死者の日の祝祭を徹底紹介!人物名を単語に4回変換する連想系ボードゲーム
今回紹介するのは、2021年7月にケンビルさんから発売された『死者の日の祝祭』です。
最初はドクロボードのキャッチーな見た目に惹かれましたが、調べていくと、連想系協力ゲームで推理要素もあり、さらに「8人まで遊べる」という貴重な大人数向けだったので、購入を決めました!
死者の日の祝祭を簡単に説明すると「人物名を別の単語に変換して、その単語をさらに別の単語に変換して…を4回繰り返して、最後の単語から人物名を当てる」ことを目指すボードゲームです。
6~8人で遊ぶ時の新定番になりそうです!
商品名 | 死者の日の祝祭 |
原題 | Fiesta de los Muertos |
プレイ人数 | 4~8人 |
プレイ時間 | 15分 |
対象年齢 | 12歳~ |
ジャンル | 協力系、連想系 |
発売時期 | 2019年 |
デザイナー | Antonin Boccara |
版元 | OldChap Editions |
日本語版販売 | ケンビル |
価格 | 3,520円(税込) |
関連ページ | BoardGameGeek |
▽ボードゲームのおすすめランキングはこちら
死者の日の祝祭はどんなゲーム?
死者の日の祝祭は、死者を連想させる単語からその人物を当てるという連想系協力ボードゲームです。
ある人物名を別の単語で表現して、その単語をさらに別の単語に変換していき、最後の人が書いた単語からその人物が誰かを当てます。
このゲームは、実際に実在するメキシコの伝統的な祝日「死者の日」をテーマにしています。死者の日は故人への思いを馳せて語り合う日なので、過去の人物を想像して連想ワードを考えるという遊び方がテーマにドンピシャでした!
また、死者の日の祝祭は『フランス年間ゲーム大賞2020』の一般部門にもノミネートされたことのある人気作品でもあります。※2020年の大賞はオリフラム
死者の日の祝祭の『内容物』
まずは、死者の日の祝祭のコンポーネントを紹介します。
【内容物】
ドクロボード8枚 / 解凍ボード8枚 / マーカー8本 / 追憶の骨トークン / 人物カード / 番号カード / 制限カード / ブランクカード
特に目を引くのは、大量に入っている「人物カード」です!
聖徳太子・ブルース・リー、クレオパトラ、徳川家康など過去の有名な偉人の名前が書かれたカードがたくさんあります。
元々はフランスのゲームですが、日本語版製作にあたり日本人になじみ深い人物名に変更されています。
死者の日の祝祭の『ルール』
ここからは、死者の日の祝祭のルール・遊び方を紹介します。
①ボード2枚とマーカーを受け取る
まずは全員「ドクロボード・解答ボード・マーカー」を受け取ります。
また、プレイ人数に応じた数の「追憶の骨トークン」をテーブル中央に置きます。
追憶の骨トークンは、ゲーム終盤に使うお助けアイテムです。(詳しくは後述)
②連想ワードを書く
各プレイヤーは人物カードを1枚ずつ引いて、自分だけ確認します。
ドクロボードの真ん中にその人物名を書きます。
人物名を書いたら、他のプレイヤーが見れないように、ドクロボードの上半分を閉じます。
そして、人物名から連想できる単語1つを考えて、ドクロの口の中に書き込みます。例えば、お題が「ウルトラマン」なら、連想できるワードとして「巨大化」などと書きます。
単語を書き終えたら、ドクロボードの歯を1本塗りつぶします。(歯を1本塗りつぶす=連想ワードを1回書いた、ということを表しています)
③ボードを左隣の人に渡す
ここまで終わったら、ボードを裏向きにして左隣の人に渡します。
④単語を消して、別の単語を書く
右隣の人から別のドクロボードを受け取ったら、まずは隣の人が書いた単語を確認します。
単語を確認したら、その単語を消します。
そして、先ほど消した単語から連想できる別の単語に書き換えます。先ほど消したのが「アップル」だったので、アップルならジュースでしょ、ということで「ジュース」と書いてみます。
単語を書いたら、またドクロの歯を1個塗りつぶして、ドクロカードを左隣に渡します。
死者の日の祝祭では、単語を書く時に人物名を書くのはNGです!
⑤一連の流れを繰り返す
「ドクロボードを受け取って別の単語を書いて渡す」という一連の流れを繰り返して、各ドクロボードに4人のプレイヤーが連想ワードを書きこんだら連想終了となります。つまり、ドクロの歯が4本塗りつぶされたら終わりということです。
ここまでの説明では、ドクロボードに2人のプレイヤーが書き込んでいるので、あと2回繰り返します。
▼3回目
「サイヤ人」というワードが回ってきたので、サイヤ人なら猿に変身するよねってことで「猿」に書き換えました。
▼4回目
「空手」というワードが回ってきたので、「正拳突き」に書き換えました。
これで、ドクロの歯が4本塗りつぶされた(4人が単語を書いた)ので、連想終了です。
⑥ドクロボードと人物カードを並べる
みんなが持っているドクロボードを裏向きで集めてシャッフルします。
番号カードを並べて、番号カードの下にドクロボードを表向きでランダムに並べます。
【ボードに書いてある単語】
タケコプター / 銀行 / 正拳突き / 恐竜 / 動物園 / マクドナルド
ボードは裏向きでシャッフルされて最後の単語しか見えないので、どれが自分が最初に持っていたボードかは分かりません。
そして、各プレイヤーが最初に持っていた人物カードを回収します。人物カードの合計が8枚になるように、追加の人物カードを引いて裏向きのまま混ぜます。
8枚の人物カードをシャッフルして、ドクロボードの近くに表向きで並べます。
【場の人物名】
孫悟空 / 聖徳太子 / ウルトラマン / コロンブス / スティーブ・ジョブズ / 福沢諭吉 / ブルース・リー / ムスカ
⑦推測する
ドクロボードに書いてある単語から、どの人物カードを表しているのかを推測します。この時、他のプレイヤーと会話するのは禁止です。
場の単語のうち4つは自分が関わった単語です。自分がゲーム中に書き換えた単語を思い出すことで、それがヒントになります。
最初に隣から受け取ったボードを思い出してみます。「アップル」と書いてあり、それを「ジュース」と書き替えました。
つまり、1つのドクロボードについては以下のことが分かっています。
アップル ⇒ ジュース ⇒ ? ⇒ ?
今ある単語の中で「ジュース」から派生しそうなのは…ということで、もう一度全ての単語を見てみましょう。
ジュースから変化していきそうなのは、おそらく「マクドナルド」くらい。
アップル ⇒ ジュース ⇒ ? ⇒ マクドナルド
この推測が当たっているとすると、マクドナルドの大元のヒントは「アップル」ということになります。じゃあ、アップルから連想できる人物カードを探すと…
MacやiPhoneを生み出しているアップルの創業者スティーブ・ジョブズということになります。
こんな感じで、自分が関わったボードなら途中の単語が分かっているので、それがヒントになります。
ただし、自分が関われるボードは4枚なので、6人プレイなら残り2枚のボードにはノータッチです。そのため、残り2枚のボードだけは最後のヒントだけから考えなければならないので、難易度が高くなります。
解答ボードの各番号に人物名を記入します。
⑧答え合わせ
1枚ずつドクロボードを開いて、答えを確認します。
正解したプレイヤーの人数を確認して、ドクロボード上段のボックスに正解人数分のチェックを入れます。
6人プレイなら「6」という表示の下から右に向かってチェックを入れていきます。
一番右側の白ボックスにチェックが入ったら「死者の魂が癒された」ことになり、そのドクロボードを閉じます。
一方で、一番右側の白ボックスにチェックが入らなかったら、ドクロボードを開けたままにしておきます。
また、全員正解して一番右の黄色ボックスまでチェックが入ったら、「追憶の骨トークン」を1個獲得します。
⑨追憶の骨トークンで白ボックスを埋める
全てのドクロボードの答え合わせが終わったら、お助けアイテムの「追憶の骨トークン」を使うことができます。
追憶の骨トークンを1個使うごとに、まだ癒されていないドクロボードの白ボックスを1個埋めることができます。
一番右側の白ボックスが埋まったら、ドクロボードを閉じます。
⑩ゲームの終了
これでゲーム終了です。
死者の日の祝祭は協力ゲームなので、プレイヤーごとの勝敗はありません。また、明確な成功・失敗のラインもありません。より多くの死者の魂を癒すことを目指しましょう。
難易度アップする『制限カード』
死者の日の祝祭では、制限カードを加えることで、難易度をアップさせることができます。
制限カードには《あorさから始まる》《んを含む》《道具・人工物》などがあり、単語を書くときにこの制限に従わなければなりません。
僕はまだ制限カード入りでプレイしていませんが、想像しただけで激ムズになる予感がします…。今度遊ぶ時に加えてみようと思います。
死者の日の祝祭の『レビュー』
最後は、死者の日の祝祭のボードゲームレビューです。
単語の変化を推理するのが面白い!
場の人物カードとは全く関係ない単語を見て、「どのように変化してそのワードになったのか」を想像して推理するのが面白いです!
実際に6人でプレイすると、4つは自分が関わった単語、残り2つは自分が一切関わっていない単語になります。自分が関わった単語なら、途中の単語の変化を知っているので、その前後がどのような単語だったのかを考えることで、正解に近づけます。
ただ、難しいのは、自分が一切関わっていない単語。最後の単語は人物名からかけ離れたワードになっていることがほとんどなので、そのヒントだけから推理するのはめちゃくちゃ難しいです。ここが一番の悩みどころであり、プレイヤーの腕の見せ所でもあります!
僕が遊んだ中で一番の難問だったのが、最後の単語が「タケコプター」で、答えが「ウルトラマン」の時。これは、以下のように単語が変わっていました。
【答えがウルトラマンの時】
巨大化 ⇒ビッグライト ⇒秘密道具 ⇒ タケコプター
この時に、ミラクルが起きて、人物カードの中に「藤子・F・不二雄」があったので、これしかないでしょ!と即決したら不正解に…。あまりに出来過ぎた状況に大爆笑でした!
そして、この手のゲームで必ず盛り上がるのが感想戦!結果発表では、単語がどのように変化したのかを確認したり、自分がなぜそのワードを書いたのかを主張したりして、「いや飛躍しすぎ!」「そっちの意味か」「もっといい言葉があったでしょ!」とワイワイ盛り上がれます。解答タイムにしっかりと推理しておくと「自分はこういう風に考えたよ~」と言って会話が弾むので、諦めて勘で当てにいくのではなく、無理矢理にでも推理しておいたほうが楽しい時間を過ごせます。
テレストレーションとの比較
同系統のゲームに『テレストレーション』があります。死者の日の祝祭は「単語⇒単語⇒単語⇒単語」と単語のみで表現していきますが、テレストレーションは「単語⇒絵⇒単語⇒絵」というように単語とイラストで交互に伝えていきます。
どちらも伝言形式で最初と最後のズレを楽しめますが、テレストレーションは同じものを表現する(例:カバの絵⇒カバの文字)、死者の日の祝祭は別の表現に置き換えるという点が大きく違います。
テレストレーションでは同じものを表現するので、絵がうまい人が集まると最初から最後まできちんと伝わってズレが起きないことがあります。伝言ゲームの醍醐味を味わえるかはプレイヤーに依存する部分が大きいです。
一方で、死者の日の祝祭は、違う言葉に置き換えていくので、ゲームシステムである程度のズレが保証されています。これが、死者の日の祝祭の安定した面白さに繋がっていると思います。
とはいえ、絵が下手な人がいた時のテレストレーションの爆発力は凄まじいですし、イラスト系は子供が遊びやすいので、僕はメンバーによって使い分けようと思います。
死者の日の祝祭の微妙な点
死者の日の祝祭の微妙な点を挙げると、万人ウケするゲームではないこと。
というのは、歴史上の人物がたくさん出てくるので、歴史が苦手な人だと連想できずに困ってしまうと思います…。最初の人物カードを引く段階では「全く知らない人物だったら引き直しあり」というルールがあるものの、最後の単語から人物を当てる場面ではその人物を全く知らないと推理できません…。
お題が死者限定じゃなかったらもっと遊びやすそうなのに…とどうしても思ってしまいますが、テーマが“死者の日”なのでこの根本を変えるわけにはいかないですよね…。
ただ、そんな時のために、みんなが知っていそうなお題だけに絞ることができるようになっています。みんなが知っていそうなお題には、右下に「黄色のマーク」が付いています。
この黄色マークのお題だけ取り出せば、歴史嫌いな人や子供でも遊べるようになります。ただ、何度か遊ぶと同じお題が繰り返しでてきてしまうので、すぐにマンネリ感が出てきてしまうと思います…。このゲームを100%堪能するなら、歴史上の人物をざっくりとでも知っているメンバーで遊ぶのがおすすめです!
【最後に】6~8人で遊ぶ時の新定番!
以上が、死者の日の祝祭のルール&レビューでした。
単語を単語に変換するだけなので、ゲームテンポがとても速くてサクサク遊べます。また、テーマとゲーム内容が合致しているので、インストする時に「メキシコの祝日に死者を想う“死者の日”があって、その日と同じように~」と説明しやすいのもGOODでした。
個人的にはかなり気に入っているので、6~8人で遊ぶ時の新定番になりそうです!
また、死者の日の祝祭のほかにも面白いボードゲームはたくさんあります。僕のおすすめのボードゲームについては『ボードゲームのおすすめランキング』で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
【関連記事】連想系ワードゲーム
▼ジャストワン
▼コードネーム
▼ことばのクローバー!