュエルのルール・遊び方を紹介します。
①ゲームの目的
宝石の煌きデュエルでは、3つの勝利条件のうち1つを達成したプレイヤーの勝利です。
勝利タイルに描かれた3つの条件
- ①威信ポイントが20点以上
- ②王冠が10個以上
- ③同色カードの威信ポイントが10点以上
スプレンダーでは勝利条件が1つでしたが、デュエルでは3通りの勝ち方ができるようになりました!
②手番でできること
手番では、以下の3つのアクションのうちの1つを実行します。
- 宝石トークンの獲得
- カードの予約
- カードの購入
このアクションの前に実行できる「任意アクション」については、後で紹介します。
③-1. 宝石トークンの獲得
宝石トークンはボード上から獲得します。
獲得できるトークンは、縦・横・斜めで一直線に繋がっている宝石トークン3個まで。繋がっていれば2個だけでもいいですし、1個でもOKです。
ちなみに、このアクションでは黄金トークンは獲得できません。(黄金はお邪魔ブロックのような感じ)
また、「同色を3個獲得」「真珠を2個獲得」した場合、相手プレイヤーは「特権の巻物」を1つ獲得します。
一度に同色3個や真珠2個が手に入るのはラッキーすぎるので、運の良さを緩和するための措置ですね。
③-2. カードの予約
カードの予約アクションでは、ボード上の黄金トークンを1個獲得して、場の宝石カード1枚を確保します。
また、予約できるのは、公開されているカードだけでなく、山札の一番上のカードでもOKです。
予約したカードは裏向きで手元に置きます。手元に確保できる枚数は3枚までです。
場のカードが予約されたら、空いたスペースにカードを補充します。
黄金トークンはどのトークンの代わりにもなるオールマイティトークンです。2個しかない真珠の代わりにもなるので、オリジナル版よりも予約の価値が高くなっています。
③-3. カードの購入
カードの購入アクションでは、場のカードか予約したカードを購入できます。
カードの左下に書いてあるのがコストで、手持ちの宝石トークンでコストを支払ったら、購入完了です。黄金トークンは任意の色のトークンとして支払うことができます。
例えば、下のカードなら「白2枚・黒2枚・赤2枚・ピンク(真珠)1枚」のコストを支払えば、購入できます。
購入したカードは、自分の手元に表向きで置きます。支払った宝石トークンは袋に戻し、場に空きスペースができたら山札から補充します。
カードの左上の数字は威信ポイント(=点数)で、右上はボーナスです。
ボーナスは、今後のカード購入時のコストを減らしてくれます。例えば、ボーナスが青色の宝石1個だったら、今後のすべてのカード購入で支払う青色トークンが1個少なくなります。
下の画像のように、ボーナスが複数個あれば、何も支払わずにカードを手に入れることもできます。
ただ、ピンク色の真珠トークンはボーナスでは手に入りません。2枚しかないので、真珠は取り合いになります!
④ターンの終了
3つのアクションのうちどれか1つを実行したら、自分のターン終了です。
ターン終了時にトークンを10個以上持っていたら、10個を超える分は袋に戻さなければなりません。
⑤2つの任意アクション
通常のアクション(宝石獲得 or カード予約 or カード購入)の前に、任意でできるアクションが2つあります。
特権の巻物を使う
特権の巻物を1個使うことで、ボードにあるトークン(黄金以外)を1個獲得できます。
特権の巻物はいくつでも使用可能です。使い終わったら、場に戻します。
ボード上の宝石補充
もう一つの任意アクションは、ボード上の宝石補充です。
ボードの空いているスペースに、中央から渦巻き順で、袋の中のトークンがなくなるまで置いていきます。
補充を実行したプレイヤーはその後の通常アクションですぐに宝石を獲得できますが、その一方で、相手プレイヤーは特権の巻物を1個獲得します。(巻物が場にない時は相手から奪う)
補充すると相手が巻物を手に入れるので、補充はなるべく自分ではやらずに相手プレイヤーにやらせたいアクションです。
⑥カードの即時効果
カードには、購入後すぐに効果が発揮される即時効果が付いているものがあります。
即時効果は以下の5種類。
画像 | 効果 |
ターン終了後、さらにもう1ターンできる。 | |
特権の巻物を1つ獲得。 (ない場合は相手から取る) | |
カードの色と同じトークンをボードから1個獲得する。 (ない場合は無効) | |
相手からトークンを1個奪う。 (黄金はダメ) | |
このカードを任意の購入済みカードの上に置く。このカードのボーナスは、重なっているカードと同色とみなす。 |
⑦王冠で王侯カードが貰える
カードには王冠マークが付いているものもあります。
プレイヤーは、3つ目の王冠・6つ目の王冠を獲得した時に、場にある王侯カード1枚を獲得できます。(アクションではない)
王侯カードは全部で4枚あり、早いもの勝ちです。
王侯カードにも、威信ポイント(点数)や即時効果が付いています。
⑧ゲームの終了
3つの勝利条件のうちの1つを達成できたプレイヤーの勝利です。
- 威信ポイントが20点以上
- 王冠が10個以上
- 同色カードの威信ポイントが10点以上
▽宝石の煌きデュエル
スプレンダーデュエルの『レビュー』
まず宝石の煌きデュエルの印象をざっくり言うと、オリジナル版よりもより悩ましく、より狡猾さが増した凶悪バージョンです。良い意味で、いじわる要素がアップした攻撃的なゲームへと進化しています。
ここからは、宝石の煌きデュエルの特徴やオリジナル版との違いを詳しくレビューします。
3つの勝ち方があって、より悩ましい!
オリジナル版との大きな違いは、勝利条件が3つに増えたこと。
オリジナル版では15点取ったら勝ちでしたが、宝石の煌きデュエルでは「20点取る」「同色で10点取る」「王冠を10個取る」のどれかを達成すれば勝ち。
ただ、この3つの条件はある程度被っているので、相手の狙いや場のカードやトークンなどの流動性に合わせて、自分の計画を変えていかなければならないのが、悩ましくも面白いところです。
1つの勝利条件に固執して対応が遅れると、致命的な差になってそのまま負けることも…。どちらが先に最適な勝ち筋を見抜けるかといったプレイ感が良かったです。
オリジナル版よりも禍々しい!
また、カード効果やトークンの取り合いや補充要素など、オリジナル版よりもはるかにインタラクションが強いです。
宝石の煌きデュエル、真珠の取り合い・相手からトークンを奪う効果・相手に補充させたいという我慢比べ要素など、オリジナル版よりもはるかにインタラクション強い。
— はとまめ@ぼくとボドゲ (@boku_bodo) December 9, 2022
この禍々しさがいい感じ!
まず、デュエルならではの火種となるのが、ピンク色の真珠トークンです。魅力的なカードのほとんどにコストとして真珠が要求されますが、真珠は2個しかない上にボーナスにもないので、マジで取り合いになります。とにかく真珠不足に悩まされるので、僕はボードにあったら即確保していました。
とはいえ、真珠はオールマイティの黄金トークンで代用できるので、真珠のせいでゲームが停滞することはありません(真珠の存在で黄金の価値が上がり、オリジナル版よりも予約の重要性が増しています)。自分が遊んだ時は、この真珠と黄金の取り合いでバチバチでした。
また、トークン補充をすると相手に特権の巻物が渡ってしまうというルールも良い味を出しています。どちらも相手に補充させたいので、我慢比べのようなチキンレースのような感じになります。
さらに、宝石の煌きデュエルの禍々しさを表しているのが「相手からトークンを奪う効果」です。このカード効果で貴重な真珠を奪われたときは、かなりグツグツさせられました。笑
複雑化しているけど、その分の神調整!
微妙な点を挙げるとすると、オリジナル版の宝石の煌きと比べるとかなり複雑化している点。
普段ボードゲームを遊ばないカップルが「2人で遊べるボードゲームを買ってみよう」といった感じで手に取ると、細かなルールが多くて面食らうと思います。
とはいえ、ボードゲームをよく遊ぶ2人なら全然大丈夫なレベルです。
他の有名な2人用ボードゲームと比べると、バトルラインやパッチワークよりも明らかに複雑で、世界の七不思議デュエルよりは簡単です。特に宝石の煌きを遊んだことがある人なら、ベース部分は同じなので、わりとすんなり遊べます。
細かなルールが多い分、2人用ゲームとしてのバランスは神調整だと思います。実際に遊んでいると、先手有利にならないような後手への配慮、一方の運が良かった場合のもう一方への配慮など、色んな部分にバランスを保つための心配りが感じられてとても好印象でした。
シンプルな宝石の煌きも大好きですが、2人で遊ぶなら明確に改善されている宝石の煌きデュエルの方が断然好みです!
まとめ:宝石の煌きデュエルの個人的評価
最後に、宝石の煌きデュエルの個人的評価と良かった点/微妙だった点をまとめました。
ボードゲーム評価
おすすめ度 | (5.0) |
簡単さ | (3.0) |
盛り上がり度 | (1.5) |
考える要素 | (5.0) |
運要素 | (3.0) |
良かった点 | 微妙だった点 |
---|---|
2人でバチバチできるインタラクションの強さ 状況に合わせた勝ち筋の選択が悩ましくも面白い 先手有利・運の良さを緩和するための配慮 30分で終わるちょうどいいプレイ時間 箱がコンパクト | ボードゲーム初心者にはやや複雑 オリジナル版よりも運要素アップ(ボード上のトークンのランダム性) |
以上が、宝石の煌きデュエルのルール&レビューでした。
これまで色んな2人用ボードゲームを遊んできましたが、個人的には2人用ゲームとしてはトップクラスの面白さでした。ルールが複雑化しているのでボードゲーム入門としては不向きですが、バチバチしたゲームを楽しみたい2人にはおすすめです!
これからは、オリジナル版はボードゲーム仲間やボードゲーム初心者と遊ぶ時のゲームとして、宝石の煌きデュエルは妻と2人で遊ぶ用になりそうです。
また、面白い2人用ボードゲームなら、別記事の『カップル・夫婦でも楽しめる!2人用ボードゲームのおすすめ』で詳しく紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
▽宝石の煌きデュエル(Splendor Duel)
宝石の煌きデュエルに合う『スリーブ』
宝石の煌めきデュエルのカードサイズは44×67㎜です。
ゆったりしたサイズ感なら、『ホビーベース ミニユーロサイズ・ハード(47×71㎜・100枚)』がおすすめです。ハードスリーブなので、スリーブ強度が高くて、シャッフルもしやすいです。
カード枚数は71枚なので、1袋あればOKです。
また、ぴったりのサイズ感なら『ぴったりスリーブ ミニユーロサイズ・透明厚口タイプ(45×68㎜・100枚)』があります。下の写真の通り、隙間のないジャストサイズです。
このスリーブも1袋あればOKです。
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