
【徹底レビュー】『ニダヴェリア』コイン5枚の価値を高める競りゲーム

2020年9月4日に、すごろくやさんから『ニダヴェリア(Nidavellir)』の日本語版が発売されました。僕はすごろくやさんの公式予約サービスで予約していたので、提携店で受け取り早速遊んでみました!
原版は、フランスのGRRRE Gamesから2020年に発売された新作です。
今回は、5枚のコインをアップグレードさせながら競るというのが特徴の競り系ボードゲーム『ニダヴェリア(Nidavellir)』のルール&レビューを紹介します。
▼ニダヴェリア(Nidavellir)
商品名 | ニダヴェリア |
---|---|
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 45分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | 競り |
発売時期 | 2020年 |
デザイナー | Serge Laget |
販売元 | すごろくや |
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目次
ニダヴェリアはどんなボードゲーム?
ニダヴェリア(Nidavellir)は、ドラゴン討伐のために優秀な傭兵を競りあって、最強の師団を作ることを目指す競り系ボードゲームです。
場に提示されているドワーフたちをコインで競り合いますが、面白いのが5枚のコインをグレードアップさせていくところ。ゲーム中は常に5枚だけのコインしか持つことができず、そのコインをより価値の高いコインに変えることができます。


コインのグレードアップをするためには競りで負けることになるので、「コインの強化を優先するか、強力な傭兵を優先するか」という判断が悩ましい!
相手が何を集めているか、今何を取ろうとしているのかを察知して、どのくらいの大きさのコインで勝負するのかという判断が重要なボードゲームです。
ニダヴェリアの『ゲーム準備』
まずは、ニダヴェリアのゲーム準備からです。
各プレイヤーの準備
個人ボードなどを手元に置き、さらに「初期コイン」を5枚受け取ります。


最初は「0・2・3・4・5」のコインです。
場に、「3つの酒場の看板」「コイン置き場」「山札(時代1・時代2)」などを置きます。


また、カード立てにボーナスカードである「英雄カード」「栄誉カード」を並べます。


これで、ゲーム準備完了です。
ニダヴェリアの『ルール』
ここからは、ニダヴェリアのルールを紹介します。(今回は3人プレイの場合)
ゲームの流れ
ニダヴェリアのゲームの流れは以下の通りです。
- 時代1
- 中間決算(部隊評価)
- 時代2
- ゲーム終了
「時代1」「時代2」という2フェイズに分かれており、途中の中間決算でボーナスカードを獲得できます。
競りでカードを獲得する
コインを裏向きでセットする
3か所ある酒場にプレイ人数と同じ枚数のカードを並べます。(3人プレイなら3枚ずつ)


この3か所の酒場にあるカードをそれぞれ競り合います。
プレイヤーは同時に、酒場ごとに「いくらのコインで勝負するのか」を決めて、個人ボードに3つある酒場マークの上にコインを1枚ずつ裏向きで置きます。


使わない2枚のコインは、個人ボードの下部に裏向きでセットします。
コインを公開して、カードを獲得する
全員一斉に、最初の酒場にセットしたコインを公開します。


一番大きい額のコインを入札した人から順に、酒場のカードを選ぶことができます。


獲得したカードは個人ボードの横に、色ごとに重ねていきます。


2番目・3番目の酒場でも同様に競りを行う
1つ目の酒場での競りが終わったら、2番目の酒場、3番目の酒場でも競りを行います。


3か所での競りが終わったら、再び各酒場にカードを並べて、山札が尽きるまで競りを続けます。
5色が1列揃ったら「英雄」が手に入る!
自分の手元に5色のカードが横一列揃ったら、「英雄カード」が手に入ります。


カードスタンドにある「英雄カード」から好きなカード1枚を獲得することができます。


英雄カードは、高得点カードの他にも「コインの価値を高める」「ゲーム終了後にボーナス点がもらえる」「他プレイヤーの入札額を見てから入札できる」などの特殊能力もあります。
【重要】コインをグレードアップする
ニダヴェリアの面白いシステムが、お金を育てる「コインのアップグレード」です。
競りで「0コイン」を出したプレイヤーは必ず競り負けて選ぶ順番がほぼ最後になってしまいますが、その代わり、コインの価値を上げることができます。


「0コイン」を出した時、今回の競りに使わなかった2枚のコインの合計値分のコインを獲得し、その代わりに2枚のうち大きい方のコインを手放します。自分のコイン枚数は増えるのではなく、常に5枚です。
例えば、競りに使わなかったコイン2枚が「5コイン」「2コイン」なら、場から「7コイン」を獲得して、5コインを手放します。


つまり、「5コイン」が「7コイン」にグレードアップしたということです。
中間決算で「ボーナスカード」を獲得する
最初の山札が尽きたら、中間決算になり、各プレイヤーの部隊状況によりボーナスの「栄誉カード」を獲得できます。
ドワーフの色(クラス)ごとに、カード左上の階級章の数を比べて、最も多い人が対応する色の「栄誉カード」を獲得できます。


ボーナスカードを獲得した人は、それぞれ強力な特殊効果を受けることができます。
中間決算が終わったら、次の山札(世代2)を使って、酒場にカードを並べて、山札が尽きるまで競りを続けます。
ゲームの終了
世代2の山札が尽きたら、ゲーム終了です。
各クラスの得点方式に従って、自分の部隊の点数を計算をします。また、コインの総額もそのまま点数になります。


各プレイヤーが合計点を発表して、最も高いプレイヤーの勝利となります。
ニダヴェリアの『エラッタ情報』
販売元のすごろくやさんから、ニダヴェリアのルール誤訳についてアナウンスがありました。
『ニダヴェリア』初版の説明書に一部誤りがあり、一時販売を中断しております。申し訳ありません。
詳細はこの記事をご覧下さい。https://t.co/IBw87Cfxca
誤記訂正の添付・配布にて対応させていただきます。記事内の該当者の方々は、大変お手数ですがご連絡ください。よろしくお願い申し上げます。— すごろくや (@sugorokuya) September 7, 2020
具体的には、下記の「戦士の得点ボーナス部分」についてです。
誤:「戦士たちの勇敢評価値を最も高めた者は」
↓
正:「戦士たちの階級章を最もたくさん集めた者は」
僕は、勝手に「階級章」と思い込んで遊んでいましたが、どうやら正しかったようです。笑
お店で購入した人は、すごろくやさんの公式ページの入力フォームに記入することで、正しい説明書が郵送されてくるそうです。僕も店頭購入なので入力フォームからリクエストしました。
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ゲーム『ニダヴェリア (日英語版)』の初版にルール誤訳がありました
日本国内流通用『ニダヴェリア (日英語版)』初版の日本語説明書の一部に不備があることが判りました。
お詫びとともに、こちらに訂正内容を記します。
訂正内容
P.7...
ニダヴェリアの『得点計算アプリ』
ニダヴェリアを遊んでみて、プレイ自体はシンプルだけど、最後の得点計算だけ少し面倒でした…。
そこで、ニダヴェリアの『得点計算アプリ』を入れてみました。少し触ってみた感じでは、各プレイヤーごとに獲得したカードをタップしていくだけなのでとても簡単です。


ただ、ゲーム終了後に全員分のカードをタップするのはそれはそれで大変そう…。次遊ぶ時に導入してみようと思いますが、おそらくそれぞれが手計算したほうが早そうな気がします…。
好みは分かれると思うので、気になる方は下記からインストールできます。
⇒App Storeからダウンロード
⇒Google Playからダウンロード
ニダヴェリアの『スリーブ』
ニダヴェリアのカードサイズは「80mm×54mm」なので、『ウルトラプロ 54㎜×80㎜サイズカード用ボードゲームスリーブ』がちょうどいい大きさです。


ニダヴェリアには118枚のカードが入っているので、この50枚入りスリーブが2セットあればOKです。


ニダヴェリアの『ゲームレビュー』
最後は、ニダヴェリア(Nidavellir)のボードゲームレビューです。
コインビルディングが新鮮!


このゲームの特徴は何と言っても、お金を育てる「コインビルディング」システム。手持ちのコイン自体を強化していくというのはとても新鮮でワクワクします!
自分が遊んだ時は「0コインを使わずに優秀な傭兵を取るか、0コインを使ってコインを強化するか」というジレンマはほぼなく、コイン強化をするのは大前提でした。3つの酒場のカードを見て「この酒場は余りものでもいいや」と思ったところに0コインをセットする感じ。
ジレンマを感じたのは、数字の大きいコインを「競りに使うか、コイン強化に使うか」というところ。大きいコイン2枚をコイン強化に使えばさらに高価値のコインが手に入りますが、そのターンの3か所の競りではボロ負けします。そのため、競りでも勝てるように小さめのグレードアップでいくか、競りを捨てて大きめのグレードアップでいくかといった判断に悩ましさを感じました。1人のプレイヤーに出回っているコインの上位2つを抱えられたりすると競りで勝ちづらくなるので、相手のコイン状況を把握しながら、どのくらいのコインを作るのかを考えることが大事です。
特化か、満遍なくか


自分が遊んだ感じでは、1色に特化して集めて、英雄カードが取れる状態になったらさらに特化している色を獲得するというプレイが強く感じました。ただ、まだゲームに慣れていないこともあり、あまり妨害が入らず集めやすかったこともあると思います。
次は、全色満遍なく集めて、英雄カードをたくさん取るという戦法も試してみようと思います。
サクサクできる!初めての競りゲームとしてもおすすめ!


ニダヴェリアは個々のターンがなく、全員同時プレイでサクサク遊べるので、待ち時間によるストレスがありません。また、みんな持っているコインが違ってくるので、「ここで競っても負けるだろうな」と諦めがつきやすいシーンも多く、悩みすぎないのも良いところ!
また、僕の大好きな競りゲーム『モダンアート』だと1人のミスが他のプレイヤーに大きく影響してしまうので少しシビアな部分がありますが、ニダヴェリアはそこまでのシビアさはないので、遊びやすい競りゲームという印象です。(以下の気になる部分を除いては)「初めての競りゲーム」としてもおすすめできるボードゲームです!
ただ少し気になったのは「初見でのアイコンの分かりづらさ」。カードテキストがなくてシンプルな見た目はすごく好みでしたが、アイコンが示す意味が分かりづらいです…。初見だと「これどういうことだっけ?」「この色の得点計算は?」ということが頻繁に起こりました。ここら辺をフォローするサマリーカードがあると遊びやすかったように思うので、次に初プレイの人と遊ぶ時は自分でサマリーカードを用意したいと思います。
最後に:テーマ&システムともに超好みなゲーム!


以上が、ボードゲーム『ニダヴェリア(Nidavellir)』のルール&レビュー紹介でした。
「傭兵を雇って最強の師団を作る」という魅力的なテーマに、コインを強くしていくという新鮮なシステム、競り系が好きな自分にとっては強烈に刺さるボードゲームでした。正直かなり好きです!
ちなみに、プレイ人数については「3人以上」がおすすめです。基本的にプレイ人数と同じ枚数のカードを競り合いますが、2人プレイ時のみ2人で3枚のカードを競り合うことになります。そのため、2人で遊んだ時は「先に取られても残りの2枚から選べるならいいや」ということがよくあって、コイン選びがすごく気軽にできるように感じました。
3人以上で遊んだ時と比べて競りの悩ましさが薄く感じたので、個人的には3人以上で遊ぶのがおすすめです!
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