コーヒーロースター 欧州版を徹底紹介!珈琲を良い感じに焙煎するゲーム
コーヒーロースター(Coffee Roaster)は、プレイヤーが焙煎士となって、コーヒー豆を焙煎して理想的なコーヒーを作ることを目指す1人用ボードゲームです。
オリジナル版はゲームマーケット2015秋でSaashi&Saashiから発表された作品です。その後、2019年にドイツの出版社から欧州エディションが発売され、それを日本に逆輸入したものが『コーヒーロースター 欧州エディション(日本語版)』となります。
今回は、1人でまったりとコーヒー焙煎ができるボードゲーム『コーヒーロースター 欧州エディション』のルール&レビューを紹介します。
▼コーヒーロースター 欧州エディション
商品名 | コーヒーロースター |
---|---|
プレイ人数 | 1人用 |
プレイ時間 | 10~30分 |
対象年齢 | 12歳~ |
ジャンル | バッグビルディング |
発売時期 | 2015年 |
デザイナー | Saashi |
販売元 | Saashi&Saashi |
▽1人用のおすすめボードゲーム
コーヒーロースターはどんなボードゲーム?
焙煎士になって、理想的なコーヒーを作るゲーム
コーヒーロースターは、プレイヤーが焙煎士となってコーヒー豆を焙煎して、理想的なコーヒーを作ることを目指す1人用ボードゲームです。
ゲームシステムは「バッグビルディング」で、袋の中に入っている豆チップを入れ替えたり、取り除いたりしながら、袋内のコーヒー豆の焙煎具合をコントロールしていきます。
袋内の豆の焙煎具合がちょうどいいと思ったタイミングで焙煎を止めて、最後にカップテスト(コーヒーの味覚検査)をします。袋から10枚のチップを取り出して、今回焙煎したコーヒー豆を評価します。
コーヒー豆1種類の焙煎を3回行い、3ゲームの合計点でハイスコアを目指すゲームです。
『欧州エディション』は逆輸入版!
コーヒーロースターのオリジナル版はゲームマーケット2015秋でSaashi&Saashiから発表された作品です。2019年10月にドイツのdlp games社から欧州エディションが発売され、それを日本に逆輸入したものが『コーヒーロースター 欧州エディション(日本語版)』です。
オリジナル版と欧州エディションの大きな違いは「アートワーク」です。パッケージからコンポーネントまでデザインがガラっと変わっています。
欧州版のルールについては細かな調整が入っているもののプレイ感が変わるような大きな違いはないので、オリジナル版と同様のゲームを楽しむことができます。
※欧州版発売の詳しい経緯などは、ゲームデザイナーのSaashiさんのnoteに公開されています。
▼コーヒーロースター(オリジナル版)
コーヒーロースターの『内容物』
『コーヒーロースター 欧州エディション』の内容物がこちら。
※「布製の袋」の写真撮り忘れ
<内容物>
焙煎ボード / カップテストボード / 温度計ボード / ビーンズシート / サマリーシート / 焙煎記録表 / ラウンドマーカー / 焙煎マーカー / 豆チップ103枚 / フレーバーチップ16枚 / 特殊効果チップ5枚 / 布製の袋
コーヒーロースターの『ゲーム準備』
まずは、コーヒーロースター(Coffee Roaster)のゲーム準備からです。
ボードのセッティング
下の写真のように、ボード3枚をくっつけて、チップ類・マーカーなどをセッティングします。
コーヒー豆を選ぶ
次に、コーヒー豆の情報が載っている「ビーンズシート」を1枚を選びます。
ビーンズシートは全部で22種類
豆(ビーンズシート)の種類によって、「初期チップ」や「目標となる焙煎度」などが異なります。
1ゲームにつき1枚のビーンズシートを使って、計3ゲームプレイします。
「コーヒー豆の成分」を袋に入れる
ビーンズシートを選んだら、シートの中央に表記されている『コーヒー豆の成分(袋の中身)』を確認します。
上のビーンズシートには「27枚のチップ」が表記されており、これが「袋に入れる初期チップ」になります。
指定されている「豆チップ・水分チップ・フレーバーチップ」などを袋に入れます。
最後に、「ラウンドマーカー」を温度計ボードに置きます。(置く位置は水分チップの数で決まる)
これで、コーヒーロースターのゲーム準備完了です。
コーヒーロースターの『ルール』
ここからは、『コーヒーロースター 欧州エディション』のルール・遊び方を紹介します。
前半は「焙煎」、後半は「カップテスト」
コーヒーロースターは、「焙煎フェイズ」「カップテストフェイズ」という2つのフェイズに分かれています。
前半の「焙煎フェイズ」では、水分や焦げ豆を取り除いたり、コーヒー豆の焙煎を進めていきます。ちょうどいい具合に焙煎ができたと思ったら「カップテストフェイズ」に進み、袋からチップを取り出してコーヒーの出来を評価します。
①温度を上げる
焙煎フェイズの最初に、温度計ボードのラウンドマーカーを右隣へ1マス分動かします。(第1ラウンドだけはラウンドマーカーを動かしません)
ラウンドマーカーの下の数字は、そのラウンドに「袋から引くチップの枚数」を示しています。上の画像の場合は、ラウンドマーカーの下の数字が「8」なので、チップを8枚引くということです。
②袋からチップを引く
「袋から引くチップの枚数」を確認したら、袋からランダムにチップを引いて手元におきます。
例)温度計が8を示していたので、袋からチップを8枚引く
引いたチップの中に「水分チップ」があれば、ゲームから除外します。(水分が蒸発)
③フレーバーチップの効果を使う
引いたチップの中に「フレーバーチップ」があれば、その効果を使うことができます。
フレーバーチップは「コク(赤)・香り(青)・酸味(緑)」の3種類があります。
フレーバーチップはシートの左側に置くと「即時効果」を発揮し、右側に置くと「フレーバー効果」を発揮します。
フレーバーチップの効果は「追加でチップを2枚引く」「特定のチップを除外する」「2枚のチップを1枚に合体させる」など様々です。
フレーバーチップを使わない場合は、ラウンド終了時に袋の中に戻します。
④豆チップの焙煎度を上げる
次に、手元にある全ての「豆チップ」の焙煎度を1ランクずつアップさせます。
手元にある「豆チップ」と「焙煎度が1上昇した豆チップ」を全て入れ替えます。
焙煎度は4が最大ですが、焙煎度4の豆チップを焙煎してしまうと「焦げ豆」となってしまうので注意しましょう。
温度が高くなると、焙煎度が一気に2ランクアップすることがあります。
⑤手元にあるチップを袋に戻す
「焙煎した豆チップ」「使っていないフレーバーチップ」など、手元に残っているチップをすべて袋に戻します。
これで1ラウンド終了です。
⑥焙煎を続けるか、カップテストに進むか
ここで「さらに焙煎を続けるか」「カップテストに進むか」を選択します。
焙煎フェイズを続ける場合は、再度①~⑤を繰り返します。カップテストフェイズに進む場合は、袋からチップを引いてコーヒー豆の出来を評価します。
⑦カップテストフェイズ
カップテストとは、焙煎したコーヒーの味を確認する工程です。
袋からチップをランダムに1枚ずつ引いて、カップボードに置いていきます。
得点の対象となるのはカップボード上のチップだけです。
カップボードに置きたくないチップは「紙皿」の上によけることができます。(初期状態では紙皿の上に置けるのは3つまで)
初期状態では、紙皿の上に置けるチップは3個までです。(特殊効果チップを手に入れることで紙皿を増やすことができます)
カップボード上の10マスにチップを配置したらゲーム終了です。
得点計算
まずは、カップボードにある豆チップの焙煎度を合計します。
上の場合は、豆チップの数字を足すと、合計焙煎度は「15」になります。
そして、ビーンズシートの「ローストポイント表」で、合計焙煎度によって得られるローストポイントを確認します。下のビーンズシートでは、合計焙煎度が「15」ならローストポイントは「7点」となります。
ちなみに、上のコーヒー豆で最も高得点になる合計焙煎度は「14」で、10点獲得できます。焙煎が足りなくても、焙煎が進みすぎても点数は下がってしまうので、ちょうどいい具合の焙煎度を目指しましょう。
また、「フレーバーチップ」や「同じ焙煎度の豆の数」によって、ボーナスポイントが加算されます。
一方で、「焦げ豆・欠点豆・煙」チップなどがカップボードにあれば、マイナス点となってしまいます。
これらの点数を足して、合計得点を計算します。
3ゲームの合計得点で、より高い階級を目指す!
第1ゲームが終わったら、次のゲームに進み、新しいビーンズシートを選びます。
3ゲームが終わったら、合計得点から自分の焙煎士としての階級が分かります。
最高ランクの「焙煎マイスター」を目指して、ハイスコアを目指しましょう!
▼コーヒーロースター 欧州エディション
コーヒーロースターの『アプリ』
コーヒーロースター(Coffee Roaster)欧州エディションには『アプリ版』もあります。
対応言語が「英語・ドイツ語」のみですが、直観的に操作できるのでコーヒーロースターを遊んだことがある人ならすぐに遊べます。
アプリ版で良かったのが「いつでも袋の中に入っているチップを全て確認できる」ところです。ボードゲーム版では「どのチップが何枚入っているか」というカウンティングが重要なので、最初はこのシステムがズルのようにも感じましたが…袋の中身をなんとなくで把握していた自分にとってはすごく遊びやすかったです!
ちなみに、日本語版のアプリも後日リリースされるようです。
▼コーヒーロースターのアプリはこちら。
⇒App Storeからダウンロード
⇒Google Playからダウンロード
コーヒーロースターの『レビュー』
最後は、『コーヒーロースター 欧州エディション』のボードゲームレビューです。
コーヒーが好きで1日に何杯も飲む自分からすると、魅力的なテーマとそのテーマにぴったりのゲームシステムが組み合わさった大好きなボードゲームです!
引き運に負けないように袋の中身を構築するゲーム
最終的な得点は袋からランダムに引いたチップで決まるので、運の影響はかなり大きいです。
ただ、「邪魔なチップを袋から除外する」「豆の焙煎度を調整する」などして、袋内のチップ状況をコントロールすることで引き運に負けないようにしていきます。プレイ感は「デッキ構築ゲーム」に近くて、デッキ(袋のチップ状況)を圧縮してより強い構成に変えていくという気持ちよさがあります。
また、「焙煎の止め時の判断」もとても重要です。「もう少しだけ焙煎が足りてない気がするけど、やったら焙煎が進みすぎるかも…」というように、もう1回焙煎するかしないかでかなり悩まされます。終盤の焙煎1回はチップの状況を大きく変えるので、しっかりとした見極めが必要です。
このように、様々な手段や状況判断により、運の影響をできる限り薄めていきます。とは言っても、豆チップが全然出てこずにひどい点数になることもしばしば…そのため、戦略と引き運がガッチリ噛み合った時に高得点が出せるゲームだと思います。
チップの仕分けができるボックスで遊びやすい!
最初ルールを読んだ時は、「チップが多くて大変そう…」と思いましたが、実際に遊んでみると見た目以上に遊びやすかったです。
というのは、外箱に「仕切り」があり、チップが仕分けられるようになっているからです。このおかげでチップの取り出しや入れ替えがとてもスムーズで、ストレスなく遊べます。最初見た時は「箱が大きい!」と思いましたが、このチップの扱いやすさなら納得です!
前半は何もしないことが多い
個人的には、テーマもシステムもめちゃくちゃ好きなゲームですが、あえて気になる部分をあげると「前半は何もしない」ことが多いところ。
自分が遊ぶと、序盤はフレーバーチップを使わずに「袋から出して焙煎度だけ上げてまた袋に戻す」ということが続くので、機械的なチップの出し入れになりがちです。プレイヤーの選択や判断はゲーム後半に集中します。どうしても序盤が機械的な作業に感じてしまうので、もう少し前半にも選択しやすいアクションがあるといいのかなと思いました。
まとめ:夜中にまったりと遊びたい1人用ゲーム
全体の印象は、まったりとしたプレイ感です。勝ち負け(成功・失敗)のないゲームなので、ヒリヒリした緊張感や負けた時の悔しさからくる中毒性はありませんが、落ち着いてゆったりと気持ちよく遊べるゲームです。まさに、珈琲を飲みながらまったりプレイするのにぴったりなゲームだと思います!
リプレイ性については、基本的に同じことの繰り返しですが、毎回ビーンズシートが変わって「初期チップの種類」や「目標の焙煎度」がかなり変わるので、焙煎の調整感はその都度変わります。
また、写真では伝わりにくいですが、ボードのお洒落さ以外にも、チップがとても上質です。しっかりとした厚みがあってとても硬いので、持っただけで品質の良さが分かります。このコンポーネントの高級感も大人な雰囲気のテーマとマッチしています。
以上が、『コーヒーロースター 欧州エディション』のルール&レビューでした。
個人的には白黒ハッキリするソロゲームの方が好きでしたが、コーヒーロースターはテーマとシステムが特に気に入っているので、ついつい夜中にじっくり遊びたくなる大好きなボードゲームです。コーヒー好きの方、まったり遊べる1人用ゲームが好きな方はぜひ遊んでみてください!
▼コーヒーロースター 欧州エディション
▼コーヒーロースター(オリジナル版)
また、コーヒーロースターのほかにも面白い1人用ボードゲームはたくさんあります。詳しくは『1人で遊べるおすすめボードゲーム』で紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。