カタンジュニアのルール&レビュー|ファミリーゲームの新定番
カタンの子供向けバージョン『カタンジュニア』の日本語版が発売されたので、早速遊んでみました!
カタンというと、ゲーム準備が少し手間だったり、子供にはちょっと難しい要素があったりするので、ジュニア版でどのように作り変えられているのか気になっていました。
そこで今回は、カタンジュニアのルール&レビューを徹底紹介します。
スタンダード版との違いや良い点・微妙に感じた点も書いているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ゲーム名 | カタン ジュニア |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 30分 |
対象年齢 | 6歳~ |
発売時期 | 2023年10月 |
デザイナー | Klaus Teuber |
出版社 | GP |
価格 | 5,390円(税込) |
関連ページ | BoardGameGeek |
気になるところまで飛ぶ
カタンジュニアはどんなゲーム?
カタンジュニアのゲーム内容、スタンダード版との違いを簡単に紹介します。
子供目線で再設計されたカタン
カタンジュニアは、世界的に有名なボードゲーム『カタン』の子供向けverです。
プレイヤーはサイコロを振り、出た目の土地から木材・パイナップル・羊毛などの資源を集めます。これらの資源を使って、船や海賊キャンプを建てていきます。先に海賊キャンプを7個作った人の勝ちです。
ジュニア版の良い点は、子供にとって複雑そうな部分がうまく簡易化されているところ。建設ルールや資源交換がシンプルになっていて、小学生低学年でもスムーズに遊べるように工夫されています。
実際、我が家の子供たち(6歳双子)は手番を2巡ぐらいしたらほとんど理解して遊べていました。大人でも短時間でカタンを遊んだような満足感を感じられるので、親子で遊ぶのが目的なら間違いなくおすすめできるボードゲームです。
スタンダード版との違い
ボードゲーマーならカタンスタンダード版との違いが気になると思うので、ジュニア版とスタンダード版の違いを以下にまとめました。
カタン ジュニア | カタン スタンダード | |
対象年齢 | 6歳~ | 8歳~ |
プレイ時間 | 30分 | 60分 |
テーマ | 海賊 | 開拓時代 |
建設物 | 海賊キャンプ 船 | 開拓地 都市 街道 |
土地タイル の並べ方 | 固定 | ランダム |
初期配置 | 固定 | プレイヤーが選ぶ |
ダイスの数 | 1個 | 2個 |
建設物の グレードアップ | なし | 開拓地⇒都市 |
交渉 | なし ※上級ルールであり | あり |
難易度的には、カタンジュニア版は子供やボードゲーム初心者向けで、カタンスタンダード版は成人・ボードゲーマー向けです。
カタンスタンダード版について詳しく知りたい方は『カタンスタンダード版のルール&レビュー』の記事もご覧ください。
カタン ジュニアの内容物
カタン ジュニアの内容物は以下の通り。
スクロールできます
《内容物》
ゲームボード / サイコロ1個 / 海賊キャンプ28個 / 船28個 / クロウ船長コマ(スタンド付き) / ココカード16枚 / 資源チップ90枚 / コスト表4枚
カタン ジュニアのゲーム準備
まずは、カタンジュニアのゲーム準備から紹介します。
最初に受け取るもの
各プレイヤーは自分の色を決めて、海賊キャンプ7個・船7個・コスト表を受け取ります。
さらに、初期資源として「木材」と「サーベル」のチップを1枚ずつ受け取ります。
初期配置
最初の建設地と最初の航路には色が付いています。
各色2か所ずつあるので、建設地に海賊キャンプを、航路には船を配置します。
残った海賊キャンプと船は自分の手元に残しておきます。
ゲームボード上の準備
クロウ船長コマをボード中央のお城に配置します。16枚のココカードをボード横に置きます。
ボード上の救命浮き輪5つに各種類の資源チップを1枚ずつ置きます。
カタン ジュニアのルール
カタン ジュニアのルール・遊び方を紹介します。
ゲームの目的
ゲームの目的は、自分の海賊キャンプ7個をボード上に配置することです。
準備段階でキャンプを2個配置しているので、手元にあるキャンプ5個の建設を目指します。
手番でできること
自分の手番でできることは、以下の2つです。
- サイコロを振って資源を獲得する
- アクションする(建設/ココカード/交換)
①サイコロを振って資源を獲得する
手番の最初にサイコロを振ります。
出目の土地から資源が貰える
出目と同じ数字の土地に自分の海賊キャンプがあるプレイヤーは全員、海賊キャンプ1個につきその土地の資源チップを1枚獲得できます。
例えば、出目が5の場合。
5の土地は「砂金川」と「牧場」があります。
下の画像では、5の砂金川に赤色の海賊キャンプが1個あります。
砂金川からはゴールドを入手できるので、赤プレイヤーはゴールドチップ1枚を貰えます。
また、5の牧場には黄色のキャンプが2個と紫のキャンプが1個あります。
牧場からは羊毛を入手できるので、黄色プレイヤーは羊毛チップ2枚、紫プレイヤーは羊毛チップ1枚を貰えます。
このように、貰えるのは出目の土地にキャンプがあるプレイヤーだけです。サイコロを振った人が資源を獲得できないこともあります。
6が出たらクロウ船長を移動させる
サイコロを振って「6」が出たら、クロウ船長を今いる土地から別の土地に移動させます。
クロウ船長を移動させたら、追い払ったご褒美として、クロウ船長の移動先の土地の資源を2枚獲得できます(共通ストックから貰う)。
クロウ船長は、その土地の資源を横取りするお邪魔キャラです。クロウ船長がいる土地では、海賊キャンプがあっても資源をとれなくなります。他プレイヤーのキャンプが多い土地を選べば、資源獲得をブロックできます。
クロウ船長の移動先を選ぶ時は、自分が欲しい資源の土地&他プレイヤーのキャンプが多い土地を狙います。
②アクションする
サイコロを振って資源獲得が終わったら、必要な資源を支払うことでアクションができます。
アクションの種類は「建設する・ココカードを引く・交換する」の3つです。資源を支払えれば、どの順番で何回やってもOKです。
A.建設する
海賊キャンプと船を建設できます。
海賊キャンプの建設コストは「木材+羊毛+パイナップル+サーベル」です。
船の建設コストは「木材+羊毛」です。
建設時には、以下のルールを守るようにします。
- 海賊キャンプは、自分の船の隣の建設地に建てられる
- 船は、自分のキャンプの隣の航路に建設できる
- 1か所の建設地にはキャンプを1つだけ、1か所の航路には船を1つだけ建設できる
6角形の土地の角が「建設地」、辺が「航路」です。
カタンジュニアの建設ルールでは、以下のように建設できます。
カタンスタンダードでは開拓地の隣に開拓地を置くのはNGでしたが、カタンジュニアでは簡易化されて可能になっています。
B.ココカードを引く
お助けキャラのオウム“ココ”に助けを求めることができます。
必要な資源は「パイナップル+サーベル+ゴールド」です。
資源を払ったら、山札からココカードを1枚引きます。
すぐにそのカードを公開して、その効果を実行します。効果は以下の3種類です。
効果 |
《資源を得る》 描かれた資源を共通ストックから獲得する。 |
《建設する》 海賊キャンプ1つ or 船1つを無料で建設する。 |
《クロウ船長を追い払う》 クロウ船長を他の土地に動かして、移動先の土地の資源2枚を貰う。 |
さらにボーナスとして、ココカードを1番たくさん持っているプレイヤーは、中央の城に自分の海賊キャンプを配置できます。
城からは資源が産出されませんが、海賊キャンプを1つ建設したことになるので、7つの海賊キャンプを早く建設できるようになります。
同じ枚数のココカードを持つプレイヤーが現れたら、城からキャンプを戻します。
C.交換する
資源交換の方法は、「1対1交換」と「2対1交換」の2つがあります。
1対1交換では、救命浮き輪から資源1枚を取り、自分の資源1枚を救命浮き輪の上に置きます。(救命浮き輪には常に5枚の資源がある状態になる)
この1対1交換は、1手番中に1回のみできます。
2対1交換では、自分の同じ種類の資源2枚を、共通ストックにある別の資源1枚と交換できます。
2対1交換は、1手番中に何回でもできます。
③ゲームの終了
誰かが自分の海賊キャンプ7個を全て建設したらゲーム終了し、そのプレイヤーの勝ちとなります。
カタン ジュニアのレビュー
カタンジュニアを6歳の子供たちと遊んでみて、良かった点・微妙に感じた点をレビューします。
良かった点
カタンジュニアを遊んで最初に感じたのは、ゲーム準備がめちゃくちゃ楽ということ。カタンスタンダード版を遊ぼうとすると、海フレームを繋いで、土地タイルと数字チップを並べて、開拓地と街道をどこに配置するか決めて…というようにかなり大変ですが、カタンジュニアではこれらのステップがありません。ボードに土地と数字と初期配置が描かれているのですぐに遊べます。この手軽さは、待つの苦手な我が家の子供たちにはとてもありがたい仕様でした。
カタンジュニアの一番の魅力は、子供にとって複雑そうな部分がうまく簡易化されているところ。サイコロ1個・建設ルールの簡易化(キャンプの隣にキャンプを置ける)・建設物のグレードアップなし・交渉なしなど、子供たちが混乱することなくスムーズに遊べるように工夫されています。
6歳の子供たちには実際にプレイしながらルールを説明しましたが、手番を2巡ぐらいしたらほとんど理解して遊べていました。救命浮き輪にある資源と1対1交換できるのも子供たちにとっては分かりやすく、交換できる資源が変わるたびに一喜一憂して楽しんでいました。
また、カタンジュニアでは大差で負けることがないのもGOODです。これは、通常のカタンに比べて必要な資源を手に入れやすくデザインされているからだと思います。特に、銀行で2対1交換できるので、「欲しい資源がまったく手に入らない」というフラストレーションをあまり感じません。何度遊んでもみんなが「あとちょっとで勝てたのに!」となるので、子供たちが大敗して気落ちするようなシチュエーションにならないのが良かったです。
微妙に感じた点
カタンジュニアを何回か遊んでみて気になったのは、ゲームのバリエーションが少なめで、同じような展開になりがちなこと。土地・数字・初期位置が固定されているため、何回か遊ぶとどうしてもキャンプや船を展開するパターンが似通ってきます。
この対策として、次のゲームからは別の位置からスタートするように、各プレイヤーの使用する色を変えるようにしました。また、子供たちがもっと慣れてきたら、カタンのようにキャンプや船の初期位置を自由に選べるようにしてみようと思います。
ただ、今触れた点はあくまで自分視点での話です。子供たちは何度プレイしようとも全然気にせずに楽しんでいました。カタンジュニアのターゲットは子供たちで、その点から見れば、カタンジュニアは子供と一緒に遊べる素晴らしいカタンです。
総評:カタン ジュニアの評価
最後に、カタン ジュニアの評価をまとめます。
- ゲーム準備が楽
- 子供向けにうまく簡略化されている
- 6歳でもすぐに理解して遊べる
- デザインやキャラクターが子供向け
- 大差がつきにくい
- 同じような展開になりやすい
- カタンをプレイしたことがある人には物足りない
カタンジュニアは、カタンスタンダード版と比べると単調に感じますが、そのシンプルさが子供たちにとっては遊びやすいポイントになっています。
親子で遊ぶのが目的なら、カタンジュニアは間違いなくおすすめできるボードゲームです。我が家の子供たちは3回連続でプレイした後も、楽しすぎたようで「もう1回!もう1回!」というハマりようでした。さすがに夕食の時間が遅くなってしまうので4ゲーム目は見送りましたが、このゲームはすでに我が家の休日の定番になっています。
一方、大人だけで遊ぶにはやや物足りなさを感じるかもしれませんが、カタンを遊ぶ前の入門版としてはぴったりだと思います。また、交渉要素が苦手な方にも向いています。
カタンかカタンジュニアのどちらを買うか迷っている方は、目的や遊ぶメンバーを考慮して選びましょう。
カタンスタンダード版について詳しく知りたい方は『カタンスタンダード版のルール&レビュー』の記事もご覧ください。
カタンジュニア
カタンスタンダード版
また、カタンジュニアの他にも子供向けボードゲームはたくさんあります。詳しくは『子供におすすめのボードゲームを年齢別に徹底紹介』の記事をご覧ください。