ネモの戦い~海底二万マイルを超えて~を徹底紹介
今回紹介するのは、海外でソロプレイゲームとして評価が高い『ネモの戦い~海底二万マイルを超えて~』です。
古典小説『海底二万里』をベースにしたボードゲームで、アークライトから2021年3月に日本語版が発売しました。1人用ルールだけでなく、「協力型」と「半協力型」のルールも収録されています。
▼ネモの戦い
▼ネモの戦いに合うスリーブ
商品名 | ネモの戦い~海底2万マイルを超えて~ |
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プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 90分 |
対象年齢 | 14歳~ |
発売時期 | 2017年 |
デザイナー | Chris Taylor |
版元 | Victory Point Games |
日本語版販売 | アークライト |
価格 | ¥8,800(税込) |
関連ページ | アークライトの公式ページ BoardGameGeek |
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ネモの戦いはどんなボードゲーム?
ネモ船長になって海を大冒険する1人用ボードゲーム
ネモの戦い~海底二万里を超えて~は、プレイヤーが潜水艦ノーチラス号のネモ船長となって、敵船とバトルしながら、様々な海域を冒険する1人用ボードゲームです。
イベント・アクション・バトルなどの様々な場面で、ダイスを複数個振って「成功・失敗」の判定を行います。リソースを使えば、ダイスの値をアップさせることができますが、失敗時のリスクも大きいので常に緊張感があります。
そして、このゲーム、難易度がめちゃくちゃ高いです!僕は、4回目のプレイでようやく「つまらない結末」に到達できました…成功への道のりはまだまだです。歯ごたえのあるソロプレイ用ボードゲームを探している方は、ぜひ挑戦してみてください。
ネモの戦いの歴史
ネモの戦いはもともと2009年にVictory Point Gamesから発売されていました。当時からソロゲームとしての評価は高かったようですが、見た目があまりパッとせず…
▼ネモの戦い 第一版
※引用:BoardGameGeek
そこで、2017年にイアン・オトゥール(Ian O’Toole)氏の美しいアートでデザインが一新された第二版が誕生しました。
これを機に広く認知されるようになり、世界最大のボードゲームサイトであるBoardGameGeekの賞の1つ「ゴールデンギークベストソロボードゲーム2017」にノミネートされました。
海外ではソロプレイゲームとして非常に評価が高いですが、ソロプレイ以外にも、2~4人で遊べる「協力型」と「半協力型」のルールも収録されています。
小説「海底二万里」がベースになっている
ネモの戦いは、ジュール・ヴェルヌの古典小説『海底二万里』の世界が舞台になっています。
海底二万里は、ネモ船長という謎の人物が極秘裏に建造した新鋭潜水艦「ノーチラス号」の冒険譚です。
その魅惑的な冒険譚のファンも多く、日本では様々な出版社から数多くの日本語訳が発売されています。また、アニメでも『不思議の海のナディア』(エヴァンゲリヲンの庵野監督の作品)は海底二万里を原案にしたとされています。このように、海底二万里は日本にも浸透している物語です。
もちろん、小説の登場人物である「アロナクス教授・使用人のコンセイユ・銛打ちのネッドランド」もゲーム中に登場します。
ネモの戦い~海底二万里を超えて~の『ルール』
まずは、ネモの戦い~海底二万里を超えて~のルール・遊び方を紹介します。
動機タイルを1つ選ぶ
まずは、ネモ船長の動機を「探検・科学・戦争・反帝国主義」の4つから選びます。
選んだ動機によって各勝利点の補正値が変わるので、選んだ動機が今回のプレイの方針となります。
例えば、「探検」なら財宝の勝利点が高くなったり、「戦争」なら軍艦を撃沈した時の勝利点が高くなったりします。
山札のカードを解決していく
手番の最初に、山札からカードを1枚めくって、それを解決します。
ダイスを振って「成功・失敗」を判定するカード、即時効果を発揮するカード、手元にキープして必要な時に使えるカードなどがあります。
敵船がどんどん増えていく
次に、複数のダイスを振ることで、出目に対応する海域に船の増援がやってきます。
例えば、ダイス2個を振って「3」と「5」が出たら、
「3の海域」と「5の海域」に未確認の船が追加されます。
序盤はダイス2個だけですが、ゲームが進むと「ダイス3個」「ダイス4個」と増えていくので、後半には船の数が急激に増えていきます。
APを使ってアクションを実行
AP(アクションポイント)を消費することで、8つのアクション(攻撃・冒険・移動・休息・探索・装備・修理・扇動)を実行できます。
上の画像は、APが「3」の状態です。
例えば、「攻撃」アクションならAPを1消費して、同じ海域にいる船に攻撃を仕掛けることができます。
2種類の攻撃方法(正面攻撃・潜伏攻撃)から選び、ランダムに船舶トークンを引いて、その船とバトルします。
2つのダイスを振った合計値が、敵船の防御力以上であれば敵船を撃沈できます。
撃沈した船は、撃沈エリアに置いて勝利点にすることができます。
また、撃沈エリアには置かずに、回収して装備(改造カード)の材料にすることもできます。
ダイスの値を補正する
ネモの戦いでは、ダイスの影響が絶大です。先ほどの攻撃アクションでもダイスを振りましたが、他のアクションでもダイスを振って「成功・失敗」を判定します。
この成功率を少しでも上げるために、リソースの「ネモ船長・乗員・船体」を賭けることで、ダイスの数値をアップさせることができます。
▼3つのリソース(ネモ・乗員・船体)
ただ、ダイスの判定に失敗すると、賭けていたリソースを失ってしまうというリスクもあります。
3種類のリソースのうちどれか1つでも尽きてしまったらゲームオーバーです。
悪名が高まると、敵船が強化されていく
軍艦や商船を撃沈していくことで、悪名の数値がどんどんと上がっていきます。
ネモ船長の悪名が高まると、新たな軍艦が参戦したり、敵船の攻撃力が強化されたりします。さらに、悪名が一定値を超えるとゲームオーバーになります。
アクションの「扇動」で悪名の数値を下げることができるので、これで数値をコントロールしなければなりません。
キャラクターを犠牲にする
6枚あるキャラクタータイルはゲーム終了時に生存していると勝利点になりますが、犠牲にすることで一時的に強力な効果を得ることができます。
「出目があと少しだけ足りない…」「アクションポイントがもっと欲しい!」といった緊急事態の時に使うかどうかの判断に迫られます。
装備でノーチラス号を強化できる
撃沈した船を素材にして、装備を購入することができます。
装備カードを手に入れると、ノーチラス号の移動力が強化されたり、攻撃力がアップしたりします。
山札からフィナーレカードがでたらゲーム終了
山札から「フィナーレカード」が出たらゲーム終了です。
ネモ船長の動機で補正した勝利点を合計して、最終得点を計算します。
最終得点がでたら、結末判定表で結果を確認します。
最後のレビューにも書きましたが、僕は4回目の挑戦でようやく「つまらない結末」にたどり着きました。難易度はめちゃくちゃハードです!
▼ネモの戦い
ネモの戦いの『協力ルール・半協力ルール』
ネモの戦いにはバリアントルールとして、多人数で遊べる「協力ルール」と「半協力ルール」があります。
協力ルールでは、ゲーム開始前に「士官カード(副長・主計官・戦術士官・当直士官)」を配って、各自の役職を決めます。
これはソロプレイで行うことを複数人で分担する感じです。この役職を担当しつつ、順番に船長として全体の指揮を執ります。
また、半協力ルールでは、上記のルールで協力しつつ、各自が得る栄光ポイントを競い合います。
ネモの戦いの『エラッタ情報』
ネモの戦いのイベントカード22番《アラビア・トンネル》にエラッタが確認されています。
▼アラビアトンネルの正しい表記
- 【誤】ノーチラス号を《インド洋》と《太平洋沿岸》の間で直接移動させ、これをPする。
- 【正】ノーチラス号を《インド洋》と《欧州海域》の間で直接移動させ、これをPする。
現在、アークライトで交換カードが用意されているので、下記のエラッタページから申請フォームにいって必要情報を入力すると正しいカードが送られてきます。
申請フォームの締め切りは「2021/11/1」なので、エラッタカードを持っている方は早めに申請しておきましょう!
ネモの戦いの『拡張パック』
ネモの戦い~海底二万里を超えて~には、いくつかの拡張パックがあります。
- 【1弾】Nautilus Upgrades Expansion
- 【2弾】Bold and Caring Expansion
- 【3弾】Dramatis Personae Expansion
- 【最終】Journey’s End Expansion
ネモの戦いをさらに楽しめるようになるアップグレードカードやトークンなどが含まれています。
今のところ、日本での発売予定はありません。
ネモの戦いの『ボードゲームレビュー』
最後に、ネモの戦い~海底二万里を超えて~のボードゲームレビューです。
ルールを覚えるのがちょっと大変
ネモの戦いは、まず細かなルールを覚えるのが結構大変です…正直、最初にルールブックを見た時には心が折れかけました…(笑)
1回目はルールを確認しながらプレイしていたら3時間近くかかって、途中で眠くなったので離脱…。2回目もルールブックを隣に置きながらプレイ、3回目からようやくたまにチラっと見る程度になりました。
細かい処理を覚えるまでが大変でしたが、それが頭に入った状態になると全体の流れはわりとシンプルに感じられるようになりました。
難易度はかなり高い!
ネモの戦いはルールだけでなく、難易度も超ハードです!
1回目は途中でやめてしまったので、2回目は「最後までいくぞ」と意気込んだものの、フィナーレを迎えることなくあっけなくゲームオーバー…。
「これ本当にクリアできるのか…」と弱気になって、3回目からは難易度をノーマル(士官級)からイージー(水兵級)に落としてチャレンジ。マップの初期状態や失敗時のペナルティなどが易しくなります。今度は無事フィナーレを迎えることができましたが、得点計算すると結果は大敗北…。
ただ、ここらへんで細かいルールが頭に入ってゲームに集中することができるようになったので、次こそは、と思っての4回目。序盤に、強力な装備の「蒸気式魚雷」「磁気機雷」をゲット。これで、魚雷攻撃と先制攻撃ができるようになったので、敵船をガンガン沈めていく方針に。ゲームの途中に1度だけネモ船長の動機を変える機会があるので、その時に「反帝国主義」に変更。悪名がガンガン増えていきましたが、ゲームオーバーの一歩手前でフィナーレを迎えました。点数は224点で、結果は「つまらない結末(220~249点)」。なんとか敗北にはならなかったものの、いまだ成功には届かず…噂に違わぬ難易度でした。
ダイス運の影響が強い
ネモの戦いは、ほとんどの結果がダイスで決まるので、予定していたアクションができないということが何度も起こります。
悪名を減らそうと思ったら失敗、乗員を休息させようと思ったら失敗、「さすがにこの合計値なら大丈夫でしょ!」と思って振ったらまさかの失敗…。ダイス運に何度泣かされたことか…ルールを無視して振り直してやろうかと何度も思いました…笑
こんな感じでダイス運の影響はかなり大きいので、悪い結果を回避するタイミングの判断や最悪の結果を織り込んだ上での立ち回りが重要に感じました。
また、ゲーム終盤のプレッシャーはなかなかのものです。というのは、後半から敵船の増援が増えるので一気にキツくなります。1つの海域に収まらず、溢れた分が周辺の海域にまでどんどん配置されていく様にはかなり焦らされます。
敵船を一掃して数を減らさないと…けどこれ以上悪名を上げたらヤバい…バトルばかりしていたら他のアクションができないし…そもそもアクションポイントがカツカツで…といった感じの絶望的な状況に。
色んな選択肢がある中で、少ないアクションポイントを何に使うかの判断も大事です。
【まとめ】ソロプレイヤー必見の高難易度ボードゲーム
以上が、1人で遊べるソロプレイ用ボードゲーム『ネモの戦い~海底二万里を超えて~』のルール&レビューでした。
ルールを覚えながらのプレイでは楽しさが全然分からなかったのですが、細かな処理が頭に入ってゲームに集中できるようになると一気に面白くなりました。ただ、面白さを感じる前に辞めてしまう人もいる気がするので、人を選ぶゲームではあると思います。(重量級ゲームが苦手なら手を出さないほうがいいと思います)
ネモの戦いはソロゲームらしいやりこみがいのある難易度が魅力なので、1人でじっくり遊べる高難易度ゲームを探している方はぜひ挑戦してみてください。
個人的には、準備や片づけが大変だったり、点数計算がちょっとややこしいので、ぜひアプリ化してほしいボードゲームです。
ネモの戦いのほかにも面白い1人用ボードゲームはたくさんあります。詳しくは『1人用ボードゲームのおすすめ』で紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
▼ネモの戦い
▼ネモの戦いに合うスリーブ
ネモの戦いのカードに合う『スリーブ』
ネモの戦いのカードサイズとカード枚数は「89㎜×63.5㎜・81枚」です。
このカードサイズには、『ホビーベース TCGサイズスリーブ・ハード』がおすすめです。50枚入りなので、2袋あれば全てのカードを収納できます。