【拡張3弾】ウイングスパン東洋の翼を徹底紹介!つがいモードでバチバチ感アップ
ウイングスパンのアジア版こと『ウイングスパン東洋の翼』が発売しました。
欧州の翼、大洋の翼ときて、次は我らが東洋の翼!
しかも今回は1~2人用の独立型拡張版なので、単体で遊べます。
今回の記事では、ウイングスパン東洋の翼の新ルール「つがいモード」「群鳥モード」&レビューを徹底紹介します。
後半のレビューで、ウイングスパン未所持で2人プレイメインの方には基本か東洋版のどちらがいいのかも紹介しています。
ゲーム名 | ウイングスパン東洋の翼 日本語版 |
プレイ人数 | 1~2人 (基本と合わせれば6~7人プレイ可) |
プレイ時間 | 40~70分 |
対象年齢 | 14歳~ |
発売時期 | 2023年1月 |
デザイナー | エリザベス・ハーグレーブ |
版元 | STONEMAIER |
日本語版販売 | アークライトゲームズ |
価格 | ¥5,940(税込) |
関連ページ | ・アークライトゲームズ公式 ・BoardGameGeek |
ウイングスパン拡張:東洋の翼の特徴
まずは、ウイングスパン東洋の翼の特徴がこちら。
- 1~2人で遊べる独立型拡張版
- アジアの鳥が主役
- 新ルール「つがいモード」の実装
- 6~7人で遊べる「群鳥モード」の実装
- 今回の卵は赤色
- コンポーネントは簡素化
今回のウイングスパンはシリーズ初の基本セットなしで遊べる独立型拡張版(1~2人用)です。基本セットや他の拡張版と混ぜて遊ぶこともできます。
一番の目玉の「つがいモード」「群鳥モード」は後ほど詳しく解説するので、まずはそれ以外の部分を紹介します。
今回の主役はタイトルの通り東洋の鳥たち、つまり日本に生息している鳥がたくさん登場します!
公園や動物園で見たことのある鳥たちもちらほら。鳥カードの情報(豆知識)は身近な鳥の方が断然楽しめます!カード枚数は全部で90枚です。
東洋の翼の鳥カードは、他の拡張で追加された「ラウンド終了時能力」や「ゲーム終了時能力」が全て入っています。
卵の色を見てみると、今回は赤色でした。
ちなみに、欧州の翼は紫色、大洋の翼は黄色。毎回違う色なので、何気に気にしてしまいます。
そして、大きく変わったのがコンポーネントで、かなり簡素化されていました。
餌箱型ダイスタワーは平らな餌トレイになりました。
カードトレイも平らな板状に。
写真映えしなくなりましたが、コンパクトになったので個人的にはこっちの方がいいです。
【新ルール】1~2人専用の「つがいモード」
ウイングスパン東洋の翼の一番の目玉である「つがいモード」を紹介します。
基本的な遊び方は今まで通りですが、それに加えて「つがい目的ボード」と「つがいトークン」を使います。
①ゲーム準備
ゲーム準備の段階で「目的ボード」の代わりに、専用の「つがい目的ボード」をセットして、「つがい目的タイル」をランダムに4枚配置します。(1~4ラウンド終了時のボーナス獲得条件)
つがい目的ボード
つがい目的タイルを4枚セットする
今回の目的タイルは、全て「つがい目的ボードへの配置状況」が得点状況になっています。ちなみに、東洋の翼では1位だけ得点できて、2位だと0点になりました。
さらに、個人ボードの全てのマスに「つがいトークン」を1個ずつ配置します。
つがいトークン
1色選んで、全てのマスに配置
②鳥カードを置いたら、つがいトークンを取る
ボードに鳥カードを配置したら、そのマスに置いてあった「つがいトークン」を取ります。
③つがいトークンを目的ボードに配置する
そして、つがいトークンをつがい目的ボードに配置しますが、その前につがい目的ボードについて説明します。
つがい目的ボードも「森林(緑)・草原(黄色)・湿地(青色)」に分かれています。
つがいトークンを配置できるのは、鳥カードを配置したエリアと同じエリア。つまり、森林に鳥を配置したなら森林に、草原に鳥を配置したなら草原に、湿地に鳥を配置したなら湿地に「つがいトークン」を置けます。
各マスのアイコンは、配置条件を表しています。
餌アイコンなら鳥カードを出す時にその餌を支払っていること、巣アイコンなら配置した鳥がその巣アイコンを持っていることが配置条件です。
例えば、鳥カードを草原に配置した時に無脊椎動物を払っていれば、草原の無脊椎動物アイコンのマスにトークンを置けます。
そのほかにも「くちばしが右向き」や「翼長が50㎝未満」などの配置条件もあります。
また、マスの一部にはボーナス付きもあり、カードや卵、餌が手に入るところもあります。
マスにはトークンを1個しか配置できないので、ボーナスマスには早めに置きたいところ。
トークンを配置したくない場合は、目的ボード左下のマスに置いておきます。自分の手番中にこれを1個支払うことで、餌箱 or カードトレイのリセットができます。
④ラウンド終了時
ラウンドが終了したら、ウイングスパンの基本ルールと同じように、そのラウンドの目的タイルを確認して、1位と2位を決めて、アクションコマ1個を置きます。
1位のプレイヤーは2~5点獲得できますが、2位だと0点なので、かなりシビアです。
ただし、2位のプレイヤーは親マーカーを受け取って、次のラウンドで最初にプレイできます。
⑤ゲーム終了時
ゲームが終わったら、目的ボード上にある自分のトークンを確認して、一番大きい塊(点線で繋がったトークンが多いところ)を見つけます。
一番大きい塊を構成しているトークン1個につき1点獲得できます。
【新ルール】6~7人でも遊べる「群鳥モード」
次に、ウイングスパンが6~7人で遊べるようになる「群鳥モード」を紹介します。東洋の翼と基本セットを組み合わせることでプレイできます。
人数が増えるとプレイ時間がすごく長くなってしまうところを、2人同時プレイという方法で解決しています。
①グループを2つに分ける
基本的な遊び方はウイングスパンと同じですが、群鳥モードでは2つのグループに分かれます。
6人プレイなら3人・3人、7人プレイなら4人・3人に分かれます。
4人と3人に分かれたところ
餌箱、ダイス、カード&カードトレイは別々に用意して、別のグループのものは使えません。
目的ボードは、共通の「群鳥目的ボード」を使います。
②2人同時プレイする
手番では、群鳥手番順ダイヤルを使って、2人同時プレイをします。
下の画像のように、ダイヤルの針が指している色のアクションコマを使っている2人の手番になります。下の画像では、紫色と黄緑色のプレイヤーの手番です。
2人の手番が終わったら、ダイヤルを回して、次の2人がプレイします。
こんな感じで、グループを分けて、ダイヤルが指している2人が同時プレイしていきます。
かなり力技な気がしますが、どうなんでしょうか。実際に遊ぶ機会があればレビューに追記します。
ウイングスパン東洋の翼のレビュー
最後に、実際にウイングスパン東洋の翼を遊んでみて感じた良い点・微妙な点をレビューします。
良い点①インタラクションアップ
ウイングスパン東洋の翼の一番の目玉は、プレイヤー間のインタラクションがアップする『つがいモード』。
「エリアの早取り&妨害要素」と「目的タイルでの点数が勝った方だけに入ること」で、まったりしたプレイ感のウイングスパンが対立的なゲームになって、ほんのりバチバチするようになりました。
鳥カードを置くときは、考えることがかなり増えています。これまで通りエンジンビルドを考えるだけでなく、「つがいトークンを良いマスに置けるか」「相手よりも先にボーナスマスを取るか」「相手のトークンの連結を妨害できるか」なども考慮することになり、より相手を強く意識するようになっています。
基本セットでは相手のプレイをほとんど気にしなくていいのでソロプレイ感がかなり強かったのですが、せっかくの2人対戦だからこそ「相手との接点を増やす」というのは2人用としていい方向に進化していると感じました。
良い点②コンポーネントの簡素化
個人的にはコンポーネントの簡素化は良かったです。
テーブルのスペースが増えるし、取り扱いも楽なので、僕は基本セットや他の拡張で遊ぶ時も東洋版のコンポーネントを使おうと思っています。見た目のインパクトはなくなりますが、何度も遊んで見慣れてしまった我が家なら問題なしです。
ちなみに、コンポーネントが簡素になったせいか、ウイングスパン基本セットよりも安くなっています。(基本セット7,150円、東洋の翼5,940円)
2人プレイがメインでウイングスパンを持っていない方からするとトライアルしやすくなっているのがいいですね。
良い点③初心者向けクイックスタートガイド
ウイングスパン東洋の翼には、つがいモードを初めて遊ぶ人が簡単に遊び方を理解できる「お手軽つがいモードプレイガイド」が付属しています。
最初に持つカードや餌、手番でやることが書かれていて、その通りにプレイするとつがいモードが分かるという親切設計です。
僕も最初はこのプレイガイドの通りにやったらすぐに理解できました。インストの時にめちゃくちゃ役立つと思います!
微妙な点①ピンク色のカードが弱い
東洋の翼に限った話ではなく、もともとウイングスパンを2人プレイしている時から感じていたことですが、2人だとピンク色のカードが弱いです。
ピンク色のカードは次の自分の手番までに1回使える能力で、相手が手番中に条件を満たしてくれれば発動できます。
多人数の時は有用ですが、人数の少ない2人プレイだと発動のチャンスが減るのでかなり弱体化します。
東洋の翼にはピンクのカードが2枚しかないので大したことないですが、基本や他の拡張も混ぜて遊ぶことも考えるとなにかしらのフォローがあったらなぁ、と思いました。正直2人プレイだとピンク色の存在は場のカードの停滞にも繋がるので、ピンクだけ抜いてしまってもいいかもです。
微妙な点②カードと餌が回転しない
また、ウイングスパン基本セットの2人プレイ時に感じていたもう一つの問題点が、場のカードと餌がなかなか変わらないこと。
ウイングスパン東洋の翼では自分のつがいトークンをマスに置くのを諦めれば、餌トレイとカードトレイをリセットできるようになっています。
ただ、これをやってしまうとつがいトークンから得られる点数が減ってしまうので、なかなかやりづらい…。結局、カードと餌の回転率が鈍かったです…。
ちなみに、拡張2弾の『ウイングスパン大洋の翼』ではもう少し気軽にリセットできます(任意の餌を支払うことで、餌場・カードトレイをリセット)。そのため、東洋の翼単体よりも「東洋の翼」+「大洋の翼」の方がバランスが取れると思います。
2人プレイなら基本セットか東洋版か?
ウイングスパンを未所持で2人プレイがメインの方向けに両者の良さをまとめます。
ウイングスパンのそもそもの醍醐味は、エンジンビルドを構築する気持ちよさです。邪魔し邪魔されることがないので、他の人のプレイを気にせずに自分がやりたいことだけに集中できます。(一方で、悪く言うとソロ感が強い)
ウイングスパン東洋の翼では、新要素を加えたことで、エンジンビルドの快感は薄れていますが、相手とのインタラクション(やり取り)がアップしています。
なので、僕のおすすめの選び方はこちら。
そもそものエンジンビルドに集中したい・まったりしたプレイ感が好きなら、基本を2人プレイでOK。
— はとまめ@ぼくとボドゲ (@boku_bodo) January 28, 2023
もうちょっとプレイヤー間でのやり取りがほしいなら、東洋版!
- エンジンビルドに集中したい・まったりしたプレイ感が好き⇒基本を2人プレイ
- 相手との対戦感が欲しい⇒東洋の翼
ただ、個人的に推すなら『東洋の翼』です。
理由は、基本セットの2人プレイだと場のカードと餌の停滞感が強いからです(東洋の翼の方がマシ)。また、箱もコンパクトになっているので、収納的にもこっちの方が良いですし、値段も安いです。
僕は基本セットは3~4人で遊ぶ時ならウイングスパン基本セットで、妻と2人で遊ぶ時はウイングスパン東洋の翼一択になると思います。
ちなみに、どちらの場合でも、拡張版『ウイングスパン大洋の翼』を入れた方がバランスが取れるのでおすすめです!
以上が、ウイングスパン東洋の翼のルール&レビューでした。
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